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メッセージ

ミレニアム・プロミス・ジャパン会長の北岡 伸一、ミレニアム・プロミス・ジャパン理事長の鈴木りえこからのメッセージは以下をご覧ください。

なおその他の方々からいただきましたメッセージにつきましても、ブログのメッセージのページに掲載しておりますのでぜひご覧ください。

ごあいさつ

ミレニアム・プロミス・ジャパン会長
東京大学法学部教授・前国連次席大使
北岡 伸一

現在、日本人1人の年間平均所得はおよそ2万6千ドル、平均寿命は約82才です。一方、アフリカでは46%もの人々が1日1ドル未満で暮らし、平均寿命は約46才です。

20080214_ido.jpg しかし、アフリカのこうした貧困や悲惨な状況は、解決不可能ではありません。貧困の原因は、紛争、病気、教育の欠如など、さまざまですが、最大の問題である紛争は、沈静化の方向にあります。新しい援助の方法も開発されつつあり、日本もアフリカの貧困削減に協力することができます。

アフリカは日本から遠く、関心を持つ人もまだ多くありません。しかし、日本の繁栄は、世界の秩序ある発展にかかっており、秩序の崩壊をもたらしかねない極度の貧困を放置しておくことはできません。日本は、こうした世界的な問題に積極的に取り組むことによって、世界の尊敬と友情を勝ちえなければなりません。それが、アジアや世界における日本の発言力を、さらに強めることになるのです。

19世紀以来第二次世界大戦まで、日本は他国の援助を受けることなく、発展してきました。戦後には、世銀などからの援助を得て速やかに復興を実現し、アジアを中心としてさまざまな援助を行ってきました。

20080214_kitaoka.jpg 日本の経済援助の基礎にある哲学は「自助」です。すなわち、援助する側は、あくまで協力者に過ぎず、主人公は貧困地域の人々であって、彼らの自立を支援することによって経済発展を実現すべきだという考え方です。そのためには援助される側と対等の立場に立って、ともに考え、ともに行動することが重要です。

すでに成果をあげつつある国連のミレニアム・ビレッジ・プロジェクトは、実は上記のような日本の経済援助の哲学に大きな示唆を得て出来たものなのです。ミレニアム・プロミス・ジャパンは、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトを支援します。

私たちは、多くの日本人にぜひアフリカに行ってほしいと思っています。貧困地域の生活を経験することによって、日本がいかに恵まれた国であるかを知ってもらいたいと思います。そこから、グローバルな使命感を持ち、世界の中の日本をリードする人々が生まれることを願っています。

ミレニアム・プロミス・ジャパン設立への思い

ミレニアム・プロミス・ジャパン理事長
鈴木りえこ

2005年早春、ケニアのナイロビに滞在していたジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)からニューヨークの夫・北岡伸一に電話がありました。国連事務総長の特別顧問で、国連のミレニアム開発目標(Millennium Development Goals--MDGs)のレポート執筆者であるサックス教授は、21世紀の開発目標を達成する(世界の最貧困を半減する)ための最大の課題はアフリカである、と説いていました。

貧困の原因は、第一にエイズ、次がマラリアだということです。エイズ問題の解決は複雑・困難ですが、マラリアは蚊帳の普及でかなりの程度予防することが可能です。その蚊帳は日本のS社製品が世界一の品質ですが、供給が足りなすぎる、何とかできないか?と彼は訴えてきました。驚いたことに蚊帳は原価5ドル程度で作れるというのです。蚊帳は5年間使用可能なので、一張で少なくとも一人の子供が5年に亘って、安心して睡眠をとることができるでしょう。ちなみにアフリカでは毎年200万人の子供たちがマラリアで亡くなっているのです。

この話を聞いたとき、少々大げさに言えば、私の使命は蚊帳のさらなる普及だと感じました。夫の国連日本政府代表部赴任に伴い、17年間勤めた電通総研を辞めて、これからは国際社会に役立つことをしたい、国連に関係するからにはそこでしかできないことをしたい、と自分がなすべき仕事を探していた頃でした。5ドルならば喫茶店のコーヒー一杯の価格です。これなら、日本の人々の協力により蚊帳の普及に努め、アフリカの子供たちを助けることができると信じました。

同時に、アフリカの子供を助けることは、日本の若者を救うことでもある、という思いが心の中から湧き上がってきたのです。世界の若者に比べて、日本の若者は将来に希望がないことを、いろいろな調査が示しています。安定して物質的に恵まれた平和な社会で生まれ育つ半面、自己評価が低く、人生の目的を見失っているようです。自分たちの小さな行動で世界を変えることができるかもしれない、と知ったら、彼らも人生に前向きになるでしょう。ぜひ、若者らしく未来に期待できるようになってほしいと心から願いました。

人々を動かすためには、先ず自らの目でアフリカを見なければならないでしょう。ちょうど、3月にセネガルでマラリア抑止啓発のためのコンサート「アフリカ・ライブ」が開かれると聞いていました。サックス教授夫妻も出かけるというのです。セネガル出身のスーパー・スターでユニセフ親善大使であるユッスー・ンドールがアフリカ中のスター歌手・グループ26組ほどを集めて2晩に亘り、ダカールのスタジアムでコンサートを開催するのです。テッド・ターナー氏が創設した国連財団が後援しているため、CNNやBBCをはじめとした欧米中のメディアも集まります。

思い切って、このコンサートに出かけよう!と思い立ちました。コンサートは住友化学が後援しているというので、現地に行けば日本人が何人かはいるでしょう。夫の話では、駐セネガル日本大使館も民間を巻き込んだ活動を望んでいる、ということも安心材料でした。というわけで、無謀ですが、アフリカを見たい、という気持ちだけで、私は一人ダカールに飛んで行きました。

恐る恐る到着したけれど、大使館の方々もコンサート主催者たちも、とても親切にしてくださいました。リズム感溢れ声量が豊かなアフリカ出身のミュージシャンのステージは素晴らしかった。このコンサートのミニチュア版を日本で開催できたら、きっと日本人の若者たちの心を動かし、アフリカ支援に積極的になってくれるでしょう!音楽に垣根はないのです。それから2年。私は、まだその夢を実現するために奔走しています。

その間、サックス教授がミレニアム開発目標を達成するため、慈善事業家として名高いレイモンド・シェンバー氏とともに、ニューヨークにMillennium PromiseというNPOを創設しました。具体的には、国連と協力して、現在、アフリカ10カ国にある79ものMillennium Villagesを運営・監督するプロジェクトへの支援金を集め、村人の自助努力を奨励しながら、自立できる地域を徐々に村から町・市へとアフリカ中に拡大していく試みです。日本政府は、当初からこのMillennium Villagesへの最大のスポンサーの一つでした。私は、今、Millennium Promiseの日本版を立ち上げ、支援の輪を政府から民間へと草の根的に広げていくこと、アフリカの子供たちと日本の若者たちの将来が少しでも明るいものになることを願って、微力ながら努力を続けていきたいと思っています。