カテゴリー:MPJユース
MPJユースのタンザニア研修に同行しました!
MPJユースのメンバー12名は、2月20日~3月7日までの16日間、東アフリカのタンザニア連合共和国を訪問いたしました。MPJからは理事長・鈴木りえこが同視察の前半期間、彼らの活動に同行いたしました。
MPJユースは、3月7日の帰国直後である8日には、KPMGのマイケル・ヘイスティング卿をはじめとする企業の皆様を対象に報告を行った後、3月30日にも後援組織(東京大学や三菱東京UFJ財団)、一般の方々の前で研修報告を行いました。彼らの熱心な活動に関して、参加した社会人の皆様の多くからお褒めの言葉をいただいております。
今回は簡単ではありますが、鈴木より彼らの研修の前半に関する活動報告をいたします。
この訪問中、MPJからは、タンザニアのミレニアム・ビレッジ・プロジェクトに日本製のスマートフォン10台を寄贈しました。携帯が銀行の役割も果たしつつあるアフリカにおいて、ミレニアム・ビレッジ、Mbola村の発展に少しでも役に立てていただければ幸いです。
なお、MPJユースは現在、研修報告書を作成中です。完成しましたら改めてMPJのホームページに掲載いたします。皆さま、楽しみにしていてください。
- 2013年04月02日
- MPJユース, スタッフ現地レポート, 活動報告
【活動報告】-TICADVサイドイベント‐KPMGのマイケル・ヘイスティング卿を囲んでMDGsに関する討論会を行いました!
去る3月8日(金)、KPMGインターナショナルのGlobal Head of Citizenshipであるマイケル・ヘイスティング卿を東京大学へお迎えして、第五回アフリカ開発会議(TICADV)のサイドイベントを開催いたしました。「ミレニアム開発目標(MDGs)に向けた特別ダイアローグ」と題して、タンザニア研修から帰国したばかりのMPJユースのメンバー12名(MPJユース代表:金子明さん、視察団長:松嶋徹郎さん)がフレッシュな体験を基に、経験豊富なマイケル・ヘイスティング卿と意見交換したものです。会合には、KPMGやあずさ監査法人関係者の方々をはじめとする企業、メディア、NGOの方々にもご参加いただきました。
先ずは「MDGsを達成するために、今後どのようなアクションが必要か」というテーマで、ユースの代表らがタンザニア研修を踏まえた活動報告と意見を述べ、その後、味の素株式会社の取出恭彦博士が同社のガーナにおける研究活動について説明されました。そして、マイケル・ヘイスティング卿が、ミレニアム・ビレッジを中心に頻繁に訪れているアフリカ諸国において、リーダーらとの会談や現地視察に基づいた深い考察を述べられました。なお、KPMGは2年前にタンザニアのペンバ等にミレニアム・ビレッジを設立しています。
マイケル・ヘイスティング卿は、アパルトヘイト終焉後、超富裕層と最貧層のギャップが開いている南アフリカの現状や石油資源が豊かなナイジェリア政府の腐敗による失敗などを繰り返さないよう、最近大規模な天然ガスの埋蔵が期待されているタンザニアは、同じく石油が生産されているガーナのような透明な資源マネジメントを行うべきであると、タンザニア政府に関してのアドバイスを述べられました。そして、携帯電話を使ったバンキングや様々な情報へのアクセスが可能となり、アフリカ諸国の低所得階級から中所得階級が生まれつつあること、プリペイドのスマートカードを利用して、水を無駄にせずに供給できるような仕組みが出来上がっていること、アフリカの平均的な成長率が中国とほとんど変わらないことなど、変革を遂げつつあるアフリカ諸国のポジティブな面を強調されました。一方、アフリカ大陸では毎日約3万人が亡くなっていて、さらに亡くなり続けるであろうこと、法律が確立されていないために著作権などの権利が守られていないことに対して懸念も示されました。また、MDGsに関しては、No.5である妊産婦の健康を向上させる目標が、多額の費用も要し最も困難であることを指摘されました。2015年以降になっても、サステナブルな成長をめざし、アフリカ諸国のリーダーらがこれらの目標を達成するための努力を怠らないと約束していること、人権を守ることなどにも注意が向けられつつあることなどにも言及されました。 学生からも活発な質問があり、非常に充実した2時間となりました。 このような有意義な会合を可能にしてくださったKPMG / あずさ監査法人の皆様に感謝しております。
【活動報告】目黒区立第八中学校とウガンダの生徒がスカイプで交流しました!
去る3月1日(金)、MPJスタッフ新島絵里奈と、MPJユースのメンバーから西村千夏さん、石井遥さんが目黒区立第八中学校の卒業を控えた3年生69名を対象に、国際理解教育の一環として講義いたしました。 内容としては、1.MPJの活動一般に関する紹介、2.MPJユースの会が昨年3月に実施したガーナ視察の報告、3.ウガンダ・ルヒーラ村のMPJ女児奨学生5名と男子学生1名とのスカイプを通じた対話、という3つに分けて授業を行いました。 まずは、中学生の皆さまにももっと身近にアフリカのことを感じてもらえるように、現地の生活や活動の説明をいたしました。最後に スカイプでウガンダと繋がると一気に会場は盛り上がり、中学生らが積極的に質問しました。 ウガンダではミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの教育担当者らや現地に滞在中のMPJスタッフ・高橋郷が準備を行い、Marryhill high schoolのご協力を得て、6名のウガンダの生徒と目黒区立第八中学校を繋ぎました。
授業後には、中学生の皆様から以下のような感想をいただきました。その中でいくつか下記にご紹介いたします。 「学べることの大切さを感じなければいけない。」 「もっと世界に目を向けていきたい。」 「アフリカの子供たちの勉強に対する熱意を感じた。」 「貧しい=かわいそうではないということに気付いた。」 生徒さんたちが、この授業を通じて、少しでもアフリカへの関心を抱いてくださり、今後の交流につながりましたら幸いです。 また、目黒区立第八中学校の皆様からは、アフリカへ送るための文房具をご寄付いただきました。 今回、このような機会を設けてくださった飯野博史校長先生をはじめとするご担当の先生方、誠にありがとうございました。
生徒からの終了後のMPJへの手紙はコチラ!
目黒区立第八中学校のHPでも今回の授業をご紹介いただきました!
【TICADVサイドイベント】第2回アフリカからの留学生との交流会も大盛況でした!
去る1月15日(火)、ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)では、来年6月に開催される第五回アフリカ会議(TICADV)のサイドイベントとして、アフリカ諸国からの留学生とMPJ・ユースの会とMPJ会員を中心とした第二回交流会を開催いたしました。試験も近づき前日の大雪が残る環境下、約40名の方々がお集まり下さいました。MPJ会長・北岡伸一の挨拶の後、駐日南アフリカ大使モハウ・ペコ閣下も駆けつけ、若者に向けた貴重なスピーチを賜りました。
大使からは以下のようなお話をいただきました。
第5回アフリカ開発会議(TICADV)は設立後20周年の記念的会議であり、アフリカ連合(AU)の50周年と重なる。これまでの20年間、アフリカ大陸は貧しい暗黒の、機会に恵まれない大陸から、急速に成長し大きく変貌しつつある。アフリカ諸国は自信を持ち始め、開発に関しても、資源を再発見、再投資して自ら担わなければならないことを自覚している。日本もアフリカ諸国に対して、これまでのように援助しなければならない対象から、対等のダイナミックなパートナーシップを築くべき相手として、相互関係を再構築していくにはどうすべきか、考えなければならない。国際社会は流動的であり、常に新しい紛争やチャレンジが起きている。ユニバーサリズムを例にとっても、構成するプリズムは一つなのか、複数あるのか、対象としなければならないパブリックは一つか、異なったプリズムを通した多様な存在なのか?新しいアフリカは、さまざまな角度から観察されるべきである。また、テロと一言に行っても、9・11のテロ攻撃とは違い、資源安全保障やサイバー安全保障、海洋安全保障など多岐にわたる。今日は幸い、これからの20年を担う若い学生さんたちが集っている。古い慣習やパラダイムにとらわれることなく、新鮮なアイディアを見出し、新しい相互関係を想像し、より良い世界に向かってリーダーシップを発揮してくださることを期待している。
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【TICADVサイドイベント】アフリカからの留学生との交流会は大盛況でした!
去る11月11日(日)、ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)では、来年6月に開催される第五回アフリカ会議(TICADV)のサイドイベントとして、アフリカ諸国からの留学生とMPJ・ユースの会とMPJ会員を中心とした第一回交流会を開催いたしました。生憎の大雨にもかかわらず、地方から駆けつけてくださった方を含め、会場である有楽町の日本外国特派員協会には約40名の方々が集まり、アフリカ諸国からの留学生や外交官の方々との交流を深めました。
冒頭にはMPJ会長の北岡伸一(国際大学学長、政策研究大学院大学教授、東大名誉教授)がMPJ設立に関する短いスピーチを行いました。2004年4月から約2年半の国連次席大使時代を通じて、国連の課題の約7割はアフリカ問題だったこと、アフリカと本人の直接の関わりは、2005年1月にジェフリー・サックス教授(コロンビア大学地球研究所長、国連事務総長特別顧問)のナイロビからの国際電話だったことなどを披露。MPJが主要な目的としている国連ミレニアム開発目標達成のためのモデル村(ミレニアム・ビレッジ)プロジェクトを支援するほか、相互理解のためには人材交流が重要であることなどを強調しました。MPJユースの会は、東京大学から3年連続で奨励金を得て、毎年サブサハラ以南のアフリカ諸国を訪問して学生会議を開催していることで、学生が非常に成長してきていることを指摘するほか、アフリカ諸国からの留学生に対しては「海外で勉強することほど重要なことはない」とこの好機を十分に活かしてほしい旨、主張しました。
MPJユースの代表、金子明は、MPJユースのこれまでの活動に関して簡単に説明しました。
最後に、駐日ルワンダ大使、シャルル・ムリガンデ 閣下 から、以下のようなお話をいただきました。
大使の役割の一つとして、日本企業にルワンダへの投資をお願いすることがある。しかし、残念ながら、大抵は「アフリカは遠い未知の場所であり、投資は難しい」という答えが返ってくる。日本の若い人たちがアフリカ諸国に関心を持ち、交流会に参加してくれることは嬉しいことであり、ぜひ皆さんが「アフリカへの扉」を開いてほしい。
この交流会はTICADVのサイドイベントの一つとして位置づけられているため、TICADの歴史とルワンダの歴史を振り返ってみる。TICADは冷戦後の1993年に発足した。アフリカへの伝統的な開発投資国の関心が旧東ヨーロッパ諸国へ移り、アフリカは事実上忘れられようとしていた。そこで、日本政府が世界各国のアフリカへの関心を戻すため、オーナーシップとパートナーシップを掲げて、ハイレベルの政策対話を行う定期会議を設けた。第五回を迎える2013年は、TICADの20周年でもあり、アフリカン・ユニティー(のちのAU)の50周年でもあるため、大変重要である。
一方、同時期のルワンダを振り返ると、1994年にツチ族に対する大虐殺が起こり、残念ながら、この20世紀最後の大虐殺という悲劇で世界の注目を浴びるようになった。2001年の9・11で約3,000人が亡くなったが、ルワンダでは一日1万人の虐殺が約100日続いたのである。10万人の孤児や、未亡人が残され、100万人が周辺諸国へ非難した。経済的にも大打撃を受け、病院は壊され学校も閉鎖された。国家として機能しなくなり、二つの国に分裂する案もあった。しかし、優れた政治的リーダーシップの下で、共通の目的を掲げて国の再建を果たし、今では「ルワンダの奇跡」として国連やアフリカ連合でも評判が高い。PKOにも人を派遣し(世界第6位)、2013年度からは国連の非常任理事国も務めることになっている。現在は、安全、平和で汚職のない国として有名となり、地方政府も有能である。国民全体も調和に努力して、共通の経済政策の下、成長率も約8%を達成している。一人あたりのDGPも短期で3倍となった。国連ミレニアム開発目標を達成可能な数少ない国の一つに数えられている。成長は一部の都市に住む市民だけではなく国全体で起こり、2006年からの5年間で100万人が貧困状態から抜け出した。2000年に制定した「ルワンダビジョン2020」の達成を目指して、さらなる努力を重ねているところである。TICADVがルワンダをはじめとするアフリカ諸国の成長に貢献してくださることを祈っている。
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スピーチの後は、アフリカからの留学生にジャンケンに挑戦していただき、勝った人がMPJからのプレゼントを受け取りました。初めての試みに留学生の皆さんは興奮気味で、大いに盛り上がりました。緊張もほぐれ、その後、軽食いただきながらそれぞれの会話が進みました。週末にもかかわらず、ご参加くださった在日ルワンダ大使ご夫妻、外交団の皆様にもお礼を申し上げます。
次回は2013年1月15日@東京大学本郷キャンパスを予定しています。