ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)

極度の貧困は根絶できるはずだ
私たちの孫の時代ではなく、
私たちの世代のうちに
極度の貧困は根絶できるはずだ  私たちの孫の時代ではなく、私たちの世代のうちに

タンザニア大使公邸での特別研究会報告

エリクンダ・ムタンゴ駐日タンザニア大使より、「タンザニアの現状と日本への期待」のテーマで美しい自然や多文化共生などタンザニアの魅力、成長の著しい経済と今後の課題、また日本との関係についてもお話をうかがいました。お話の後にご馳走になったタンザニア料理も素朴でおいしく、ムタンゴ大使のお人柄の伝わる出会いと学びの会となりました。
テーマ:「タンザニアの現状と日本への期待」
講師:エリクンダ・ムタンゴ駐日タンザニア大使

■国際平和と友情
タンザニアはアフリカ各国の植民地支配からの独立後、国内では内戦を経験せず、アフリカ大陸においてはコンゴ、ブルンディ、ルワンダ、モザンビークなどの隣国から百万人以上の難民を受け入れ、アフリカ各国の債務免除やより公正な経済のグローバル化ために発言し、冷戦体制下では中立を保つことによって国際平和と友情に貢献した。
■愛、希望、尊厳
タンザニアは「愛、希望、尊厳」を国是とし、独立への経緯も平和的なものだった。キリマンジャロの山頂にともされた火のイメージは、そのシンボル。
経済のグローバル化は公平なものではなく、負の側面もある。すもうで言えば、すべての階級の力士が大関や横綱と同じリングで戦わなければならないなら、勝負にはならない。経済的に豊かな日本には分からないかもしれないが、全ての国が市場で日本と戦えるのではない。
■地理
タンザニアは地理的に、海へのアクセスがあることはラッキーで、交易の中継国となれる。
■社会的・文化的調和
国内には126の部族とキリスト教、イスラム教、ヒンズー教など複数の宗教が共存し、社会的・文化的調和で知られ、1961年の独立以降、政治的には安定しており、紛争を経験していない。
言語は、人口のほぼ100%がスワヒリ語を話すが、これはアフリカでは珍しいこと。他の国では多数のアフリカの言語が話されているため、共通語は英語などになっている。
■タンザニアの魅力
ポルトガル・アラブ・イスラムの文化や建築などが混在する多文化共生、治安の良さ、フレンドリーな国民、セレンゲティ国立公園、ライオンとマサイが共生するユニークな
ンゴロンゴロ・センター、キリマンジャロ国立公園をはじめとする23の自然豊かな国立公園、アラブとポルトガルの戦争で破壊された遺跡キルワを含む6つの世界遺産などがタンザニアの魅力。
■経済
タンザニアの経済は過去5年間に平均7%成長している。外貨収入は、1998には農産物の輸出が3割を占めていたが、2007年には金やタンザナイトなどの鉱物、花などの輸出が増えている。様々な製品で外貨を得られるようにしてゆくことが課題。
インフレ率も、94年の34%から、今は一桁台に落ち着いている。外貨準備高も1995年から10倍に。このように、アフリカの国であっても日本製品の消費国となれる希望がある。
銀行の数も2行から34行へ、支店数も338へと増加し、GDPに占める民間セクターへの融資高も4.4%から13.9%へと増加した。
今後成長が見込める領域は、天然資源、中継貿易、コーヒー豆などの農産物の加工。タンザニアはコーヒー豆を栽培するが、加工はしていない。これを国内でやることにはチャンスがある。
一方で課題は経済成長に伴うインフレ、まだ高い金利、為替の安定、倒産等の無い銀行制度の安定稼動、海外からのODAに頼らない国内での資金調達力をつけること。現状では国債を発行することもできず、株式市場を世界に公開するにはリスクが大きい。
■日本との関係
日本は2007年に75億円のODAを行って教育、公衆衛生、農業、道路の建設などに貢献しており、タンザニアの人たちは日本のことが好き。タンザニアにはアフリカ最大のJICAのオフィスがあり、青年海外協力隊の日本からの参加者もタンザニアに多い。また日本からの旅行者は年間4千人ほど。
一方で日本からタンザニアへの輸出品は機械、エレクトロニクス、車など高額な製品が多いのに対して、タンザニアから日本への輸出品はコーヒー、植物性油の原料、魚の加工品など安価なものが多く、バランスが悪い。
■今後の課題
日本人には、もっとアフリカの国々について学んで欲しい。その知識に基づいた関係を構築してゆくことが大事。
他にはODAを国連の目標であるGDPの0.7%まで増やすこと、輸出入のバランスをとること、日本からタンザニアへの観光客を増やすこと、文化交流を増やすこと、日本からの投資を増やすことなど。

【文責 MPJ事務局】