カテゴリー:活動報告
第20回MPJ研究会のご報告 「Discovering Burkina Faso and its International Cooperation for Development」
去る9月5日、駐日ブルキナファソ大使フランソワ・ウビダ閣下ご夫妻をお招きしての第20回MPJ研究会を行いました。
今回はブルキナファソにご関心をお持ちの方々に多数お集まりいただき、和やかに会が始まりました。
まず始めに、ウビダ大使よりブルキナファソにおける開発の現状と課題についてお話しいただき、その後、MPJインターンのルミエール宗田芽理沙(当時)が、昨夏のブルキナファソにおける数学教師ボランティアの体験について話をいたしました。
ブルキナファソは、残念ながら日本ではまだあまり馴染みのない国ですが、昨今は、アフリカへの関心が少しずつ高まり、ブルキナファソで暮らす日本人がTV番組でも取り上げられるなど、認知度は上がりつつあるようです。終了後に頂いたアンケートからはブルキナファソへの理解が深まって良かった、ブルキナファソの日本と世界との関わりについて知れた、など高い評価をいただくことが出来ました。
例えば、台湾とアフリカ諸国とのパートナーシップについてに関しては、近年アフリカ諸国では中国との関係上台湾との国交を断つ国が多くあるなかで、ブルキナファソは国交を保ちながら、中国と台湾両国間の関係が向上するよう話し合いの場を設けようとしている点などに、感銘を受けました。
ご多忙のなか懇親会にもいらして下さった大使ご夫妻をはじめ、参加して頂いた皆様、大使館関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。
第20回MPJ研究会報告書(PDF)はこちらからご覧いただけます。第20回研究会報告書
「グローバル・フェスタ2013」に出展いたしました!
先にご案内しましたように、10月5日(土)と6日(日)の2日間にわたり、日比谷公園を会場に開催された「グローバル・フェスタ2013」に出展いたしました!
今年のテーマは、「見つけよう!世界とつながるあなたのトビラ」でした。
1日目は朝から霧雨が降り続けたあいにくの天気でしたが、日曜は天候に恵まれ、会場には二日間で約78,000人の方が足を運んでくださいました(「グローバル・フェスタ2013」公式HPより)。
MPJのブースでは、MPJユースの会の学生たちにも手伝っていただき、訪れてくださった皆さまにMPJの活動をご紹介したほか、活動写真の展示、またウガンダのミレニアム・ビレッジで制作されたアクセサリー等の販売を行いました。アクセサリーは、「昨年もブースで見て気に入ったので」と立ち寄ってくださる方もいらっしゃってとても好評でした。
また、ユースの会の学生はワークショップにて「今春のタンザニア視察」を報告し、こちらも好評でした。
さらに、会場内で行われた写真展「世界で輝く日本人」には、①8月に理事長が訪れたウガンダの首都カンパラ近郊にて、JICAシニアボランティア河村正人さんと青年海外協力隊の寺田のどかさんが活躍する姿を収めた写真と、②MPJユースの会の現副代表の徳永詩織さん(ミス東大グランプリ2012)が、ガーナのJICA青年海外協力隊員が活動する学校にて女児と楽しそうに交流する姿を収めた写真2点が展示されました。
今年も多くの方にご来場頂き、誠にありがとうございました。
第19回MPJ研究会のご報告 「アフリカ開発の現状と展望」(ジェトロ・アジア経済研究所共催)
8月30日、ジェトロ・アジア経済研究所とMPJとの共催で特別講演会を開催しました。アフリカに関して博識な平野克己先生の話を聞こうと、平日夕方の開催にもかかわらず、学生、社会人合わせて21名の方が千葉のアジア経済研究所まで足を運んでくださいました。
今回は、平野先生のご著書「経済大陸アフリカ」を出席者の方にあらかじめ読んできていただいたので、ご著書の内容のポイントの概説に加え、ご本を書かれた後(13年1月刊行)先生が考えていらっしゃること、私たちが何を考えなければいけないかを中心にご講演いただき、その後、質疑応答の時間に移りました。
質問は、学生からの学問に関するものや企業で働く方のビジネスに関するものまで様々でした。例えば、アフリカの人々は日本に援助を求めているのかという往々にして問われる質問に対し、援助ではなく投資が必要とされており、中でも農業分野の開発が急がれていて世界全体の食糧生産の減少傾向から考えても安全保障上重要であると述べられていました。他にも、中国が行うアフリカ開発の評価と日本に対する評価との比較や、拠出額が減少している日本のODAでは今後どのような支援を行うべきかといった質問や、農業や医療、地域経済統合、アフリカメディアの現状などなど分野を問わず飛び交う質問に、先生は的確にわかりやすくご回答され、さらには参考文献の紹介やビジネスへのアドバイスなどフォローアップもされていました。終了時間を大幅に過ぎるほど白熱した議論が繰り広げられ、大変勉強になりました。
第19回MPJ研究会報告書(PDF)はこちらからご覧いただけます。
第19回MPJ研究会報告書
なお、ジェトロ・アジア経済研究所のホームページでは、講演部分の映像が公開されています。平野先生の熱のこもったご講演を是非ご覧ください。http://www.ide.go.jp/Japanese/Dogachannel/201308_hirano.html
ウガンダ・ルヒーラ村を視察しました!
8月下旬から9月初旬にかけて、ミレニアム・プロミス・ジャパンでは、ウガンダのミレニアム・ビレッジ、ルヒーラ村を視察してまいりました。昨年の夏以来、一年ぶりの訪問となりましたが、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト第一期の過去5年間と比較してみて、この一年間で目を見張るような進歩がみられ、関係者一同、非常に驚くとともにうれしく思っております。
たとえば、モデル農家のMugisha Paulさんのお宅では、エンタープライズのために寄贈された山羊を育て、市場で売っています。また寄贈された牛の糞を利用したバイオマス燃料により、家の中にガスと電気が通っていました。お金を貯めて建てた家の居間の中には裸電球があるだけですが、これで「夜でも本が読める」と喜んでいました。農業組合が相談して決定した農家に対して、順番にプロジェクトから牛が寄贈され、そこで生まれた最初の乳牛は次の農家へと譲られていきます。Paulさんの乳牛は良く育ち、一日20リットルのミルクがとれるとお聞きして、感心しました。Paulさんはガスで料理も作っていました。「料理が簡単になったから自分たちでも夕食がつくれるようになった」ということです。少し前までは家事は女性の仕事だったので、男性の精神面でも変化が顕著でした。
ラジオ局もできて村の若者2名がDJになって、流行の音楽を流していました。エンターティンメントのみならず、緊急時やエイズ予防などの保健衛生の向上にも役立っています。
さらに巨大な水道タンクが村の中心に出来上がり、3方向に水道管が敷かれていました。お金を出せば各家にも水道水を引き込むことができます。公共の水道場では管理人がいて、水を売っています。とはいえ、水源はずいぶん遠い谷間の湧水で、まだまだ水の値段は高価です。
また、水道タンクの隣には、太陽光発電のステーションも出来上がり、地域内の各家に電気を送ることも可能となりました。コロンビア大学の学生さんが一年ほど滞在して、このシステムを管理しています。
数年前に細々と始まった村のマイクロクレジット用のバンクは、事業から得た利益により近くに立派な銀行を建てていました。村のコミュニティ・リーダーたちとの集まりを傍聴したところ、「Work Hard, Save and Invest for the Future」という文章が、ユニフォームの後ろに書かれていたので、思わず微笑んでしまいました(写真:冒頭)。
ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの特徴の一つであるコミュニティ・ヘルスワーカーは、スマートフォンを使ったGPS機能により、担当する各家の患者のデータを村の担当者(アメリカのNGOから派遣された青年)へ送ります。さらに各国のミレニアム・ビレッジのデータは、アフリカのミレニアム・ビレッジを統括する東西のMDGセンターへ送信され、アメリカで集められて統計が出されます。
コミュニティ・ヘルス・ワーカーのスマートフォンでは、下痢の有無、他の家族の状況なども次々と質問が示され、患者の症状にそって処方を行います。私たちが訪れた家では赤ちゃんが熱を出していました。簡単な調査の結果マラリアではなかったので、肺炎が疑われ、近くのクリニックで診察を受けることになりました。コミュニティ・ヘルスワーカーは、赤ちゃんの母親に栄養についての指導を行うことを忘れていませんでした。字が読めない母親たちのためにはイラストを描いた紙を用いて、必要な栄養素について説明をします。
JICA青年海外協力隊員の方々にもご協力いただいたビーズアクセサリー作りも拡大して、首都カンパラのお土産店でも売られるようになっています。カンパラのホテルで朝食をとっていたら、地元のウェイトレスが寄ってきて「素敵なブレスレットですね。どこで買ったのですか?」と尋ねられました。ちなみにこれらのアクセサリーはグローバル・フェスタ(10月5日~6日@日比谷公園)のMPJブースでも販売されます。
ところで、MPJがYAMAHA発動機からご寄附いただいたポンプと点滴灌漑セットを利用して、昨年夏に始めた点滴灌漑農業のパイロットプロジェクトでは、トマトとキャベツが見事に育っていました!開始後、害虫や大雨で被害を受けていましたが、農家の皆さんがあきらめずに3回目でトマトを実らせ、キャベツの栽培も行っていました。やっと利益が出るようになってきたそうです。
また、今回はアミティエ・スポーツクラブからのご寄贈いただいたサッカーのユニフォームをRyamiyonga Primary Schoolへ届け、信越化学からご寄贈いただいた塩化ビニールのトートバックをMPJの奨学金でセカンダリースクールへ通っている女の子たちへ贈り、非常に喜ばれました。ありがとうございました!
ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトも第二期に入り、これまでの成果が一気に現れているのでしょうか。最初の第一歩から見守っていた私たちにとっては、感動的な成長ぶりでした。
- 2013年09月22日
- スタッフ現地レポート, 活動報告
日本経済研究センター設立50周年記念国際セミナーのご報告
去る6月4日14時~16時、日経ホールにて日本経済研究センター設立50周年記念国際セミナー(日本経済新聞社、認定NPO法人ミレニアム・プロミス・ジャパン後援)が行われました。
「持続可能な開発と企業の役割」と題したこのセミナーは、ジェフリー・サックス教授をはじめ木下雅之氏(三井物産代表取締役専務執行役員)、澤田康幸氏(東京大学大学院経済学研究科教授)、モデレーターに岩田一政氏(日本経済研究センター理事長)にご登壇いただき、企業と各国政府や国際機関、NPOとの連携の在り方や重要性について白熱した議論が行われました。会場はほぼ満席でみなさん真剣に話を聞き入っていました
日本経済研究センター設立50周年記念セミナーという記念行事に連携させていただき、光栄に存じます。
以下シンポジウムの詳細ページになります。当日の映像も配信されていますので興味がございましたら是非ご覧ください。
http://channel.nikkei.co.jp/business/jizoku1364/4299/