ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)

極度の貧困は根絶できるはずだ
私たちの孫の時代ではなく、
私たちの世代のうちに
極度の貧困は根絶できるはずだ  私たちの孫の時代ではなく、私たちの世代のうちに

日本女子大で講演しました

DSC04131.JPGDSC04128.JPG11月13日、日本女子大学・人間社会学部の国際活動講座にて、理事長・鈴木りえこがミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)の活動について、女子大生の皆さんに講演しました。
国際活動に関心を持つ学生さんたちが100名以上集まり、熱心に話を聞いて下さいました。聴講生の中からMPJユースの会に関心を持ち、会合に参加して下さる方も出てきました。日本女子大は女子大の中でも活発な女子学生が多いと聞いていますので、今後アフリカ支援にも積極的に協力してくださる方が現れることを期待しています。

第二回ミレニアム・プロミス・パートナー大会のご報告

去る9月、国連総会が始まる直前のニューヨークにおいて、ミレニアム・プロミスの第二回パートナー会議が開催されました。11月9日付けにも報告したように、ミレニアム・プロミス共同設立者ジェフリー・サックス教授とレイモンド・シェンバー氏(現・国連事務総長マラリア特使)、ミレニアム・プロミスCEOジョン・マッカーサー氏のほか、韓国の外務大臣、ウガンダ。マラウィの大統領がスピーチを行ったほか、ユニセフのベラミ―事務局長、クィンシー・ジョーンズ氏、トミー・フィルフィガー氏など各界から著名な方が参加し、それぞれミレニアム・ビレッジ・プロジェクトへの支援を表明しました。
 
会議のサマリーを「続き」に掲載します。

第二回ミレニアム・プロミス・パートナー会議 議事要旨(サマリー)

概要
2009年9月21日、ニューヨークのWホテルで第二回ミレニアム・プロミス・パートナー会議が開かれました。革新的・創造的なアイデアのほか、特に、活動状況について話し合うために、パートナーをはじめ、政府、一般企業、科学、慈善団体、非政府組織、学会、信仰団体や国連などから250名を超える方々が集まり、サクセスストーリーの報告や新たなパートナーシップの発足が宣言されました。最後に、今後の優先活動事項が示された後、会議は以下の主要なメッセージで締めくくられました。
1.ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)は、開始してからの3年半の間にめざましい成果をあげてきた。
2. 様々な形のパートナーシップによるグローバルなネットワークの成長がミレニアム・プロミスの成功につながった。
3. 新しい戦略は、迅速、革新的かつ創造的に開発されなくてはならない。
4. 現場において、現実的で適切かつ拡張性のある手法を適用する戦略が機能している。
5. 極度の貧困を減少させ、ミレニアム開発目標が達成可能なものであることは、ミレニアム・プロミスとグローバル・パートナーの活動によって明らかになってきている。
ミレニアム・プロミスの大きな勢いとパートナーや支持者の強い責任感が議論を白熱させ、会議は丸一日かかってしまいました。会議のハイライトとして、3人のアフリカ首脳の方からのプレゼンテーションや現地からの活動進捗報告、そして国連エイズ合同計画(UNAIDS)・国連世界食糧計画(WFP)の2つの団体との画期的なパートナーシップ開始の発表がありました。ミレニアム・プロミス・パートナー会議は大盛況のうちに終わり、夜にはトミー・フィルヒガー財団とのパートナーシップの開始を祝うレセプションが五番街の新旗艦店で行われました。晩餐会でもパートナー会議の熱気は冷めませんでした。
歓迎の挨拶と実行への呼びかけ
CEOによる開会の挨拶
ミレニアム・プロミスはグローバルな協調体制
ミレニアム・プロミスのジョン・マッカーサー最高責任者は開会にあたって、15カ国を超える国々から集まった一般企業・政府・市民社会・信仰団体・学会など様々な分野のパートナーやゲストの方々を歓迎しました。ミレニアム・プロミスの「協調」という側面に触れ、「今日のこの会議は、一組織のためのものではないのです。まさに、この会場にいる全ての方が連携したパートナーシップのためのものなのです」と語りました。
そして、パートナーの豊かな創造力を褒めたたえ、「非常に単純で、非常に実務的で、そして、非常に効果的な」支援が具体的な成果となって、ミレニアム・ビレッジの隅々まで顕著に現れてきていると述べました。
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第二回ミレニアム・プロミス・パートナー会議に参加したパートナーやゲストの方々を歓迎するマッカーサー氏。「今日のこの会議は、一組織のためのものではないのです。まさに、この会場にいる全ての方が連携したパートナーシップのためのものなのです。」
マッカーサー氏は、ミレニアム開発目標(MDGs)の期限の2015年まであと6年となっており、現在の経済危機を踏まえると、私達が「目標達成に向けどう結集していくかを、グローバルに議論し、グローバルに考え、希望あふれるグローバルな協調体制を築く上で重大な局面にいる」ということを力強く伝えました。開会の挨拶の後はミレニアム・ビレッジの成功例、マラウイ共和国のムワンダマ地域を描いた短編映画が流れました。ムワンダマでは作物収穫量が2倍に高まったことで、食糧安全保障事情が改善しただけでなく、学校給食プログラムによって生徒の出席率が高まり、また、経済改革を促しました。
ミレニアム・プロミス議長からのメッセージ
優先課題をクリアし、グローバル・パートナーシップを通じてMDG8を達成しよう
ミレニアム・プロミスのジェフリー・ウォーカー議長はミレニアム・プロミスの次の4つの優先課題を重視しました。
1. 持続可能な社会を実現するため、農業・教育・医療・インフラ・起業推進など複数のセクターに同時に働きかけて発展を促す全体的アプローチを継続すること。
2. アイデアを試して、調べて、実現するという「革新を生み出すエンジン」を加速させること。
3. 成功したプログラムや支援を村レベルから地域や国レベルへ拡大すること。
4. 社会の底辺にいる十億人もの人々を極度の貧困から救うため、周囲の多くの人にミレニアム・プロミスの活動を認知してもらい、更なる変化を起こすべく行動すること。
ウォーカー氏は、MDG8(開発のためのグローバル・パートナーシップの推進)を訴え、話を締めくくりました。そして、ミレニアム・プロミスのネットワークを可能な限り効率的にするために、お互いが協調して取り組む余地が無いかどうか議論してもらいたい、と参加者に呼びかけました。
実行への呼びかけ
大胆な指導者になろう、そして現実的で迅速に行動しよう
続いて、ミレニアム・プロミスの共同設立者、並びに、コロンビア大学地球研究所長であり、MDGsに関する国連事務総長特別顧問でもあるジェフリー・サックス教授が、行動の実施を呼びかけました。「これは、やり方の問題です。賢く、そして迅速に行動しなくてはなりません。」とその日の主要テーマを語りました。その会議をブレインストーミングのための日で、生産的であり、また、アイデアを共有できる日である、と述べました。また、現在の経済的・政治的な環境が発展の妨げとなってはいるのは事実ではあるが、目標を達成するためにはそのような環境が変化するのをじっと待っている必要はない、と話しました。新たなパートナーシップを構築する点では、人々の生活を向上させるために現実的な対策を見極める必要があり、努力と指導力がもたらされれば非常に早いポジティブな変化が起きることを力説しました。
サックス教授によれば、農業・教育・医療・インフラ・小規模金融・農業協同組合のような各分野の中核となるステップに働きかければ、人々の生活は何ヶ月も何年にもわたって変化していくことをミレニアム・ビレッジは証明しています。そして教授は「私達は、いまここで、低コストで現実的に出来ることを話しているのです。この会場は、それらができる指導力と組織力で満ち溢れているのです。」と話しました。
最後に、サックス教授はミレニアム・プロミスの要となる信条を力強く語りました。「たった一カ国では世界に決定的な指導力を発揮することは出来ないし、たった一人では我々のような活動を始めることもやめることもできないのです。一つの議決権だけあっても、一つの救済プログラムだけあっても何も出来ないのです。一人でできるという考え方はもう過去のものなのです。」続けて、「私達は、一人一人が世界的に結びついたグローバル世界に住んでいます。このような世界では、世界中の誰とでもパートナーとなることができますし、人々の生活を変え、全ての人々に安全な世界をつくる手段をもたらす機会があるのです。そのような世界を私たちで実現しようではありませんか。」再び、「どうか、迅速に行動しましょう。(私たちに必要なのは)パートナーシップとスピードなのです。」
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ジェフリー・サックス教授による行動への呼びかけ。
「これは、やり方の問題です。賢く、そして迅速に行動しなくてはなりません。」
各国政府高官およびその他の主なパートナーによるスピーチ
韓国
人々に力を与え、社会変革を実現する
韓国のユ・ミュンファン外務大臣兼通商大臣は、国際社会は2000年以降ミレニアム開発目標達成に対して精力的に取り組んできたと述べましたが、一方、目標達成までのプロセスの中間地点を過ぎた今、計画に遅れの出ている国があることが懸念事項であることを示しました。特に、このような世界的な景気後退と気候変動の時代には、人口の大部分が貧困に苦しんでいるサハラ以南のアフリカのような発展途上地域に注力すべきで、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)はとりわけ人々の関心の的となるべきです。そのため、韓国はマダガスカル、タンザニア、ウガンダにおいて今後5年間協力することをMVPに約束したのです。大臣は、韓国が経験した発展とその発展要因のひとつであった「セマウル運動」についても語りました。国民は社会が変化するのを目のあたりにして、より努力するようになり、次第に敗北主義から脱して、力を得たと感じることができるようになったとのことです。「国の発展のためには、力をつけた国民が最も重要な要因である」と大臣は言いました。ミレニアム・プロミスのパートナーとなるにあたり、「韓国は自国の発展から得られた教訓が、アフリカでのミレニアム開発目標の達成に貢献することを望んでいる」と締めくくられました。
オープン・ソサエティ・インスティテュート
恒久的な社会変革を可能にする開発モデルへの支援について
オープン・ソサエティ・インスティテュート(OSI)の副理事長およびソロス経済開発ファンドの代表を務めるスチュワート・ペパリン氏は、OSIがミレニアム・プロミスおよびミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)の「初期からの熱心なパートナー」であると説明した。ペパリン氏によれば、OSIは「MVPの活動が現実に基づいてなされており、測定可能であることを評価している。加えて重要なことは、MVPが一時のプロジェクトに終わることなく、恒久的な社会変革を可能にすることである。私たちが、成功したプロジェクトと呼ぶのは、援助が終わると同時に効果も消えてしまうような援助プロジェクトではない。」OSIは、MVPの成果を村レベルから国全体レベルに広げるにはどうすればよいか、あるいは、プログラムを発展させて社会変革を恒久的にするにはどのように6年目から10年目の活動に取り組むべきかを模索しています。「OSIはこのような挑戦に喜んで関わっていくし、そのことを誇りに思っている。」
ビル&メリンダ・ゲイツ財団
ミレニアム開発目標の達成のために「迅速に行動する楽観主義」を持つこと
まず初めに、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、グローバル開発プログラムの政策・提言担当責任者であるマーク・シュズマン氏が、サックス教授が世界に行動を呼びかけていることに言及しました。「迅速に行動を起こそうというサックス教授の力強い呼びかけに応え、ゲイツ夫妻は自分たちを『迅速に行動する楽観主義者』と考えている」。シュズマン氏のメッセージは、この日最大のテーマであった、「成功は実現可能であり、持続可能なのだから、ミレニアム開発目標は依然として達成可能なものだ」という考え方に反映されています。
ナイジェリア連邦共和国
ナイジェリアにおけるMVPの成果の野心的な拡大
ナイジェリア連邦共和国のミレニアム開発目標(MDGs)に関する大統領特別上級補佐官であるアミナ・アザベール氏は、ナイジェリアがいかにMDGsの達成に向けた支援をしてきたか、そして、いかにMVPモデルを国内の36州と首都圏に広めるべく野心的に取り組んできたかを語り、聴衆を引き付けました。MDGsによってアフリカへの開発努力に多くの目が向けられ、そして、ナイジェリアの多くの政治的指導者がこれらの努力を支持してきたことを説明しました。地域レベルで解決策を発見することの価値と有効性に触れ、「これこそが正しいやり方であり、実際に試行された方法です。アフリカの人々は、地域レベルの解決策を見つける能力がある。なぜなら、それを実行する力があるからです。 そしてその取り組みをより広めていかなければいけません。アフリカの国々は極めて野心的です。私たちは急いでいるからといって失敗するわけではないのです」と述べた。
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「アフリカの国々は極めて野心的です。私たちは急いでいるからといって失敗するわけではないのです」アミナ・アザベール大統領特別上級補佐官
マリ共和国
大統領、マリの166の地域共同体への拡大的アプローチを求める
マリ共和国におけるニジェール地域総合開発を担当するアブー・ソウ大臣は、MVPが2006年以降、マリにもたらした大きな影響を次のように語りました。学校の進学率は1年以内で30%から70%に上昇し、米の生産量は1シーズンで2倍になりました。ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトが国際色豊かで多くのパートナーに恵まれていることは、プロジェクトが成功するために最も重要です。また、政府が、教師や医療従事者などに対し報酬を支払うといった形で強く関わっていくことも大事なことです。ミレニアム・ビレッジの外に住む多くの国民が、ミレニアム・ビレッジのモデルを自分たちのコミュニティーで再現したがっています。マリ大統領はこの要求に応じ、166の地域共同体を対象にMVPモデルを拡大適用することとし、特に大きな開発課題を抱えたトンブクトゥ周辺地域に注力したいと考えています。
P1000193.JPG基調講演
世界にとって貴重なマラウイの事例
マラウイ共和国のビング・ワ・ムタリカ大統領(写真左)が基調講演を行いました。「何よりもまず、われわれは迅速に行動しなければならない、私の閣僚には迅速(Impatience)という言葉をミドルネームにつけた者がいるぐらいだ」といいます。大統領の主要なメッセージの一つは、国際開発の分野では国際的結束が、特に富める国と貧しい国の間での結束が、一層求められるということです。
加えて、地方の人々が繁栄を求めて都市圏に移住するのを促すのではなく、MVPが取り組んでいるように、地方の人々に発展と繁栄をもたらすことが重要だと述べ、次のように続けました。地方電化、給水、公衆衛生、道路、銀行、情報伝達技術などの公共設備を整備することで、農産物加工等の産業にビジネスチャンスをもたらすことができるかもしれません。地方の共同体は、比較優位のある商品に特化して地域の中で競争力をつければ、その後はより広い国内・海外の市場でやっていくことができるでしょう。このような成果を地方にもたらすため、大統領およびマリ政府は、「MVPはすべての国で開発課題に組み込まれるべきである」と感じています。
マラウイ政府が肥料や種に助成金を出すことの有効性を疑う人々はいるものの、実際にはマラウイは食糧不足から食糧余剰が出る国になりました。ちなみに、マラウイの昨年の成長率は9.7%でした。大統領は助成制度を疑う人々に対し、女性農業従事者を道端で見かけた時の話を持ち出します。彼女は空腹のまま、幼い子を背にし、鍬を手にしていました。アメリカの農業従事者が助成を必要としているときに、なぜこの女性が助成を必要としないといえるのか、と彼らに反論しています。
大統領は、マラウイで現在行われている活動に触れ、雨を必要とする農業への依存を下げる取り組みであるグリーンベルト運動について述べました。その運動によって、米や平豆等の作物を、湖や川のそばで栽培し、地域の消費のみならず国際市場に向けて出荷しています。最後に大統領は次のように語りました。ミレニアム・プロミスの共同事業は、世界の金融危機、食糧不足、貧困と開発遅延という難問に対して取り組むための国際的協調を実現する基盤となり得ます。われわれは、世界は一つであり、協調して取り組めば難問は軽くなるとの信念を持つべきなのです。
世界食料計画(WFP)のビジョン
子供が飢えることのない世界を実現する
WFPのジョゼット・シーラン事務局長が、マラウイのムタリカ大統領の語った成功談に続いて話をした。昨年、WFPが大規模な世界的食料危機への支援を呼びかけた時、マラウイは支援要請に応えただけでなく、食糧の寄付まで申し出ました。未だに、世界には食糧安全保障のない10億人の人々がおり、非常に不安定な状況である。国連事務総長が指摘するように、われわれは貨幣経済(Wall Street)や実体経済(Main Street)だけでなく道路のない世界(no streets)にも注意を払わなければならないのです。
シーラン氏は、「現在の飢餓と、過去の飢餓の経験と、その克服のための大規模な取組みは、すべての人々を結束させる」と語り、「三つのF-食糧危機(food)、燃料危機(fuel)、金融危機(financial)-が世界にどのように破壊的な影響を与えたか」を示しました。そして、食料を手に入れられない人々は、移住するか、暴動を起こすか、さもなければ死ぬかという厳しい選択を迫られていると述べました。「そのような危機に対して行動を起こすことは、私たちの利益にもなる。」昨年、ハイチ政府が倒れたように、「飢餓の世界は危険な世界なのです。」
難題をチャンスと考えれば、「食糧安全保障は完全に達成可能で、飢餓もまた撲滅可能ですが、気候変動はおそらく前例のない難題を世界につきつけています。だから、今こそが行動するチャンスなのです。」シーラン氏はいくつもの成功例を引き合いに出し、アフリカが今後、飢餓を克服するだけでなく、世界の食糧生産を倍増させる目標達成に貢献することを示しました。実際、WFPは必要な食糧の80%をその地域の農家から調達しているし、セネガルから塩を買っています。シーラン氏は、少女の赤いカップの話をしました-「子供のカップが現地の農産物で満たされたとき、WFPは目的を達成したといえるでしょう。学校給食プログラムは連鎖式に様々な成果をもたらします-学校での学習効果を上げ、地域農業の成長を促進し、少女たちの権利を拡大します。-これは私が見た中で、最も力強い人権プログラムといえるでしょう。」
シーラン氏は、食糧安全保障問題に対して世界がもっと関心を示すように求め、また、WFPがMVPを支援することを約束しました。この非公式な声明が発表されたパートナー会議の一週間後、WFPとMVPは正式なパートナーシップに署名しました。この目標は、ミレニアム・ビレッジに栄養不良のない地域を作り、最も貧しい人々にも十分な、栄養価のある食糧を保障することです。
企業と人々のパートナーシップ 概要
米アパックス・パートナーズ社のCEOで、ミレニアム・プロミスの開発委員でもあるジョン・メグルー・ジュニア氏が次の議題の司会をつとめました。同氏はまず、コフィ・アナン氏の提言する持続可能な開発を支援する3本柱、1)政府支援、2)資金調達、3)パートナーシップについて説明しました。
短いビデオの上映(その中には、GOODが製作したものもありました)に続いて、各グループから、ミレニアム・ビレッジの各セクターにおける課題の重要性が紹介されました。まず、パートナーであるJMイーグル社がセネガルで取り組んでいる108キロメートルの水道管施工事業について説明がありました。
インフラ
生活の転換
コロンビア大学の機械工学部教授ヴィジャイ・モディ博士が、インフラについて発表する2名、エリクソン社とザイン社両CEOを紹介しました。両社は共に、ミレニアム・ビレッジを越えた地域でも携帯電話とインターネットが使えるように活動してきた会社です。モディ博士は、シャクリー氏からの支援によってマラウイのミレニアム・ビレッジという僻地で太陽光発電事業を開始できるようになり、また、これが事業開発構想の早期成功例であるということにも言及しました。
エリクソン社のカールヘンリク・スバンバーグCEO(2010年1月1日付けでブリティッシュ・ペトロリアム社の会長にも就任)によると、エリクソン社がアフリカに来て100年以上が経ったといいます。同氏は、約40億人以上が携帯電話を使用する世の中では、携帯電話が担ってきた役割は非常に大きいことを示し、携帯電話が医療従事者と救急医療や、農家と市場をつなぐ手段としていかに役立っているかを述べました。また、エリクソン社がザイン社と連携してケニアのデルトゥというミレニアム・ビレッジで事業を行ったとき、「村の老人達が、その日を村が生まれ変わった日と呼んだ」というエピソードを紹介しました。同氏は、私企業と人々とのパートナーシップの大切さを提唱しつつ、携帯電話が使えるおかげで、現在ではデルトゥが商業地区となりつつあること、そして、人々が1日1ドル以下で生活をする地域でありながら、収入の4分の1を費やすほど、電話は生活に欠かせないものとなっていることを説明しました。また、エリクソンとザインの両社が、デルトゥで発生している大規模な干ばつがもたらした問題についても支援しているとも述べました。
続いて、ザイン社のサド・アルバラックCEOは、ザイングループがアフリカ史上唯一にして最大の投資家であることをあげました。それはどの政府や企業をも上回り、その投資額はここ40年間で100億ドルにもなるといいます。博士は、アフリカにおけるザイン社の熱心な取り組みが同グループの事業の核であり、この取り組みによってキンシャサの市場から800kmも離れたところに住むコンゴのある農家とその売主は、携帯電話のおかげで作物の売値を知ることができるだけでなく、その値段を5倍にもすることができると述べました。さらに、緊急出産の時でも、援助要請の電話一本で母子両方の命を救う事ができ、「我々にとっての豊かさとは、どれだけ儲けたかではなく、何人の人を幸せにしたかということなのです」と話しました。
その後、サックス教授が、エリクソン社とザイン社がデルトゥの干ばつ対策に寄付を行ったことで、ソマリアからケニアに難民が避難している不安定な状況の中で、平和維持という付加価値をも、もたらしたことを加えました。生きるすべがあり、子供に教育をほどこす事ができ、また医療サービスを受ける手段があれば、人々が戦争に参加することはまずあり得ない、とサックス教授は話します。そして「我々が(ケニアの干ばつ地域で)目にする暴力は、絶望から生まれる暴力であって、イデオロギーや過激主義などから生まれるものではない。したがって(エリクソン社とザイン社とのパートナーシップは、)同地域に平和をもたらしてもいる」と語りました。
医療・保健
命を救う
次に、メグルー氏は、ジョアンナ・ルビンスタイン博士を紹介しました。博士は、サックス教授の首席補佐官で、コロンビア大学世界保健経済開発センター長および地球研究所特別イニシアチブ理事長を務めています。さらにルビンスタイン博士から、医療・保健分野の二大パートナー、ゼネラル・エレクトリック(GE)社およびノバルティス社の両企業財団の理事長紹介がありました。
GE財団のロバート・コーコラン理事長は、ミレニアム・ビレッジを担当する診療所や病院の改善を目的としてGE社が行っている主な取り組みについて説明しました。2004年にGE社は、アフリカの病院および診療所の改善に2千万ドルの設備投資を行うことを同社従業員およびミレニアム・プロミスに約束し、GEは今日までにその約束を上回る額を投資してきました。投資合計額は3千万ドルに及びます。さらに、来年は1千万ドルの上乗せをすると約束しました。これらの投資によってミレニアム・ビレッジにおける医者の人数、および、超音波機器、レントゲン機器、保育器、検査機器などの数が飛躍的に増え、何十もの病院で状況が改善されました。コーコラン氏は「我々はミレニアム・プロミスとミレニアム・ビレッジのパートナーであることを誇りに思っている。この経験は我々が会社として行った事業の中で最もやりがいのあるものの一つであり、我々が商品を開発し、世界に貢献することでさらに向上するにはどうしたらよいかを考えるときに、本当に素晴らしい視点を与えてくれる」と話しました。
ノバルティス持続可能な開発財団のクラウス・レイシンガー会長兼CEOは、同財団がミレニアム・ビレッジの診療所で不足している抗マラリア薬を供給支援する取り組みについて話しました。殺虫効果のある蚊帳と薬剤を組み合わせることでマラリアによる子供の死亡も減りました。しかし、今後さらに成功するためには、しっかりとした解決策と、そして、誤った思想にエネルギーを費やすことのない人々とのパートナーシップが必要だということを、同氏は主張しました。また、ミレニアム・プロミスは、プロ意識、活力的な原動力、スタミナ、そしてノバルティス社と良いパートナーとなる相性を備えているとも語りました。そして、「ミレニアム・プロミスとの連携は、仕事上のつながり以上のものを我々にもたらしてくれる。そのおかげで我々は人々を支援する事ができ、また、世界の貧困に違いをもたらす素晴らしい人々とつながっていることができるという特権にも恵まれる」 とも述べました。
サックス教授は、マラリアとの闘いでノバルティス社が同社の治療薬コアルテムを推進したことを高く評価しました。またGE社が、僻地の診療所に分娩施設を供給することによって、安全な出産を可能にし、子供の死亡率を大幅に下げ、また、それによって女性の命を救う方法を示していることも高く評価しました。これらのパートナーシップは、成功モデルのよい例となっています。それは、「正しい科学を知り、技術を学び、実行可能であることを証明し、手本を示し、伝え、きちんと実行するということだ」と教授は述べました。
農業
アフリカが必要とする食料を育てる
次に、メグルー氏は、前エチオピア農業大臣のビレイ・ベガシャウMDG東南アフリカセンター長を紹介しました。博士は、アフリカで何十億という人が生計を立てている農業が、構造的な問題と乾燥地帯の拡大によって、容易な仕事ではなくなっていると話しました。しかし、近年のモザイク社の活動は、ミレニアム・ビレッジにおいてこの問題と戦う上で、大きなプラスの影響を与え始めています。
モザイクカンパニー社のディーン・フェアチャイルド農学部門長は、世界40カ国以上もの顧客に2千万トン肥料の販売をするだけでなく、「世界が必要としている作物を育てる手助けをする」ことが会社の使命だと述べました。また、肥料には作物の生産高を上げるだけでなく、より栄養価の高い食物を生産するという効果があり、また、地域の需要を満たしながら余剰分を売ることができるよう3倍から6倍の収量増を目指していると話しました。同社は、7カ国8都市のミレニアム・ビレッジに肥料を供給しており、今後3年間にわたり同地域の人々を支援していく事を決めています。最後にフェアチャイルド氏は、「我が社の技術と資源をパートナーの皆さんのものと連携させれば、我々は皆すばらしい技術、人的資源、物的資源、科学技術、そして目標を持つことができ、その結果、必ずや成功を収めるでしょう。」と語りました。
奉仕活動および支援活動
世界中の認識を高める
昼食会の場で、ミレニアム・プロミスの奉仕活動政策や構想を支えているパートナーによって、短いプレゼンテーションが行われました。
クリッカブル社の共同創設者兼CEOで、グッドアズの創設者でもあるデイビッド・キッダー氏は、両社が影響力の大きいオンライン広告を使ってミレニアム・プロミスを世間に広め、消費者の認識と参画の輪を広げていることを伝えました。同氏は、世界に貢献したいと考えている企業にとって、ミレニアム・プロミスが価値ある選択肢であると提言し、「マッキンゼー社はこの組織とその使命を顧客に伝えるべきだ」と話しました。
クイズノス社の会長兼CEOで、コンシューマー・キャピタル・パートナーズ社の創設者であり会長、そしてシャーデン・ファミリー財団の役員を努めるリチャード・シャーデン氏は、自身の所有する会社を売却した後、「自分は世の中に助けられてきたが、そのお返しに何かしただろうか」と気付いたことがミレニアム・プロミスに関わるようになったいきさつだと述べました。同氏はサックス教授に出会い、世界をよくするために得意なことを行うよう勧められました。それが、マス・マーケットをつくり収入の連鎖を生み出すことでした。同氏の組織は、ミレニアム・プロミスのマーケティング戦略を支援しています。
TMCフィナンシャル・サービスのアムレ・ヨネスCEOは、タンザニアのある村への支援協力について話しました。同氏によると、同社が22,000人の従業員のうち15,000人をサハラ以南に抱えていることから、彼らの勤務地で、従業員やその家族、地域ひいては国を助けるために取り組んでいるといいます。
続いて、トミー・ヒルフィガー財団のガイ・ヴィッカーズ常務取締役が壇上に上がり、心踊る新たなパートナーシップを発表しました。ヴィッカー氏によれば、同財団は一緒に世界的な取り組みを行うパートナー探しを6ヶ月以上続けていたといいます。そのなかでミレニアム・プロミスが、「何度も最有力候補として上がりました。」同氏は、新たなパートナーシップの第一段階として、ウガンダのルヒイラ村に今後5年間で2百万ドルの支援を行うことを発表し、これが「地域社会への取り組み」戦略の一環となる初めての国際投資だとしました。
次に、マッカーサー博士がいくつかのパートナーを紹介し、代表者が話をしましたが、その資金調達や啓蒙活動のモデルはどれも革新的なものでした。
- 近藤 正晃ジェームス氏らが創設したTABLE FOR TWOは、日本に活動の拠点を置き、発展途上国における飢えの問題と、先進国における肥満と生活習慣病の問題に同時に取り組みながら、ミレニアム・ビレッジでの学校給食事業の支援を行っています。
- メアリー・ファナロ氏によって設立されたオムニピースは、ミレニアム・プロミスをファッション業界に紹介し、ブランド品販売の収益をミレニアム・プロミスに寄付しています。
- 極度の貧困撲滅のための学生運動(STEEP)はカールトン大学の学生、ブライアン・ターナー氏によって設立され、学生投票で決まった一人6ドルの寄付が、ミレニアム・プロミスの資金調達に役立てられています。
トミー・フィルフィガー氏.jpg【写真】トミー・ヒルフィガー氏(左)とガイ・ビッカーズ氏(ラメーン・ガセリー撮影)
ウガンダ、ルヒイラ村での活動
次はウガンダ、ルヒイラ村でのミレニアム・ビレッジの活動による活動成果について、クラスターマネージャー兼チームリーダーであるジョン・オコリオ博士、MDGのサポートアドバイザーのジョンソン・ンクヘ博士そして、技術コーディネーターのデビッド・シリリ博士より発表がありました。過去3年間のそれぞれのセクターでの活動の成果には、就学率の向上、とうもろこし収穫高の向上、安全な水の増加、分娩施設での出産増加、農作物価格の向上などがあります。そして、これらの成果につき、将来にむけた持続的な道筋への戦略概要が述べられました。
P1000204.JPGミレニアム・ビジレッジとUNAIDSのパートナーシップ発表と調印式
マラリア対策に関する国連事務総長の特使(写真右)、かつ、ミレニアム・プロミスの共同創業者であり前議長、ならびに、「マラリア・ノー・モア(Malaria no more)」の共同創業者でもあるレイモンド・チェンバース氏から、本日最後の発表がありました。
チェンバース氏は「あと5年強でミレニアム開発目標の達成方法を考えるのは非常に困難である。しかし、サックス教授は我々を常に正しい道筋に導いてくれる。我々が今ミレニアム・ビレッジの活動において体験しているのは、全世界で達成されるべきミレニアム開発目標の縮図である。」と述べています。
サックス教授は、HIVの母子感染防止に向け新たにMVPとUNAIDSとのパートナーシップを発表し、これによって3つの団体がミレニアム・ビレッジを通じてHIVの「母子感染ゼロ地帯」を目標に共同で活動することになりました。また、ミレニアム・ビレッジでの成功例を通じて、UNAIDSとユニセフおよびUNAIDSのパートナーが「何ができ、何をすべきか、そしてどう広めるか」を
全世界に発信する啓蒙活動が容易となるでしょう。
著名なHIV/AIDS予防啓発者であり、「ウガンダ・ケアズ(Uganda Cares)」の創設者であるリディア・ムンゲレラ博士は、1997年に母親であり医者でもある身でHIV感染を告げられ、死という運命を考えたときの様子を語りました。
ムンゲレラ博士は祖国ウガンダに戻った際、AIDSサポート組織(TASO)に加わり、HIVに感染した母親たちを援助するかたわら、HIVの母子感染を防ぐための教育を始めました。ウガンダで治療を受けるとともに、彼女の3歳の息子も検査を受けました(幸い彼は感染していませんでした)。「その時は、息子が感染していなかったのは単なる幸運にすぎないと思いました。しかし今になってみると、これは私が単に幸運だったということではなく、現在はHIVの治療法が存在し、HIVの母子感染を防ぐための方法があるということを意味しているのだと思います。」博士は、母親に教育を行い、男性の理解を深め、政治的コミットメントを獲得し、さらに、HIVに感染した全ての母親が治療できるようにすることで、「AIDSの存在しない世代」を作っていくことができると信じています。
UNAIDSの事務局長を務めるミシェル・シデベ国連事務次長は、「持てる者と持たざる者」との間の不平等に触れ、特にそれが女性と少女への残虐行為へとつながっていることを論じました。同氏は、今日約400,000人の赤ん坊がHIV感染者として生まれているが、そのほとんどが、アフリカの発展途上国で生まれているおり、他の発展途上国ではほぼ皆無であると指摘しました。最後に、「2015年までに、ミレニアム・ビレッジでHIV感染者として生まれる子がいなくなるようにするだけでなく、2025年までには、全世界でそのような子がいなくなるようにしよう」と訴え、スピーチを締めくくりました。
続いて、シデベ博士より紹介を受け、セネガル共和国のアブドライ・ワッド大統領が演壇に登りました。大統領は、世界はAIDSに対して油断してはならないと述べ、近隣コミュニティーを通じた直接的なAIDS教育と、自治体首長や宗教指導者の撲滅活動への参画を提唱しました。セネガル共和国ではそのような活動によってAIDSの感染・罹患率が0.7%まで低下したと考えられるからです。大統領は、罹患率を維持・低下させていくためには、最も感染の多い世代に対する参加型調査プログラムの実行や、全妊婦への強制的スクリーニング、帰国民への任意スクリーニング、感染者への抗レトロウィルス薬治療などの処置等によって、聖域を設けず取り組んでいく絶え間ない努力が必要であると語り、 さらに、性器切除や少女の低年齢結婚といった問題も同様に解決せねばならないと付け加えました。ワッド大統領は、セネガルでは、既存のリーダー達を協力者として問題解決への活動に引き込むことに成功し、HIV/AIDSとの戦いにおいて意義あるサポートを得ていると述べました。
シデベ博士の紹介により、ウガンダ共和国のヨウェリ・カグタ・ムセベニ大統領は「貧困による病気や飢餓は、とりわけ発展途上国にとって最たる障壁であり、ミレニアム開発目標の達成を困難にしている」とスピーチを始めました。彼は、サックス教授とミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの3年半の活動成果に感謝の意を述べるとともに、貧困や飢餓に苦しむ人々が生きがいのある人生を送れるようにすることは可能だ、と述べました。また、MVPがルヒイラ村のミレニアム・ビレッジにもたらした数々の改善について触れる一方で、ウガンダでは全人口のわずか32%しか貨幣経済に参加しておらず、残りの68%が自給自足の経済圏で生活していることなど、引き続き残る懸案事項について言及しました。HIV/AIDSに関して、ムセベニ大統領はHIV/AIDSによる死亡者の75%がサハラ以南のアフリカで発生しており、新たな罹患者の18%がHIVの母子感染によるものであると述べました。そして、ウガンダにとって2010年迄にHIVの母子感染の発生を半減させることが目標の一つであり、今は目標未達であるが、MVPとUNAIDSのパートナーシップがHIVの母子感染のないビレッジを作り出すであろうと希望と祈りを新たにした、と述べました。
そこでチェンバース氏は、ミレニアム・ビレッジとUNAIDSのパートナーシップにかかる合意書に調印するため、関係者全員をテーブルに招聘しました。短い調印式の後、以下のようなコメントが寄せられました。
MPパートナー会議調印式.jpg【写真】
(ミレニアム・ビレッジとUNAIDSの新たなパートナーシップについての合意書に調印するリーダーたち。前列左から、シデベ博士、サックス教授、マッカーサー博士、ワッド大統領、ムセベニ大統領。後列左から、ソウ氏、ベネマン氏、モツァレジ氏、グーズビー大使、エミリア・ティンポ女史)
ユニセフのアン・ベネマン事務局長は、ボツナワで目標値を設定して取り組んだ結果、HIVの母子感染の発症率が40%から5%以下となった事例をあげ、ミレニアム開発目標の達成は可能であると強調しました。
南アフリカ共和国のアーロン・モツァレジ厚生大臣は、ウガンダの成功を直接学ぶために現地のミレニアム・ビレッジの訪問を望む旨を述べ、加えて、MVPとUNAIDSとの新しいパートナーシップは、「即時に、有効に、そして、持続可能な形でミレニアム開発目標を達成する機会をもたらすマイルストーンである」と結びました。
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「MVPとUNAIDSとの新しいパートナーシップは、即時に、有効に、そして、持続可能な形でミレニアム開発目標を達成する機会をもたらすマイルストーンである。」
米国のエリック・グーズビー地球規模エイズ調整官は、1996年以降はHIV母子感染への対応策が存在してにもかかわらず、効果的な活動が行われなかったため、活動は頓挫しているとの認識を示しました。調整官は、米国大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)が豊富な資金を用いて、42万3千人の女性に検査・抗レトロウィルス治療を行ったことで、結果として8万1千人の新生児への感染を防いだことを示し、感染者数の縮小は達成可能なだけでなく、必ず達成しなければならないと指摘しました。そして、女性の健康状態の改善が社会に安定をもたらす効果があることを示しました。
アブー・ソウ氏が再度演壇に立ち、マリの独立記念日が近かったためにマリ大統領がこのミーティングに参加できなかったことをお知らせするとともに、また、セッションで出されたすべてのHIV/AIDS対策への提言に大統領がサポートすることを繰り返し言及しました。さらに、マリがエイズ撲滅のため、全感染者に抗レトロウィルスを無償提供する壮大なプログラムを実行していることを述べました。ソウ氏は、問題解決のために前進し、恐れず検査を受けることを訴え、より多くの人々が公然と検査を受けるようになるほど、偏見や汚名を着させされないようになることを話しました。そして、マリでは、様々なバックグラウンドをもつ宗教的リーダーたちも、この問題解決に動員され、AIDS撲滅の戦いに一体となっていることを述べました。
最後に、アブドライ・ワッド大統領が再び演壇に立ち閉会の挨拶をしました。大統領は、今日の日の誓いを次回のアフリカ連合サミットまで持ち続けてほしいと述べました。また、HIV/AIDSが依然として各国・世界レベルで大きな問題であり、その撲滅のために、啓蒙活動や権利擁護、さらにパートナーシップや教育アクセスが重要であることを強調しました。加えて、国連がHIV/AIDS問題を、引き続き主要な検討課題としていくよう訴えました。
マッカーサー博士が参加者とゲストへの感謝を述べ、そして、サハラ以南のアフリカがミレニアム開発目標を達成するために、パートナー間がグローバルに協力して活動をするよう促し、第二回ミレニアム・プロミス・パートナー会議は閉会しました。
結び
第二回ミレニアム・プロミス・パートナー会議の翌日、国連総会を前にオバマ米大統領は「我々はミレニアム開発目標を支持する。そして、それを実現するためのグローバル・プランを持って来年のサミットに臨むだろう。我々は、我々の時代に極度の貧困を終わらせることを目指している。」と宣言しました。この大統領の言葉は、力強いグローバル・パートナーシップを築き、科学に裏打ちされた実務的な対策を行い、迅速に行動する楽観主義を保とうとするパートナー会議の呼びかけと完全に相容れるものです。
2015年までにMDGsを達成しようとするグローバルな機運が醸成されてきているのは、もはや明らかです。現実的で実績があり、かつ、拡張性のある対策を協力して続けていくことで、ミレニアム・プロミスとグローバル・パートナーシップは、最貧の人たちが極度の貧困から自らの手で抜け出す大きなサポートとなるでしょう。ミレニアム・プロミスは、さらなる輝かしい実績を抱えて来年のパートナーズ会議を主催させていただきたいと思っておりますし、また、パートナーの方々の類まれなリーダーシップと責任感に大変感謝しております。

翻訳:栗山浩延、三上薫、大東まちる

日本経済新聞「明日への話題」

ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)会長の北岡伸一が、毎週木曜日に執筆している『日本経済新聞』(夕刊)「明日への話題」に、MPJ設立のきっかけを紹介しました。(2009年12月3日付)
ジェフリー・サックス教授からの国際電話が喚起した私たちのアフリカへの関心。すでに5年前の出来事となりましたが、今でも鮮明に覚えています。その電話をきっかけに、一人で初めてアフリカ(セネガル)へ出かけたことが、ミレニアム・プロミス・ジャパンの始まりでした。

鈴木りえこ

Nikkei20091203[1].gif

サックス教授と勝間和代さんの対談

エコノミストP1.jpgP2エコノミスト.jpgジェフリー・サックス教授と勝間和代さんの対談「わずかなお金の有効な投資で世界の貧困は退治できる」が『エコノミスト』誌(12月8日特大号)に掲載されました。

人間の安全保障とミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの概念的つながり

ミレニアムビレッジ.jpgミレニアム・ビレッジ・プロジェクトは、コロンビア大学地球研究所、国連開発計画(UNDP)、ミレニアム・プロミスのパートナーシップで運営されています。
UNDP側のプロジェクト・アドバイザーであるパトリック・ハバーマン(Patrick Haverman)さんから、UNDPアフリカ局でインターンをしている田宮彩子さんが執筆した「『人間の安全保障』とミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの概念的つながり及び日本の果たす役割」をご紹介いただきました。
タイトルが示すように、日本が提唱した「人間の安全保障」とミレニアム・ビレッジ・プロジェクトのコンセプトは深くつながっています。10月末に来日なさったサックス教授も、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトは日本発の開発モデルに沿ったものであるとご指摘なさっていました。
田宮さんの論文を「続き」に掲載しましたので、ぜひご一読ください。

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