ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)

極度の貧困は根絶できるはずだ
私たちの孫の時代ではなく、
私たちの世代のうちに
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NGO海外スタディ・プログラム実施経過報告!!

MPJ東京事務所のスタッフである私、寺田かなえは、外務省主催の「NGO海外スタディ・プログラム」の研修生として、7月24日よりウガンダの政府機関NAGRC & DBに派遣されました。

 

本プログラムは日本の国際協力NGOの人材育成を通した組織強化を目的としており、帰国後は研修成果を所属NGOだけでなく他NGOにも還元することが求められています。私は「開発途上国における家畜産業や公衆衛生の発展・応用の可能性と必要性を学ぶ」というテーマを掲げ、ウガンダの農林水産省に属する家畜研究センターの一つであるNationalAnimal Genetic Resources Centre and Data Bankにおいて研修をしています。

 

NAGRC & DBは研究所(エンテベ)とファーム(ウガンダ全土)を有しており、人工授精の実施・指導から絶滅危惧固有種の遺伝子解析・保存に至るまで、家畜の生産生をあげるために必要とされるようなフィールドワークとラボワークを行っています。

採精を行うNAGRCスタッフ

採精を行うNAGRCスタッフ

感染症検査のため採血を行う寺田(右から2番目)と現地獣医師

感染症検査のため採血を行う寺田(右から2番目)と現地獣医師

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウガンダの玄関口であるエンテベは、首都カンパラから40kmの位置にありますが町の雰囲気はカンパラとは大きく異なっています。まさしく喧噪と雑踏という言葉があてはまるような、アフリカの活気に溢れるカンパラに比べ、ビクトリア湖に四方を囲まれたエンテベは緑が多く落ち着いていてとても住みやすいところです。

 

エンテベ空港近くの研究所付属ファーム

エンテベ空港近くの研究所付属ファーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりにも大きいビクトリア湖は波も立っていて一見すると海のようで、海水浴(湖水浴?)を楽しむ現地の人々の姿も多くみられます。またビクトリア湖に近いため、町では新鮮なティラピアやナイルパーチ等の魚料理が味わえます。

 

ビクトリア湖のビーチ

ビクトリア湖のビーチ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究所でも食事や掃除を担当しているスタッフの方にお願いすれば魚料理をつくってもらえるのですが、これがとってもおいしいのです!味付けは、タマネギとトマトと塩だけというとてもシンプルなものなので、ティラピアが手に入った際は是非お試しください!

 

研究所でのお昼ご飯 ティラピアとマトケ(調理用バナナ)

研究所でのお昼ご飯 ティラピアとマトケ(調理用バナナ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからエンテベやウガンダ各地のファームにおける研修を通して、日本との相違点や難民居住区における畜産の可能性なども意識しながら、ウガンダでの家畜産業、環境整備また公衆衛生の実情やマネジメント法を学んでいきたいと思います。

 

 

 

 

~ウガンダ事業~ 8月末で「心のケア」事業が終了しました。

5月よりジャパン・プラットフォームの助成金と皆さまのご寄付で実施してきたウガンダ北部における南スーダン難民の「心理社会的ケア」事業が8月末で終了しました。南スーダン難民の方々を心理的にサポートするため、この事業を支えて下さった方々に感謝いたします。

ワークショップに参加した子ども達、MPJウガンダ現地スタッフ、心理社会的ケア専門家・桑山紀彦医師(右後)、MPJ理事長・鈴木りえこ(左後)、ウガンダ駐在員・片野田義人(左前)

ワークショップに参加した子ども達、MPJウガンダ現地スタッフ、心理社会的ケア専門家・桑山紀彦医師(右後)、MPJ理事長・鈴木りえこ(左後)、ウガンダ駐在員・片野田義人(左前)

6月中旬に現場に入り、心理社会的ワークショップで トラウマを抱える子ども達に寄り添った理事長・鈴木りえこ

6月中旬に現場に入り、心理社会的ワークショップで
トラウマを抱える子ども達に寄り添った理事長・鈴木りえこ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

準備期間を除くと3ヶ月ととても短い期間でしたが、60人の難民の子ども達が継続的にワークショップに参加し、彼らの心境や態度に変化が生まれたことを目の当たりにしてきました。家族や友人を殺された、路上に転がっている死体を見た、殺人を強要させられた、レイプされ、家を焼かれた、そんな凄まじい経験をしてきた子ども達ですが、ワークショップでは時には笑顔、時には涙を見せながら、MPJスタッフに心を開いて話をしてくれました。「つらい経験をしているのは一人じゃない。みんなに話すことで楽になった。」と言ってくれる子ども達も多く、この事業を実施できて本当に良かったと思っています。

 

また、難民居住区の小学校の先生方152人とコミュニティの難民の方々1,165人が、専門家によるセミナーを通して子ども達や自分自身の心理的問題を解決するための知識を得ることができ、「とても役に立った」という声をたくさん聞いてきました。

 

衣食住や医療など目に見える支援も非常に大切ですが、避難生活が長期化してくると心の問題も顕著になり、それを解決する手助けが必要になります。今回MPJは南スーダン難民の心の問題に向き合い、心理社会的支援を実践してきました。

 

<心理社会的ワークショップ> 7月後半から8月にかけては、心理社会的ワークショップも大詰め。子ども達は、描画や粘土細工よりも更に表現方法の難易度を高めた「ジオラマワークショップ」そして「音楽ワークショップ」に臨みました。   ジオラマワークショプでは「将来自分の住みたい町」をテーマとして、グループで議論をして町に何が必要かを話した後、色鉛筆と粘土を使って自分達の町を作り上げました。南スーダンで失ったもの、ウガンダでの避難生活で足りないものなど様々な想いを「理想の町」という形にしていきました。全てのグループが「この町は平和で、戦いは一切ない!」と語っていたのが印象的でした。

 

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「音楽ワークショップ」は今回のプログラムでの最終段階で、子ども達が自分たちの「過去」「現在」「未来」について歌詞を作り、みんなの前で発表しました。

 

 

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あるグループが音楽ワークショップで作った歌詞を紹介します。

 

♪戦争の前、南スーダンで両親は生きていた

今よりも良い学校に通って、友達と一緒だった

戦争中、女性はレイプされた

両親は殺された。子ども達は亡くなった

生活は苦しかった。道路は閉鎖された

平和をなくして、逃げるしかなかった♪

 

♪難民キャンプに着いた時、生活は大変だった

みんな病気なった。食料は足りなかった

今は学校に通えるようになった

食べ物はあるし、幸せだ

平和に暮らしている。治安もいい

水もあるし、前より良くなった♪

 

♪良い先生になりたい。看護士になりたい

エンジニアになりたい

私たちの国、南スーダンのために

国を再建したい。最高の未来のために

私たちはなりたい。平和を愛する人に

希望の人に、生活の救世主に♪

 

ここまでワークショップに参加した子ども達は、約3か月前に第一回ワークショップに来た時とは表情が全然違っていました。よく話すようになり、自然と笑顔も見せられるようになりました。

 

お父さんやお母さんが目の前で殺された過去を変える事はできません。でも、これからどう生きるかを決める事は出来る。ワークショップに参加した子ども達には、トラウマに押しつぶされず、前向きな人生を歩んでもらえる事を願っています。

 

MPJは、今後も南スーダン難民に心理社会的ケアを届けられるよう準備を進めています。またウガンダ北部で今回のような事業を開始できるよう頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

【ショッピングセンターでのバオバブ商品プロモーション】

現在、当プロジェクトはバオバブ商品を通じた農民グループの収入向上、自立支援の促進に取り組んでいますが、バオバブ商品をより多く販売して収入を増やしていくためには、市場の拡大が必要です。
しかし、マラウイの人たちはバオバブがマラウイに多く自生していることは知っていても、現在私たちが販売を勧めているバオバブパウダーやバオバブオイルの存在、そしてその効果を知っている人はまだまだ少ないのが現状です。
そこで、人が多く集まる休日のショッピングセンターにおいてプロモーションブースを出展し、現地の人たちにバオバブパウダーやバオバブオイルについて紹介し、バオバブ商品の消費者を増やすというのが今回の狙いです。

まずはバオバブ商品の持つ魅力について簡単にご紹介します。
実はバオバブオイルは欧米ではスキンケア用の美容オイルとして注目を集めています。
バオバブオイルはバオバブの種子から作られています。この種子が保湿に有効な脂肪酸、また、ビタミンEやカロテンなど、お肌の調子を整える成分も多く含まれています。バオバブパウダーはバオバブの実から作られており、ビタミンCやカルシウム、鉄分、食物繊維など多くの栄養素を含んでいるため、スーパーフードとして注目を集めています。

 

マラウイでは、女性はもちろん男性もお肌の手入れには気を遣っており、シャワーの後にはボディクリームなどを使ってスキンケアをしているという人が非常に多いのです。日本でも、最近では男性用の化粧水などが店舗に並ぶ様になってきて、若い男性たちを中心にお風呂上りにスキンケアというのも徐々に浸透してきていますが、実際にマラウイ男性の美意識に対する関心の高さには私たちも驚きました。
また、近年では健康に対する意識も高まってきており、特に富裕層のマラウイ人を中心に、ジムでのトレーニングやジョギングを日課にする人、モリンガなどの健康食品をサプリメントとして摂取する人が徐々に増えています。

そのため、バオバブ商品のもつポテンシャルはマラウイの人たちが持つスキンケアや健康に対する意識やニーズとも一致すると私たちは考えています。

 

さて、では実際にどの様にプロモーションを行ったのかをご紹介していきたいと思います。

 

【首都リロングウェ】
リロングウェでは、同県でバオバブオイルやパウダーを製造販売しているMaluso Cooperative Unionと一緒にブースを出展しました。リロングウェにはいくつかのショッピングセンターやモールがありますが、今回私たちが選んだのは、通称Game Complexと呼ばれているショッピングセンターです。バスターミナルからも近く、町の中心街に位置するため、平日休日問わず、いつも多くの買い物客で賑わっています。

Game Complexと呼ばれているショッピングセンター

Game Complexと呼ばれているショッピングセンター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、すでにMaluso Unionがバオバブオイルを卸している、コスメティックショップの前のスペースをお借りしました。隣には大きなスーパーマーケットが並んでいるため、スーパーに買い物に来たお客さんたちも取り込むことができる良い場所です。

プロモーションブース

プロモーションブース

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブースでは、バオバブオイルやパウダーの商品ポスターを設置し、日本から持ってきたお肌の水分や油分量を測ることのできるスキンチェッカーを使った、お肌の状態チェック体験と、バオバブオイルのテスターを用意しました。

土曜日ということもあり、買い物に来た多くの人たちがブースに詰めかけ、バオバブオイルを知らない人たちにその存在を知ってもらういい機会となりました。

スタッフもお揃いの「Buy Malawi, Buy Baobab」Tシャツで商品の説明をしていきます。

スタッフもお揃いの「Buy Malawi, Buy Baobab」Tシャツで商品の説明をしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特に大人気となったのが、お肌の状態チェック体験でした。マラウイではスキンチェッカーなど手に入らないため、全員が初体験ということもあり、女性はもちろん、男性も多くの人が集まりました。

男性たちも自分のお肌の状態チェックに興味津々です。

男性たちも自分のお肌の状態チェックに興味津々です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキンチェックしていると、マラウイ人のお肌はオイリー肌であるが、水分量が少ないという人が多いことが分かりました。つまり、お肌の表面には油分が多いが、内部は乾燥している人が多いのです。そんな人にこそ、バオバブオイルの出番です。バオバブオイルはお肌に自然と浸透していくため、油分を適切に調整する働きがあり、さらに保湿力の向上にも期待できます。

バオバブオイルの特性を説明し、実際にオイルを着けてもらい、使い心地を確かめてもらいました。マラウイ人はすでにボディクリームやワセリンなどのケア用品を使っている人がほとんどなので、そこにオイルを混ぜて使うなどの使用方法なども提案しました。

 

スキンチェックの効果もあってか、多くの人がバオバブオイルに興味を示し、ブースの場所を提供してくれたコスメティックショップからもバオバブオイルの新たな注文が入りました。また、ブースを訪れた、ホテルでマッサージ店を運営しているという女性から「ぜひ私の店で使いたい。」と業務用の注文を獲得することもできました。

 

【マラウイ最大の商業都市ブランタイヤ】

ブランタイヤでは、同県でバオバブオイル・パウダーの製造販売をしているHome Oils Cooperativeと一緒にブース出展しました。今回私たちが選んだ場所はブランタイヤ最大のショッピングセンターであるChichiri Shopping Centerです。

大きなスーパーマーケットやセレクトショップが立ち並ぶChichiri Shopping Center

大きなスーパーマーケットやセレクトショップが立ち並ぶChichiri Shopping Center

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、リロングウェ同様にスキンチェッカーとバオバブオイルのテスターの他に、バオバブジュースの試飲も用意しました。さらに、ブースを訪れた人たちが普段どんなスキンケア商品を使っているのか、その種類や価格帯を調べるアンケート調査も実施しました。

こちらの会場も土曜日の買い物客で賑わっており、多くの人がブースを訪れてくれました。

プロモーションブースの様子

プロモーションブースの様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回もスキンチェッカーは大人気でしたが、最も効果的な成果を上げたのはバオバブジュースの試飲でした。ブースを訪れた人の多くがバオバブの実を口にしたことはあっても、パウダーとして売られている商品を買ったことはないという人ばかりでしたが、組合が作ってきた特製バオバブミルクセーキを試飲してもらうと、「おいしい!」という声と共に、レシピを尋ねて1瓶買っていくというお客さんが続出しました。併せて、バオバブは様々な栄養素が豊富で、日常的なサプリメントとしても最適であることをアピールすることができました。

今回の主役となったバオバブジュースの試飲。

今回の主役となったバオバブジュースの試飲。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、スキンケアに対するアンケート調査では、多くの人が2,000K台(日本円で約400円)のスキンケア商品を普段購入しているということで、Home Oilsが販売しているバオバブオイルも2,000Kであったため、スキンチェックやオイルの試用後に購入してくれるお客さんもありました。ブースに参加していた組合のメンバーもプロモーションブースの効果を実感した様で、次は自分たちだけでもやってみると嬉しい意見が出ました。

 

バオバブオイルのテスターを勧め、アンケートを取っていくメンバーたち。

バオバブオイルのテスターを勧め、アンケートを取っていくメンバーたち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今後も引き続き、マラウイでのバオバブ市場開拓に向けて活動を進めていきます。

 

 

 

【認定NPO法人の更新が終了しました!!】

8月30日付で、MPJは東京都の認定NPO法人としての更新手続きが終了し、引き続き5年間(2018年3月11日から2023年3月10日まで)認定NPO法人として活動出来ることになりました!!皆様のこれまでのご支援ご協力に深く感謝しております。
これまでと同様、法人、個人の皆様から賜るご寄付は税制上優遇措置の対象となります。
今後は「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて、これまで以上に努力する所存です。
今後とも引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

第34回MPJ研究会のお知らせ!「大使館専門調査員の視点から見た、ウガンダ支援最新事情」

第34回MPJ研究会のお知らせ

「大使館専門調査員の視点から見た、ウガンダ支援最新事情」

 

ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)では8月27日(月)19:00より、大使館専門調査員の勤務を終え、帰国したばかりの橋本奈保氏を講師として研究会を開催いたします。

 

研究会では、専門調査員の仕事内容の紹介から、NGOや国際機関などがウガンダで実施している支援事業の現状、ウガンダのユニークな難民政策などについてお話いただきます。

 

専門調査員のお仕事に関心をお持ちの方、アフリカ・ウガンダでの支援事業にご興味をお持ちの方、ぜひお気軽にご参加下さい!

 

橋本奈保氏プロフィール

2010年米国Smith College卒業(心理学及び人類学専攻),2014年3月大阪大学国際公共政策研究科博士前期課程修了(国際公共政策修士)・同博士後期課程在籍中。2015年8月から2018年8月,在ウガンダ日本国大使館経済開発協力班にて専門調査員として勤務。草の根人間の安全保障無償資金協力案件,日本NGO連携無償資金協力案件,国連機関を通じた人道と開発連携案件等を担当。

 

(難民居住区で調査中の橋本氏)

(難民居住区で調査中の橋本氏)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究会の開催要領は、下記の通りです。

 

 

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第34回MPJ研究会

「大使館専門調査員の視点から見た、ウガンダ支援最新事情」

 

【日時】2018年8月27日(月)19:00~20:30(18:45開場)

【場所】文京シビックセンター 4階会議室B

(地下鉄南北線・丸の内線後楽園駅直結)
 アクセス→http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/civiccenter/civic.html

【講師】橋本奈保氏

【会費】無料

【申込方法】お名前、ご所属、ご連絡先を明記の上、mpjapan@drive.ocn.ne.jpまでメールにて

お申込み下さい。

【申込締切】8月24日(金)

 

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◆(ウガンダ事業)教員や難民コミュニティを対象にメンタルヘルスセミナーを実施しました!

<教員とコミュニティ向けのセミナー>

5月から始まった南スーダン難民への心理社会的ケア事業では、ウガンダで20年以上心理的ケアを実施している現地NGO「TPO Uganda」とパートナーシップを結んでいます。「TPO Uganda」から精神科医や臨床心理士を派遣してもらい、難民居住区でメンタルヘルスの基礎知識を伝えるセミナーを実施しています。

 

7月末までに、難民居住区で働く103人の先生方と779人の南スーダン難民がセミナーに参加しました。セミナーでは、鬱やPTSD(心的外傷後ストレス障害)など難民が頻繁に患う精神的疾患についての説明や、不安やストレスを和らげるための簡単なエクササイズの方法を紹介しています。

 

教員向けセミナーで先生方に講義するTPO Ugandaの臨床心理士

教員向けセミナーで先生方に講義するTPO Ugandaの
臨床心理士

 

難民居住区の教会で実施された コミュニティ向けセミナー

難民居住区の教会で実施されたコミュニティ向けセミナー

 

コミュニティ向けセミナーに参加した難民の方からは「はじめて聞いたことが多くて勉強になりました。セミナーに参加出来なかった近所の人々にもこの知識を伝えたいし、今日習ったエクササイズを実践しようと思います。」といった声が聞かれました。

 

正規の教員として働くウガンダ人と補助教員として働く南スーダン人の先生方は、紛争のトラウマを抱えていたり、居住区での生活にストレスを感じていたりする多くの子ども達と毎日学校で会っています。

 

参加者の一人は「セミナーでの知識は、精神的な問題を持った子ども達に接するうえで欠かせないものでした。子ども達のトラウマを認識して、学校でも適切な支援をすることが大切だと学びました。」とおしゃっていました。

 

教員を研修することでMPJが直接支援を届けられない難民の子ども達にも、心理的ケアが実施される事が期待されています。

 

精神を落ち着かせるための誰でも簡単にできる エクササイズ

精神を落ち着かせるための誰でも簡単にできるエクササイズ

 

教員向けセミナーでMPJの活動を説明する駐在員・片野田

教員向けセミナーでMPJの活動を説明する駐在員・片野田

 

 

<心理社会的ワークショップ>

南スーダン難民の子ども達を対象にした「心理社会的ワークショップ」も継続しています。「嫌いなもの・こと」「失ったもの・こと」「忘れられないあの日」といったテーマで粘土細工をしたり、針金と粘土でこれまで生きてきた人生を表現する「針金の人生」ワークショップを実施しました。MPJのワークショップに慣れてきた子どもたちは、徐々にトラウマ体験を自分の言葉で語れるようになってきました。

 

MPJスタッフと友達の前でトラウマ体験を語る児童

MPJスタッフと友達の前でトラウマ体験を語る児童

 

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子ども達の作品「忘れられないあの日」

 

7月3日~19日まで、日本人のボランティアの方が現地を訪れ、実際に心理社会的ワークショップに参加しました。その方が感じたことを文章にしていただいたので、是非ご一読ください。


「これは誰?」

「お父さん。」

「お父さんは何をしているの?」

「銃で撃たれて殺されたところ。」

「お母さんは?」

「いない、死んじゃったから。」

 

これは、MPJによる心理社会的ケアの粘土細工ワークショップに参加した際の、ある子供とのやり取りです。初めはあまりの悲惨さに驚きを隠せませんでした。ですが、これはここにいる子供たちに共通した会話だとすぐに気づくことになります。

 

南スーダンの紛争により、ウガンダへ逃れてきた子供たち。ワークショップに参加している子供たちの多くが家族のほとんどを失っていました。遠い親戚や赤の他人が保護者になっている子供もいれば、保護者が全くいない子供もいます。一見、普通に学校に通っている生徒に見えますが、ほんの少し話を聞くだけで凄惨な過去が浮かび上がります。目の前で親が殺された子供、家を燃やされた子供、死んだ親の姿を見て失神してしまった子供、大量の人が殺されるところを目撃してしまった子供。子供たちのストーリーは少しずつ違っていますが、子供たち全員が想像することすら難しい状況を経験しています。

 

ワークショップでは造形等を使い、子どもたちに自分の経験を話してもらうのですが、聞いていると不自然なところに気づきます。

 

多くの子どもたちが初めに体験を語る際、自分の感情に全く触れないのです。聞くだけでも辛い経験だというのに、まるで他人事のように感情を交えずに話すのです。感情を切り離して生きることだけに集中してきたのかもしれません。

 

ワークショップではファシリテーター達がその不自然さをすぐに読み取り、怖がらせないように質問を繰り返します。初めは淡々と答えていた子供達も、次第に言葉に詰まったり、涙を流したりしながら少しずつ自分の感情を表現していきます。一連のやり取りが終わると、自分の感情を吐き出した子供達に笑顔が見られます。その笑顔には清々しさと達成感のようなものが見て取れます。

 

幼くして家族を失い、悲しむ暇もなく生存のためだけに全力を注いできた子供達。彼らに自分に起きたことを振り返り、話を聞いてもらう機会が今までどれだけあったのだろうかと考えずにはいられません。ここにいる子供たちのレジリエンス(精神回復力)には目を見張るものがあります。ですが、彼らの経験はそのレジリエンス(精神回復力)だけでは超えられないのではないか、食べ物や服と同じように心理的な援助が必須なのではないか、と改めて感じています。子供たちが笑顔で家路につく姿を見ながら、このような機会を与えられることによって彼らの未来は確実に変わっていくのだろうと確信しています。

 

 

 

 

 

 

【マラウイのバオバブ市場をどうやって広げていくか?】

今月は、現在取り組んでいる、現地でのバオバブ商品の市場開拓の活動について紹介します。

 

バオバブは欧米などではスーパーフルーツとして認知されていますが、実際にそのバオバブが自生しているマラウイでは、バオバブの存在は知っていても、バオバブが高い栄養素を持っていることや、バオバブオイルに保湿効果があることはあまり認知されていません。

 

バオバブ商品の市場を開拓するにはまず、バオバブ製品の商品価値の認知向上も大事な要素の一つです。マラウイ政府は「Buy Malawi」をスローガンに国産品の国内消費を推進していますが、スーパーマーケットなどで売られている加工品の多くは輸入品で、特にスキンケア用品などは、UnileverやNIVEAなど日本でも良く知られている商品がシェアを占めています。

当プロジェクトでは、「Buy Malawi」を促進するために、マラウイ産のバオバブオイルを日々のスキンケアやヘアケアに使用してもらうべく、バオバブ商品の認知向上や市場を拡大すべく活動を進めています。

(Buy Malawiについて詳しく知りたい方はHPをご覧下さい。)http://www.buymalawi.mw/

 

今回は、5月から6月にかけてマラウイの2大都市・リロングウェとブランタイヤにおいて実施した「マーケティング実習」について報告します。この実習はバオバブオイルとバオバブパウダーの認知度の向上と取り扱い店舗を増やすことを目的に、マラウイ人と日本人のマーケティングの専門家を1名ずつ招いて実施しました。初めに、専門家より営業活動に関するノウハウを参加者であるMaluso Cooperative Union5名(リロングウェ)、Home Oils Cooperative8名(ブランタイヤ)に講義してもらい、その後、実際に専門家と参加者で市内の美容院や化粧品販売店、薬局など延べ約400店舗にバオバブ商品の営業活動を行うというものでした。

 

○実習1日目(事前講習会)

専門家より市場調査の目的や方法をレクチャーしてもらい、市場のニーズを把握し、そのニーズを満たすための商品作り、コンセプト作りの重要性を学びました。

 

リロングウェの支援対象組合での講習会

リロングウェの支援対象組合での講習会

 

○実習2~4日目(市場調査)

専門家、組合メンバー、MPJスタッフと共に、市内においてバオバブ商品を販売できる可能性の高い店舗を、立地や客層などを確認しながら探しました。そして、実際に営業をかける店舗をオイル、パウダーそれぞれ100店舗ずつ選定しました。バオバブオイルの営業先は、美容院や化粧品店、薬局、マッサージサロンなど、バオバブパウダーは、薬局や食料品店、スーパーマーケット、レストランなどを中心に店舗を選定しました。

 

 

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とにかく足を使って、実際の店舗の様子をチェックしていきます。

女性用の洋服店や化粧品店、美容院などが並ぶ、ブランタイヤのファッションストリート

女性用の洋服店や化粧品店、美容院などが並ぶ、ブランタイヤのファッションストリート

 

○実習5~10日目(プロモーション活動)

その後、選定した200店舗を1つずつ営業訪問し、実際にバオバブ商品のプロモーション活動を行いました。店舗のオーナーやスタッフに対してバオバブ商品の説明を行い、商品サンプルやチラシを配布して、店舗で取り扱ってもらえる様に依頼しました。

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毎朝のミーティング。商品のセールストークの内容などについて確認します。

 

化粧品店のオーナーにバオバブオイルの効果を説明する組合メンバー

化粧品店のオーナーにバオバブオイルの効果を説明する組合メンバー

個人経営のスーパーマーケットにバオバブパウダーをPRする専門家と組合メンバー

個人経営のスーパーマーケットにバオバブパウダーをPRする専門家と組合メンバー

 

○実習11日目(振り返りミーティング)

最後に、これまでの10日間の活動を振り返り、実際にプロモーション活動を通しての店舗の反応や興味の高さなどによって、今後フォローアップしていくべき店舗に優先順位を付けていきました。また、この実習で何を学んだか、今後、事業を展開していく上での課題は何かについてメンバーみんなで共有しました。

ブランタイヤの支援組合での振り返りミーティング

ブランタイヤの支援組合での振り返りミーティング

 

今回の実習による新規販売店舗の獲得目標数は1割の40店舗。これまでに9店舗の新規顧客を獲得し、現在もフォローアップ活動を継続中です。この目標は決して簡単なものではありませんが、引き続き、一歩ずつ着実にマラウイ国内におけるバオバブ商品の市場拡大を目指します。

 

 

 

◆(ウガンダ事業)心理社会的ケア専門家・桑山紀彦医師が現地入りしました!

<心理社会的ワークショップ>

2018年5月から開始した新事業「ウガンダ西ナイル地域の南スーダン難民居住地区における心理社会的支援」ですが、6月に入り本格的に南スーダン難民の子どもたちのための心理社会的ケアワークショップを実施しています。ウガンダ北部にあるビディビディ難民居住区にある小学校2校で、4グループ(1グループ15~16人)にワークショップを受けてもらっています。

 

このワークショップでは、描画、粘土細工、針金を使ったアクティビティ、音楽という創作活動を通して、参加者が自分たちの抱えるトラウマに向き合うことを目的としています。テーマに沿ってそれぞれに作品を作ってもらい、なぜその作品を作ったのか、どんな気持ちで作ったのか等をグループで共有します。

 

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(描画セッションで子ども達が描いた「忘れられないあの日」)

 

子ども達はワークショップに慣れていないこともあり、最初は発言するのを恥ずかしがっていました。でも2回3回とワークショップを実施するうちに、MPJスタッフとも気さくに話せるようになり、自分の心情や経験を少しずつ語れるようになってきました。

特に「失ったもの・こと」「忘れられないあの日」というテーマのセッションでは、涙を流し感情を露わにしながら、南スーダンで家族を殺されたことなど紛争の記憶を話せた子ども達がたくさんいました。心理社会的ケアでは、涙をながしながらつらい経験を人前で話すというプロセスがとても大切です。語ることによって記憶と感情が整理され、どれだけつらい経験があってもトラウマに向き合うことが出来て徐々に心が軽くなっていきます。

 

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(作品をみんなの前で発表する子ども達)

 

<心理社会的ケア専門家及び理事長の現地視察>

この事業は心療内科医/精神科医で心理社会的ケアの専門家である桑山紀彦医師に監修していただいています。6月19日~23日まで桑山先生が現場を訪問され、心理社会的ケアワークショップのファシリテーションや保護者と教員に対するセミナーを実施されました。

ワークショップに参加している子ども達の保護者や難民居住区内の小学校で働く先生方をセミナーに招待し、子ども達が受けている心理社会的支援について理解を深めてもらいました。参加いただいた保護者・先生からは自分自身が抱えるトラウマについても考える事が出来たと大好評でした。

同じ日程でMPJの理事長の鈴木りえこも事業を視察しました。心理社会的ワークショップでは理事長も涙を流しながらトラウマ体験に聴き入り、子ども達に寄り添いました。セミナーに招待した現地政府や国連機関の担当者からもMPJへの感謝の言葉が送られ、南スーダン難民への心理社会的支援の継続を要請されました。

 

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(音楽ワークショップで、子ども達に歌の例を聞かせる桑山医師(左)、MPJウガンダ人スタッフと駐在員・片野田(右))

 

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(子どものストーリーに耳を傾ける理事長・鈴木りえこ)

 

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(音楽ワークショップで過去の体験について歌詞を作っている子ども達とピアノを演奏する理事長・鈴木りえこ)

 

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(教員に心理社会的支援の方法論を伝える桑山医師)

 

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(保護者に「トラウマとは何か」を説明する桑山医師)

 

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(学校の前で子ども達と記念撮影)

 

桑山先生ご自身も、ウガンダ出張についてブログで詳しくレポートされています。是非ご覧ください!

ウガンダ活動記録① https://blog.e-stageone.org/?p=4488

ウガンダ活動記録② https://blog.e-stageone.org/?p=4494

ウガンダ活動記録③ https://blog.e-stageone.org/?p=4494

ウガンダ活動記録④ https://blog.e-stageone.org/?p=4509

ウガンダ活動記録⑤ https://blog.e-stageone.org/?p=4518

 

 

【三重県桑名市立正和中学校3年生の5名がMPJを訪問しました!】

桑名中学校

 

去る6月1日、三重県桑名市立正和中学校三年生の生徒さんが修学旅行で都内を訪れ、うち5名の方が都内分散学習の一環としてNPO法人に興味を持たれ、MPJを訪問されました。

 

まず始めに、理事長・鈴木りえこよりMPJの貧困削減を中心としたミッションやこれまでの活動の紹介、その後は持続可能な開発目標(SDGs)やアフリカの貧困問題について詳しくお話し、日本は国際社会の中で恵まれていること、世界中には勉強したくてもできない子どもたちがいることを、事例等をあげて説明しました。

また、事前アンケートで学生の皆さんが詳しく知りたいとリクエストされていたHIV/AIDSについて、事務局長の奥薗から説明もなされました。

 

修学旅行の初日はディズニーランドで遊んできたという学生さんでしたが、MPJ事務局に訪問された際には少し緊張した様子で、真剣に話を聞いてくださいました。

 

後日、訪問された学生の皆さんからお礼状もいただき、「恵まれている生活を送れているという感謝の気持ちを忘れないようにしたい」「普段あまり学ぶことのできないことを深く考える良い機会になりました」といった感想もお聞かせいただきました。

私たちも中学生の皆さんが真剣に世界の問題について耳を傾けている姿を見て励まされると同時に、皆さんのこれからの人生をとても楽しみに思いました。

 

ご訪問いただいた皆さんとご担当いただいた中学校の先生をはじめ職員の皆さん、この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました!

 

正和中学校の学生さんと奥薗(左)と鈴木(右)

正和中学校の学生さんと奥薗(左)と鈴木(右)

(ウガンダ事業)心理社会的ケア事業を開始しました!

<事業開始、ウガンダへ渡航>

 

昨年よりMPJが準備を進めてきた南スーダン難民への心理社会的ケア・プロジェクトは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)より助成金をいただき、5月1日より本格的に子供を対象としたパイロット事業として開始されました。クラウドファンディングでも多くの方々からご支援をいただき、おかげ様で無事に事業が開始出来たましたことを、改めまして皆さまにお礼申し上げます。

 

 

5月初旬には現地駐在員として派遣された片野田義人がウガンダ北部の難民居住区での活動を開始しました。MPJが単独で難民支援事業を実施するのは今回が初めてですが2017年夏から2018年3月までピースウインズ・ジャパンと協働で水衛生分野での難民支援を実施した経験を活かして、難民の方々に良い支援を届けられるよう全身全霊で活動に取り組んで参ります!

 

心理社会的ワークショップでファシリテーションを行う駐在員・片野田

 

 

<事業内容>

今回の心理社会的ケア事業では、様々な困難と向き合ってきた難民の方々に少しでも良好な精神状態を回復していただくため、大きく分けて3つの活動を行います。また、この事業には、日本における心理社会的ケアの第一人者・桑山紀彦先生(精神科医/心療内科医、地球のステージ代表理事 http://e-stageone.org/stage/kuwayama/)にアドバイザーとして関わっていただいています。

 

1.子ども達のための心理社会的ワークショップ

紛争で経験したトラウマをテーマに創作活動(描画・粘土細工・音楽等)を実施し、それらを通してトラウマと向き合い、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を防ぐことを目指します。約60人の子ども達が、週1回全12回のワークショップに参加します。

 

心理社会的ワークショップについて児童(左)と保護者(右)に説明するMPJ現地スタッフAlice(中央)

 

 

ワークショップに参加する子ども達

 

 

2.保護者・教員のためのセミナー

つらい経験を持つ子ども達の周りの大人が、トラウマやPTSDとは一体何なのか、どうやってトラウマを持つ子ども達と接すればいいのか等を理解し、子ども達をサポートできるような体制を作ります。合計で200人近い保護者と先生方がセミナーを受講します。

 

3.難民コミュニティでのセミナー

精神病とは何なのか、鬱や不安をどうやって軽減できるのか等、メンタルヘルスの知識を得る機会のない難民の方々のために、日々の生活に役立つ実践的な知識を伝えます。合計で750人の方々がこのセミナーに参加します。

 

<心理社会的ワークショップの準備>

難民居住区の小学校の先生方にトラウマが原因で精神に不調のみられる子ども達のリストを作成してもらい、さらにMPJスタッフが児童に対して心理テストを実施することでPTSDを発症するリスクの高い子ども達を把握し、ワークショップに参加してもらう子ども達をリストアップしました。

5月中は先生方と打ち合わせをしたり、家族の家を一軒一軒まわったりして子ども達がどのようなワークショップを受けるのかを説明しました。紛争で家族を亡くしてしまった子ども達も少なくないため、ワークショップに参加して少しでも彼らの心が軽くなるようにと願いながら、活動を進めています。6月から週1回のペースで本格的にワークショップを開始するので、次回のブログで詳しく報告します。