ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)

極度の貧困は根絶できるはずだ
私たちの孫の時代ではなく、
私たちの世代のうちに
極度の貧困は根絶できるはずだ  私たちの孫の時代ではなく、私たちの世代のうちに

Blog-Archives

マラウイ洪水被災者支援・食糧配布後のモニタリングに行ってきました!

モニタリング7月から着手したマラウイ洪水被害者支援活動は、9月26日をもって全活動を無事終了することができました。食糧配布から約2週間後に行ったモニタリングなどをご報告いたします。

マラウイ共和国ゾンバ県クントゥマンジ(Kuntumanji)地域で9月4日に食糧贈呈式、翌5日には1370世帯への食糧配布を終了し、その後、活動の効果がどのようなものだったかを調査するために、約2週間後の21日から5日間の予定でモニタリング調査を行いました。配布前に事前調査をした同地域内にある7つのグループビレッジ(いくつかの村を集めた単位)から6組ずつ、合計42組の配給対象者の各家庭に伺い、1)配布の内容、2)配給方法(持ち帰りに配慮した小分けパック)、3)現在の食糧状態、4)健康状態、5)子ども達の通学状況、6)農業従事時間などについて、 一軒一軒調査を行いました。42組中、2組は湖で漁をするためその期間は住居を移動されていたので移動先でモニタリングを行い、1組は配布後に引っ越しており不明、全部で41組のモニタリングを行いました。

笑顔調査の結果、受益者の皆さんには今回の配布をとても喜んでいただき、健康状態も良好であることが確認できました。今回、WFP(国連世界食糧計画)の配給指標を参考に、メイズ50kg・豆10kg・スーパーシリアル6kg・ベジタブルオイル1.5リットル(1世帯5人家族の1か月分の計算)を配布しましたが、食糧の質も内容も良かった、子どもたちはスーパーシリアル(子ども用の栄養食)を毎朝食べて元気いっぱい登校しているという話をたくさん聞きました。また、持ち帰り方法については、洪水後に受けたこれまでの配給(1~6月までWFPが食糧支援を実施)ではメイズの場合50kg×1袋・ベジタブルオイルは1.5リットルを1本ですが、今回は小分けにしてメイズ25Kg×2袋、ベジタブルオイル500ミリリットル×3本に分けてみました。ほとんどの方が小分けのほうが持ち帰りやすかった、保存しやすいなどのご意見をいただきましたが、配布物をまとめる袋や紐がなかったので持ち帰りにくかったとの意見もありました。物資をもちかえる人々現在の食糧状態を伺うと、ほぼミレニアム・プロミス・ジャパンの配給食糧で生活しており、多くの方が配布後2週間で残りはメイズ25kgしかないという答えが返ってきました。このような状態になる原因としては、家族数が多いことや、親戚や隣近所で分けた、食糧のコントロールができないことなどがあるようです。

今回、贈呈式から食糧配布、そしてモニタリングまで、配布対象地域クントゥマンジ地区の選出県議会議員Tambalaさん、コミュニティーメンバーリーダー14名の協力を得て行いました。地域の方に中心となって活動を行ってもらったことで、セキュリティ(配布時の混乱を避ける・食糧保管等)の面や配布対象者へのケアを安心して任せることができました。そして彼らの活動する姿からは、自分たちの地域を自分たちで支えていくという自助・共助の意識を強く感じることができ、クントゥマンジ地区の住民の素晴らしさ・力強さを感じました。

贈呈式モニタリングを行いながら、同時に各関係各所に活動報告のご挨拶に伺いました。ゾンバ県知事や福知事、国会議員、災害対策局担当官、ミレニアム・ビレッジ ムワンダマ村のチームリーダーやスタッフ、Gift of The Givers事務所のチェアマン等の皆様に、式典参加のお礼と活動の無事終了を伝え、MBC TV(マラウイ国営放送)で放映された映像を見ていただいたりしました。

リロングウェでは、在マラウイ日本大使西岡周一郎閣下をはじめ、JICAマラウイ事務所、マラウイ災害対策局局長、Save The Children(ゾンバ洪水災害担当者)にご挨拶に伺いました。在マラウイ日本大使西岡閣下からは、日本からの支援で行われたことがしっかりとアピールできたことを喜んでいただき、「ミレニアム・プロミス・ジャパンの今後の活躍に期待します」というありがたいお言葉をいただきました。

在庫確認今回の2か月間の活動中、思いもよらない様々な問題がたくさん起こりました。その度に周りにいた人々が力強くサポートしてくださり、なんとか問題を乗り越えていくことができ、無事に活動を終えることができました。マラウイからは、ゾンバ県クントゥマンジ地区の配布者の皆様はじめ、日本に対してたくさんの笑顔とお礼の言葉をいただきました。私たちスタッフも、多くの出会いと学びを得ることができ、感謝の気持ちを持ち、笑顔で活動を終えることができました。これからの日本とマラウイの関係が、より良きものになりますことを心より願っています。

グローバルフェスタに出展いたします

グロフェス201510月3日(土)、4日(日)にお台場で開催される国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN 2015」に、ミレニアム・プロミス・ジャパンも出展いたします。4日(日)には、会場内でMPJユースの会が活動発表をいたします。お時間がありましたら、ぜひ遊びに来てください!(例年と会場が異なりますので下記をご確認ください。)



■グローバルフェスタJAPAN 2015
・開催場所 お台場センタープロムナード(東京都江東区青海1-2)
・アクセス りんかい線「東京テレポート」駅より徒歩1分、
      ゆりかもめ「青海」駅より徒歩3分
・開催時間 各日10:00~17:00
・出展場所 R10(レッドエリア:農村開発)

MPJユースの会による活動報告 
・日時 10月4日(日) 11:10-11:40 @活動報告コーナーF

グローバルフェスタ公式ホームページ http://gfjapan2015.jp/

持続可能な開発目標(SDGs)国際会議に参加しました

会議にて2015年9月25日から27日にわたり、ニューヨークで開催された国連サミットでは、21世紀の初めに策定された「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals」(2001年策定)の後継として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。MDGs8項目のうち保健・衛生、教育などの残された課題や新たな項目に対応する目標(2016年~2030年)で、17ゴールと169ターゲットからなる持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)です。

それに先立ち、コロンビア大学では「2015 International Conference on Sustainable Development」が開催され、学生を中心に世界から多くの人々が参加しました。リベリア大統領のエレン・ジョンソン・サーリーフ氏、ルワンダ大統領のポール・ カガメ氏、MDGs担当の国連事務総長特別顧問のサックス教授、国連副事務総長のヤン・エリアソン氏、ポスト2015アジェンダ担当・国連事務総長特別顧問のアミーナ・モハメッド氏、UNESCO事務総長のイリーナ・ボコバ氏などがゲストスピーカとしてSDGsの説明を行い、多くの分科会で目標達成のために様々な角度から討論を行われました。

MPJからはサックス教授のお招きで理事長の鈴木りえこが参加し、引き続きSDGs達成のためにサックス教授らとともに協働していくことを確認いたしました。


【写真】コロンビア大学での会議にて。左から2人目が理事長の鈴木。
右隣にイリーナ・ボコバUNESCO事務総長、サックス教授、男性をはさんで右にポスト2015アジェンダ担当特別顧問のアミーナ・モハメッド氏、ヤン・エリアソン国連副事務総長。

マラウイ洪水被災者への食糧贈呈式&配布を行いました!

配布物資をもちかえる人々7月から着手しているマラウイ洪水被災者支援活動は、9月4日に食糧贈呈式を、翌5日に1370世帯への食糧配布を無事に終えることができました。物資調達から被災者への食糧配布までをご報告いたします。

食糧支援を行うゾンバ県北西部のクントゥマンジ(Kuntumanji)地域での事前調査を終え、私たちは県議会議員のTambalaさんにまず1000世帯分の配布者リストをいただいて一旦首都リロングウェに戻り、配布物資の調達に取り掛かりました。配布する食糧は1世帯1か月あたり、メイズ(マラウイの主食の白トウモロコシ)50kg、豆10kg、スーパーシリアル(子ども用の栄養食)6kg、ベジタブルオイル1.5リットルです。1000世帯分のメイズ50t、豆10t、スーパーシリアル(子供の栄養食)6t、ベジタブルオイル1500リットルそれぞれの見積もりを4社に依頼、各社から見積もりを検討し、メイズと豆はミレニアム・ビレッジMwandamaから、スーパーシリアルはRab Processors様(食料品や農業用品を扱うマラウイ財閥企業)から、ベジタブルオイルはOVOP様(一村一品運動)から買い付けることになりました。見積もりから予算内で、当初の予定の1370世帯分を何とか配給できることを確認し、改めて370世帯分のリストをいただきました。

MVのメイズと豆発注先の皆様には、今回の食糧支援活動にご参加いただいたことで大きな意味と成果があったと伺いました。ミレニアム・ビレッジは、今まで支援を受けていた側の人々が、同じゾンバ県で起きた洪水災害被災者の支援に関われたこと。スーパーシリアルの発注先Rab Processors様は、MPJの活動に賛同し、共に活動したいという希望があったこと(現会長のJakhuraさんはマラウイ国内で多様な支援活動を行っているGift of The Givers南アフリカNGOマラウイ支部の代表)。ベジタブルオイルは、現在日本の支援で行われているOVOPのオイル生産グループから、現在できる限りのオイルを生産・供給し、その運送にはJapan Auto Limited(軽トラをはじめ日本の中古車を販売する日本企業)様にご協力いただき、All Japan体制で取り組むことができたということなど、この支援活動に対してそれぞれの熱い想いを詰め込んだフードバスケット(食糧支援物資)ができあがりました。

配布の日程が決まり、在マラウイ日本大使館はじめ、関係各所に贈呈式のご案内をさせていただきました。災害対策局(DoDMA)局長(Director)のMs.Scholastica Chidyaongaには、現在の被災地の状況や今回の活動においてマラウイ側にも多大な協力をいただていることをご報告したところ、ぜひ列席したいと言っていただきました。

その後再びゾンバ県に入り、物資調達の最終調整や贈呈式の準備など行いました。式典直前まで物資の調達・配送・式典セッティングなどいろいろと大変でしたが、日本とマラウイ全スタッフが総力をあげ、何とか無事式典当日を迎えることができました。

3-4_食糧を渡す西岡大使9月4日(金)の贈呈式には、在マラウイ日本大使西岡閣下をはじめ、災害対策局局長Ms.Scholastica Chidyaonga、ゾンバ県、ミレニアム・ビレッジ、OVOP、Gift of The Giversの皆様からご列席を賜り、来賓の皆様の心温まるスピーチやクントゥマンジ地区の皆様の喜びのダンス&劇、西岡大使による食糧支援物資の贈呈に加えて、チランガ小学校(Chilanga primary school、今回の配布拠点)への美智子皇后陛下の英訳された本3冊とパイロット社様からのボールペン1000本の贈呈など、とても充実した式典を執り行うことができました。翌日にはその模様がMBC TV(マラウイ国営放送)で放送され、新聞&ラジオ各社も支援の様子を報道し、マラウイの皆様に日本の活動や日本のマラウイへの想いを知っていただく良い機会となりました。

3-5_食糧配布をするボランテ私たちは、マラウイ政府、ゾンバ県と協調しながら、日本の顔の見える支援を最も必要とする方々の元へ届けたいと願って活動を行いました。そして、この想いは私たちだけのものではなく、この活動に関わっていただいた日本とマラウイ双方の皆様の共通の想いとなりました。短い期間ではありましたが、強い信頼関係を築き、自分たちのできることをお互いに協力しながら行えたことは、今後の日本とマラウイの関係つくりにおいてとても意味があったのではないかと感じました。

配布スタッフ食料の配布後、マラウイの人々から台風18号での洪水被害を受けた日本の皆様へ「私たちもとても心配しています。日本の皆様に早く平穏な日が訪れますように。」というメッセージを受け取りました。このような関係が継続していけるよう、活動を続けていきたいと思っています。

アフリカ留学生奨学金を支給しました

受給者に奨学金を渡す理事長ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)では今年度から、日本で学んでいるアフリカ系の学生に対して、奨学金を支給するプログラムを開始しました(募集要項はこちらをご覧ください)。

初回となった今年の受給者は、厳正なる審査の結果、ナイジェリア国籍のシドニー・ラブリーリリーさんに決定いたしました。彼女はご両親がアフリカ出身ではありますが、日本で生まれ育ったという経歴をお持ちです。ですから、もちろん日本語はネイティブ。家族とは英語で会話し、現在アメリカの大学の日本キャンパスに通っているということもあって、英語もネイティブというバイリンガルの学生です。
そのスキルを活かし、MPJが海外のVIPをお招きしたパーティーでは、日英両言語で司会を務めてくださいました。
現在は国際関係学を中心に勉強されており、近い将来はグローバルにいろいろな国で働きたいという夢をお持ちですが、ゆくゆくは自分のルーツであるアフリカと、生まれ育った日本の橋渡しができるような仕事に就きたいそうです。

MPJでは、これまでユースの会の学生とともに、アフリカと日本の交流を深めるための活動を続けてきました。今後、相互の関係が、経済面、政治面でより深いものとなっていくことを見据えると、ラブリーリリーさんのような、ナイジェリア人として生まれ、日本人のように育ってきた、アフリカと日本両方のことが理解できる方にもっと勉強をしてもらって、アフリカと日本を強固につなぐ人材となってくれることを願っています。

MPJユースの会
副代表
土屋潔浩

【プレスリリース】マラウイ洪水被災者へ食糧支援・贈呈式を実施

MPJでは、アフリカ南東部になる最貧国の一つ、マラウイ共和国にて本年1月に起きた大洪水の被災地へ、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受けて食糧支援を行います。

マラウイでは1月半ばに大洪水に見舞われ、マラウイ政府による非常事態
が宣言されました。MPJでは、ミレニアム・ビレッジの事務所があり、かつ、半年以上を経た現在も回復の見込みが困難で、まだ支援活動が十分に行われていないゾンバ県にて支援活動を行うことにいたしました。

詳しくは、こちらのプレスリリース20150824マラウイ災害支援活動をご参照ください。
参考:活動地域(JPFホームページ)

マラウイ洪水被災現場へ事前調査に入りました

半倒壊の家と家族首都リロングウェでの国連世界食糧計画(WFP)や日本大使館、JICA、マラウイ災害対策局への訪問、ミーティングを終え、いよいよ私たちは被災地の現場に向かいました。(写真左:被災家族への聴き取り調査の様子。家は壁を半分壊され、草で応急処置している)

マラウイの今年1月の洪水は全28県中15県にわたり広範な被害をもたらしましたが、とくに雄大なマラウイ湖から唯一流れ出るシレ川流域や、アウトフローを持たないチルワ湖岸にあるマラウイ南部の4県(ンサンジェ県、チクワワ県、パロンベ県、ゾンバ県)には被害が集中しました。その中で私たちが支援に向かったのはゾンバ県。ミレニアム・ビレッジのひとつ、ムワンダマ村がある県です。この3月にMPJユースの学生10名とともに訪れた際、ゾンバのみなさんはとても温かく迎えてくださいました。いまは、少しでもその恩返しができれば、との思いです。

ゾンバ県知事とゾンバはリロングウェに遷都する前の旧都で、首都リロングウェから車で5~6時間南に走ったところにあります。朝から走り続けて午後3時ようやく県庁に到着すると、事前にメールで連絡を取り合っていた災害対策局担当官のFlorenceさんとゾンバ県庁の事業調査・評価担当官のEricさんが出迎えてくださいました。早速今後の方針についてミーティングを行いました。到着時は外出のためご挨拶ができなかったNkasala県知事とはEricさんが翌朝早々調整してくださり、表敬訪問を果たすことができました(写真右:ゾンバ県庁にて)。

そして、ミレニアム・ビレッジの事務所にも顔を出し、コミュニティー担当として現場を取り仕切るJosephさんと再会しました。Josephさんには3月にもお世話になっていて、ミレニアム・ビレッジへの訪問・ビレッジステイを調整してくださっています。ただ今回は、ご挨拶だけではなく大切なお願いをしに行ったのです。かつて日本政府の支援で開始されたムワンダマは、いまでは農業生産が向上しWFPに支援食糧を供給するほどになっています。そこでWFPからは今回の支援食糧の調達先のひとつとしてミレニアム・ビレッジを推薦されていました。加えて、支援の配布のためにはチームで一緒に活動してくれる有能なスタッフが必要です。Josephさんはその2つのお願いに対して、すぐに調整に入ってくださいました。ミレニアム・ビレッジとの強固な絆を再認識し、とても有難く感じられた瞬間でした。

立ち枯れたメイズ畑今回私たちが食糧支援に入るのはゾンバ県北西部のクントゥマンジ(Kuntumanji)という地域で、先述のアウトフローをもたないチルワ湖岸に位置します。災害対策局およびゾンバ県庁によると、いま最も食糧支援が求められている地域がこのクントゥマンジなのです。舗装道から奥へオフロードを進むと、家や畑を流された後の野原が見えてきました。畑は、洪水で流されてしまった後に耕作をし直したものの、一転襲いかかった少雨のために立ち枯れてしまった所も多く見られました(写真左:枯れてしまった主食のメイズ(白とうもろこし)畑)。

土地を追われた家族お年寄りへのヒアリングさまざまな場所を手分けして訪れ村人のみなさんのお話を伺うなかで、着の身着のままの老人や家を失い草でつくった仮の家に住まう家族(写真右)、離婚してなお多くの子どもを養う母親など、さまざまな苦しい立場に置かれた人びとに出会いました。
マラウイ政府は、第一にこうした高齢者、子ども、孤児、社会的弱者へ支援を届けることを基本方針としています。私たちは、マラウイ政府、ゾンバ県と協調しながら、日本の顔の見える支援を最も必要とする人たちの元へ届けたいと願っています。

洪水被災者支援のためマラウイに入りました!

MPJとMPJユースの会は、この3月に、サハラ砂漠以南アフリカ南東部内陸部の最貧国(一人当たりのGNI:270米ドル*)2013年:世銀)であるマラウイ共和国を訪問しました。(MPJユースのマラウイ研修報告(1)(2)(3))その際、私たちは今年1月に起きた大洪水の被害から被災地がいまだ立ち直っていないことを知りました。日本は政府としてすでに、国際協力機構(JICA)を通じ、1,900万円相当の緊急援助物資(テント、毛布等)を供与していますが、日本のNGOとしてもなにかできることはないかと考え、3月末にはジャパン・プラットフォーム様に出動趣意書を提出し、MPJもマラウイ支援に向けて準備を進めておりました。

WFPの方とそして少々遅くなりましたが、この度7月30日、食糧支援のため2人のMPJスタッフ(伊藤正芳、田村美津子)がマラウイに入りました。早速、WFPマラウイ事務所を訪問し、今後のMPJの食糧支援活動について話し合いました。WFPマラウイ事務所の所長は日本人の牛山ココさん。そして、青年海外協力隊員の張本ゆわさんも、ここで活躍しています。WFPでは1月の洪水に加え、ここ数年のエルニーニョ現象の影響で深刻な干ばつが続き、いまは2001年の食糧危機の再来を想定していることを伺いました。

日本大使館にて続いて、在マラウイ日本大使館やJICAマラウイ事務所にも表敬訪問をいたしました。じつは、伊藤も田村もマラウイでの青年海外協力隊員の経験があり、大使館でもJICAでも温かく迎えていただきました。そして西岡大使からは、政府間の支援に加えて、民間NGOによる支援が入ることの重要性について強調をされていましていただきました。私たちも、協力隊のときから培った「顔の見える支援」に多少なりとも寄与したいと心を新たにしました。

災害対策局にてそして最後にマラウイ災害対策局(Department of Disaster Management Affairs)にも伺い、これから向かう被災地現地での連携について相談をしました。温かく出迎えていただいたPrincipal Relief OfficerのFyawmpi Mwafongoさんは、ゾンバ県知事との面会から具体的な物資の輸送などの実務面においても、すみずみまでサポートを申し出てくださいました。彼は日本にも研修で訪れたことがあり、「Arigato-Gozaimasu」と日本語で語りかけてくださいました。私たちにとっても、心強い限りです。
マラウイは「ウォーム・ハート・オブ・アフリカ」といわれる平和なひとびとの国です。このアフリカの友人に対して、日本もオール・ジャパンで援助活動を行い、ますますの相互理解と交流を深めていきたいと、私たちは願っています。


【写真上】WFPマラウイ事務所にて、牛山所長(左)、青年海外協力隊員として入っている張本さん(右)と、MPJスタッフの田村(中央)
【写真中】在マラウイ日本大使館にて、西岡大使(中央右)と坂本一等書記官(中央左)を囲んで
【写真下】災害対策局にて、Principal Relief OfficerのFyawmpi Mwafongo氏と


*出典:世界銀行、2013年。

玉川学園にて理事長の鈴木が講演しました

講演する理事長
去る7月17日、玉川学園(東京・町田市)にてMPJ理事長の鈴木りえこが講演いたしました。
玉川学園は、2014年から将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図るスーパーグローバルハイスクールとして文科省の指定を受けている学校で、国際的な私学連盟「ラウンドスクエア」が開催する高校生の国際会議にも参加しています。今回は、その国際会議を模して生徒主催で行われた校内企画「たまがわ会議」の場に講師としてお招きいただきました。
”Act today, change tomorrow”というテーマで行われたこの会議には、夏休み中にも関わらず、グローバルな課題や国際機関でのキャリアに関心を持つ50名程の同校や他校の高等部・中等部の生徒さんが集まり、熱心に講演を聞いてくれました。

鈴木理事長はミレニアム開発目標(MDGs)の成果やミレニアム・ビレッジ等の現状を紹介しながら、アフリカの人々の生活や子どもの教育環境などについて、アフリカでの体験エピソードを加えて皆さんにお伝えしました。
ディスカッションの様子講演後は、生徒の皆さんがグループに分かれてディスカッションしました。講演から感じたことや学んだことを話し合い、問題解決に向けて何ができるかをグループでまとめ、皆の前で発表します。ある生徒さんは、アフリカでは携帯電話での送金システムが普及していることを初めて知り、テレビニュース等で貧しいアフリカとして伝えられるイメージだけでは偏りがあると気づき、自分で知ることが大切だと感じたと話してくれました。アフリカの貧困層が抱える問題について、女の子が学校へ通えるようにするには?若者が貧困のために武装グループに参加するのを防ぐには?など、個々の問題のつながりを考え、自分たちにできることは何か、どのように解決できるか、活発な議論が行われました。

参加したのはほとんどが女子生徒でしたが、少数派(!)男子生徒も含めて、将来は開発援助の分野で活躍してくれる人が育つことを祈っています!

第28回MPJ研究会のご報告(JICA中村様ご講演)

講師中村氏皆さんこんにちは!MPJユースの会代表の福谷です。
少し前になりますが、6月30日、文京シビックセンターで行われた第28回MPJ研究会にて、JICAアフリカ部の中村恵理様にお話を伺う機会を得ました。

中村様は現在独立行政法人国際協力機構(以下JICA)のアフリカ部にてケニア・ソマリア向けの協力を担当されています。今回は中村様がこれまで経験されてきた南スーダン、ダルフール(スーダン共和国)、ケニアなどでのお話を中心に聞かせていただきました。以下では、中村様に頂いたレジュメの国別のテーマに沿ってお話を紹介します。


1.国家建設のダイナミクスと長い長い道のり@南スーダン
2011年に独立を果たした南スーダンでは、新しい国家を建設していくためのインフラ整備の重要性を実感されたそうです。道が無ければ人も資材も地方へ届けることは出来ず、その事態の深刻さを、現地の様子を映した写真で私たちも感じることができました。また、紛争終結直後の混乱した社会の中で、内戦の再発を防ぐには、平和の配当を地域や部族の偏りなく、幅広く実感してもらうことが重要です。そのためにJICAは若者の職業訓練や、小学校の先生の再トレーニングといったプログラムを通じて、人々が生活費を得るために再び紛争に加担してしまうことを防ごうとしています。こうしたJICAが実施するプログラムは、「その国が最低限機能するために最低限必要な機能とは何か?」という観点から、現地と必要な機能を役割分担しながら進められています。特にJICAは、その中でも中長期的な事業に強みを持ち、農業開発などの援助事業を行っています。

2.民間セクターこそが開発の担い手@ダルフール(スーダン)
ダルフールに関しては、紛争影響下ではありながらも、日常の生活を送る市井の人々の様子を写真で見せていただき、意を突かれた思いでした。歴史的に、ビジネスが得意な国民性で、人々はハイリスク・ハイリターンの商業取引を行っていますが、今後の発展を考えると、現地での雇用を生む民間セクターをいかに伸ばしていくかが重要だということでした。

3.東アフリカの大国の見据える未来@ケニア
東アフリカ5カ国の玄関口であるモンバサ港を抱えるケニアでは、港湾整備や日本の商社と協同での地熱発電所の建設を通じて、更なる経済成長が促進されています。また、そうした成長の成果を全国民と分け合うという観点から、日本の国民皆保険制度の実現に向けた体制整備のための技術協力も行っています。そうした経済成長の一方で、ケニア国内にはソマリアからの難民コミュニティもかなりの数が形成されており、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と協力しての物資の支援も行われています。

現在、中村様はケニア・ソマリア向けの協力を担当されていますが、ソマリアは依然としてテロ組織の活動が沈静化しておらず、安全確保が難しいため現地に行かれたことは無いそうです。現在JICAによる面的な展開は行えておらず、今後は他の国際機関との協力や日本での研修事業を通じて、若年層が海賊やテロ組織に参加してしまわないよう、雇用の機会を提供していくことが重要になります。

また質疑応答の時間では、アフリカにおける中国の進出に関して、日本とは異なる援助方式であることについて、それぞれの国の強みを生かして上手くお互い利用し協力し合えればいいというお話があり、今後の国の援助機関同士の協力の重要性を感じました。

一括りにアフリカと言っても、現在も内戦状態の国もあれば、ケニアのように大統領自ら「もう援助は不要だ」というような発言をするほどに発展し、自信をつけてきた国もあるということを今回お聞きし、改めてアフリカでの国際協力の複雑さを実感しました。

個人的には、このようにアフリカの中でも特に大変な現場を多く経験されてこられた中村様ですが、ご本人は非常に穏やかな方で、その後の懇親会等も通じて、相手の意見に耳を傾けてお話されることを大事にされている印象を受けました。そしてそうした姿勢こそが、多くの援助機関や関係者と協力して援助計画を作り上げていく国際協力の現場では、最も重要な要素なのではないかと感じました。


中村様 プロフィール
独立行政法人国際協力機構(JICA)のアフリカ部にてケニア・ソマリア向けの協力を担当。国際協力銀行(インド向けのインフラ開発及び民間企業向けの海外投融資業務を担当)、JICAスーダン事務所(若年層向けの職業訓練や農村開発の事業を担当)、世界銀行民間・金融セクター開発局(南北スーダンの民間セクター開発を担当)を経て現職。

MPJユースの会
代表 福谷佳苗