ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)

極度の貧困は根絶できるはずだ
私たちの孫の時代ではなく、
私たちの世代のうちに
極度の貧困は根絶できるはずだ  私たちの孫の時代ではなく、私たちの世代のうちに

Blog-Archives

【メッセージ】ジェフリー・サックス教授からのメッセージ ②

ミレニアム・プロミス・ジャパン特別顧問ジェフリー・サックス教授からメッセージが届きました!JS MasterHeadshot_low

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エボラ出血熱への対応策

ジェフリー・サックス  2014年8月11日


 ニューヨークから ― 少なからず西アフリカの4カ国(ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア)で猛威を振るうエボラ出血熱の更なる感染拡大を防止すべく、迅速な対応と世界における公衆衛生に対する基本的前提を考え直すことが求められている。私たちは、新興・再興感染症が国際ネットワークを通じて急速に広がる時代に生きている。それゆえに、その現実に見合った世界規模の感染予防体制が必要だ。幸いにも、その体制の実現は適切な処置をとれば手の届く場所にある。

 エボラ出血熱は、エイズ、SARS、H1N1型、H7N9型インフルエンザなどと共に、近年流行しているものの中で最も新興的なものである。ここに挙げた中でも、エイズは最も多くの犠牲者を出し、1981年以来3600万人に及ぶ人々の命を奪っている。

 無論、これよりも危険で突発的な感染流行が起こるとも考えられる。例えば第一次世界大戦中における1918年のスペインかぜは、(戦争そのものが奪った命の数よりも遥かに多い)5000万から1億の命を奪った。2003年のSARS大流行に対しては封じ込めが行われ、死者は1000人以下に抑えられたものの、これにより、中国経済をも含む東アジアにおける数カ国の経済は崩壊寸前にまで陥った。

 エボラ出血熱や他の流行病について必ず知っておきたいのは次の四点である。一点目は、殆どの新興感染症は動物原性感染症であることだ。つまりこれらの感染症は動物個体群に端を発し、人体に感染するものに突然変異することもあるということだ。エボラ出血熱はコウモリから伝染した可能性があり、HIV/エイズはチンパンジーから、またSARSは中国南部における動物市場にて取引されたジャコウネコに端を発した可能性が極めて高いと考えられている。さらにH1N1型やH7N9型のようなインフルエンザの菌株は野生動物および家畜動物の中における遺伝子組み換えから生じた。人類が(かつては遠く離れていた森林地域のような)新たな生態系に介入し、食品産業がより多くの遺伝子組み換えの条件を造り出し、さらには気候変動によって生物の生息地や種間の相互作用が混乱してしまえば、人類が新たな動物原性感染症に接触するのは避けられない。

 二点目は、いったん新たな感染症が現れると、空路、海路、巨大都市や動物製品の売買を通じて極めて急速に拡大する可能性があるということだ。これらの流行病は人間社会がグローバル化していることの証であり、その死の連鎖を通じて、広がりゆく人と物の行き来によってこの世界がどれほど脆弱になってしまったかを露わにする。

 三点目は、被害を最初に受け、最もひどい影響を受けるのは貧困層だということである。田舎地域の貧しい人々は感染力を持った動物に一番近いところに住んでいる。その地域の人々は狩りを行なって野生動物の食用肉を食べることが多いので、ウイルスに感染しやすくなっているのだ。貧しい人々は概して文字の読み書きが不自由で、どのようにして感染症 ―特に馴染みのない病― が広まるのかを総じて知らない。そのために自らへの感染および他人への伝染の可能性が高まってしまう。その上、栄養が乏しく基礎的な医療サービスを利用できないので、彼らの免疫システムは、栄養状態が大変良く、適切に処置を受けられる人であれば凌ぐことのできる感染症に対しても簡単に屈してしまうのである。また、流行病に対する適切な公衆衛生的対応(感染した人の隔離、接触者の特定、監視など)を確実に実施できる医療従事者がいたとしてもその数がごく少数であるという脱医療化現象のせいで、最初の大流行がより深刻なものとなってしまう。

 最後の点は、必要とされる医療器具、有効な薬品およびワクチンをも含む医療対応が、新興感染症よりも遅れをとるのが避けられないということだ。いずれにせよ、そのような道具は継続的に補給されなければならない。そのためには、最先端の生物工学、免疫学、そして最終的には何百万人分ものワクチンや広範囲の流行に備えた薬品等の大規模な産業的な対応が必要である。

 例えば、エイズ危機により、何百億ドルもの資金が研究と開発に費やされ、産業界は救命用抗レトロウイルス薬を国際的規模で生産することに多大なる努力をした。しかしながら、進展を果たすごとに病原菌の突然変異は避けられないので、治療法が有効でなくなるのである。完全な勝利など存在しない。存在するのは、人類と病原体との間のせめぎ合いのみである。

 果たして、エボラ出血熱や新興の致命的なインフルエンザや、病の転移を早めるHIVウイルスの突然変異種、あるいはマラリアや他の病原菌の新たな多剤耐性菌への進化に対して、世界は準備ができているのだろうか。
答えは「NO」である。

 公衆衛生への投資が2000年以後に顕著に増加して、エイズ、結核、マラリアとの闘いにおいて注目に値するような成功につながったにも関わらず、近年では必要量に対する公衆衛生にへの支出は国際的に著しく不足している。ドナー国は、新たに発生し今も続く困難を予期して十分に対応できなかったために、WHO(世界保健機関)に予算規模の大幅な縮小を強いることになった。一方で、エイズ・結核・マラリア対策世界基金のための資金も、これらの病に対する闘いに勝利するために必要な額に全く届いていない。

 ここに緊急に行なわなければならないことを明記しておこう。一点目は、アメリカ、欧州連合(EU)、湾岸諸国、東アジア諸国が、WHOの先導下で、当面の間、さらなる拡大に対して備える中で、おおよそ5000万から1億ドルという額の初期段階で現在のエボラ出血熱の流行に柔軟に立ち向かえる基金を設立すべきだということである。これにより目下の困難に対処できるほどの迅速な公衆衛生的対応が可能となるであろう。

 二点目は、グローバルファンドを低歳入国家のための国際保健基金とするために、ドナー国は国際基金の予算と権限の双方を迅速に拡大させる必要があるということである。その主たる目的は最貧国が基礎的な医療制度をスラム街や田舎の全コミュニティーに成立させるのを助けること、つまりユニバーサル・ヘルス・カバレージ(UHC)の構築であろう。最も緊急を要する事態はサハラ以南のアフリカと南アジアに存在し、これらの地域では衛生状態や貧困が最悪の状況下にあり、予防かつ制御可能な病が未だはびこり続けている。

 とりわけ、これらの地域では病気の症状の把握と監視を行ない、診断および適切な処置を実行できる医療従事者がコミュニティー内で新たに養成され配置されるべきである。年間たった50億ドルの投資で全てのアフリカのコミュニティーに十分に訓練を積んだ医療従事者が配置され、人命救助的な介入を行い、エボラ出血熱のような衛生に関する緊急事態に有効に対応できるようになるだろう。

 最後の点は、高歳入国家は国際的な疾病監視、WHOによる普及活動能力、そして20世紀を通して人類に一貫して大いなる利益をもたらしてきた人命救助につながる生体医学研究へ継続して十分な投資をしていかなければならないということである。国家予算が緊縮しているが、財政を理由に、私たちの生命そのものを危険にさらすのは無謀なことであろう。



www.jeffsach.org
www.earth.columbia.edu/mpv




この英文は学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校様のご協力により、学生の方に翻訳していただきました。
[翻訳ボランティア] 
学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校
国際ビジネス学科 総合英語コース<翻訳専攻> 1年
増田果穂様、山内勇樹様
ありがとうございました!



【メッセージ】ジェフリー・サックス教授からのメッセージ ①

ミレニアム・プロミス・ジャパン特別顧問ジェフリー・サックス教授からメッセージが届きました!JS MasterHeadshot_low

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忘れられたミレニアム目標である初等教育の普及

ジェフリー・サックス  2014年6月22日


 極度の貧困との闘いの中、私たちは難題に直面している。2000年に国連ミレニアム開発目標が制定された際、これには保健および教育的目標が含まれていた。保健目標に関しては金銭的な意味も含め勢力的に行われ、成功を収めた。一方で基本教育に関しては失敗に終わった。アメリカ政府や各国政府は考えるまでもない課題を途中で放棄したのだ。

 目標を制定した際、私は前国連事務総長コフィー・アナンと共に世界エイズ・結核・マラリア対策基金の設立支援に取り組んだ。皮肉を言う人の中にはよくあるワンパターンな反対をする者もいたが、その世界基金もアメリカの新たなプログラムでもあった大統領エイズ救済緊急計画(PEPFER)や大統領マラリア・イニシアチブも数十億ドルを集めた。15年程が経過し、これらのプログラムは強固に機能しており、援助は期待通り機能し、疾病は抑制されている。

 一方で教育における類似の基金の設立は不可能であった。教育の普及を推進するという考えは政策的に孤立し、疾病抑制の時と同等のレベルの投資家の関心を集めることは出来なかった。もちろんわずかな援助でも数百万人の子どもたちが学校に通えるようにはなったが、資金不足により学校では教育用具や経験を積んだ教師、安全な水さえも足りないことが度々あった。そして依然として数百万人の子どもは学校に通えていない。

 なぜ違いが生まれたのか。私は10年間困惑してきた。このようなことになったのは、健康の危機、生きるか死ぬかといったようなことの方が教育よりドラマティックであるからなのか。製薬業界が健康への関心を広めるのに一役買った一方で、民間セクターがグローバル教育に関心を示さなかったからなのか。あるいは世界の指導者たちが単に必要な努力をしなかっただけなのか。

 それにしても、赤面してしまう程の資金不足のせいで、多くは紛争地域に住んでいる何千万の子どもたちが学校に通えないというのは不条理で、とても深刻なことである。今、貧しい子どもたちを教育しなければ、数十億ドルを費やしてボコ・ハラムやアルカイダの一員となった彼らと再会するということもありえるのだ。

 来る6月26日の木曜日(訳注:2014年6月22日執筆時点)、私たちはこういった現状を変え始めることができる。政府や団体がブリュッセルに集まり、世界における最貧困層の子どもたちへの初等教育に対する財政的コミットメントを再確認する。主要な支持グループ、「教育のためのグローバルパートナーシップ(GPE)」は世界が一歩踏み出して援助をしなければ、読み書きが出来ず、数字が分かるようにならない子どもたちを支援する。GPEは現在、増資交渉において4年間に渡り35億ドルを求めている。これは概算で先進国の1人につき1ドルを出資するのに相当する。これ以上優良な投資を考えるのは難しい。

 この案は朝飯前のはずなのだが、そうはいかない。現在のところアメリカが2年で2.5億ドルの寄与要請に応じる保証はない。そもそも、アメリカ国防省が2時間で使ってしまう1.25億ドルを1年毎にワシントンに懇願する必要があるのだろうか。公衆衛生のように、教育関係の寄付も用品や教員研修や教員配置、教室や水道や衛生システムなどのインフラ設備といったように財源から使用までをたどるのが容易い。GPEは被援助国に対して計画と数値的、および段階的目標を定めるよう求めているが、それは子供たちの利益となる健全で妥当な管理であり、難しいことではない。

 しかし、本交渉ではより高みを目指すべきで、まさに21世紀にふさわしい教育実現への国境を越えた尽力が必要となる。現在私たちはおよそ6000万人の子供たちに初等教育を提供することに取り組んでいるが、それだけでなく、教育の機会を持たない数億人の子どもたちへの中等教育の保障も目指すべきである。

 また特に女性教育に力を注ぎ、少女たちが10代で結婚を強いられるのではなく、中等教育を修了し、労働力となり得るような技術を習得できる、あらゆる機会の確保に尽力するべきである。女性を教育することは地域コミュニティーを変え、その恵みは次の世代、母から子へと継承されていく。

 仲間たちと私は、通信会社の第一線を行くエリクソン社と共同でConnect To Learnと呼ばれる、まさにそのようなプロジェクトをすすめている。目標はアフリカの貧しい村々にいる少女たちが高校を修了できるよう、通信技術を使うことだ。これらの地域の学校には本はほとんどないが、Connect To Learn教室はオンライン教材を備え、少女たちはそこから多くの情報を得ることが出来る。携帯電話での支払を可能にし、銀行システムという段階を飛び越えた村落のように、貧しい村々のコミュニティーも通信技術を用いて教育面で飛躍を遂げるかもしれない。

 もちろんConnect To Learn、そして関連するイニシアチブを桁違いに拡大して、数百数千ではなく数億人もの子どもたちに届くようにしなければならない。そのためには、通信やSNSの大手企業、国家、個人の寄付、その他多くの協力が必要である。それらの財源を柔軟かつ創造的な教育基金に投資してもらうこと。以上が今週(訳注:2014年6月22日執筆時点)ブリュッセルで我々が目指す目標である。


www.jeffsachs.org
www.earth.columbia.edu/mvp



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[翻訳ボランティア]
学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校
国際ビジネス学科 総合英語コース<通訳専攻・翻訳専攻>1年
川原愛美様、菅原和華奈様、友長理良様、吉田葵様
ありがとうございました!



ミレニアム・ビレッジからレポートが届きました! ②

~ミレニアム・ビレッジでの読み書き向上ワークショップ~
Alia Karim からの報告


3

















 9月下旬、ニューヨーク、マラウイ、ルワンダ、タンザニア、ケニアからミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(以下MVP)のメンバーがマラウイのムワンダマで行われたMVPのワークショップに参加し、子どもたちに基本的な読み書きの知識を教えていく方法について、意見交換を行った。このワークショップには、地区教育部長とセイント・アンソニーとナマディ地帯の初等教育アドバイザー2名や地元の提携機関であるSave the Children とRTI(訳注:米国の非営利研究機関)の低学年向きの読書活動推進オフィスなどのゾンバ地方の子供たちに読み書きを教えることに焦点を当てている現地の機関の代表者も参加した。

 認知心理学者で世界銀行の識字専門家であるヘレン・アバジ氏は基本的な読み書きを現地の言葉で教える彼女の方法の基となる科学的研究を発表したが、この彼女の方法に基づいて村の学習センター(以下VLC)のパイロットが2014年6月に開始したのである。ワークショップ参加者たちは基本的な読み書き教育の方針について議論し、自らの経験から学んだ教訓を共有し、考えを出し合った。基本的な読み書きを教える教育において、文字の名前より文字の発音に焦点を置き、流暢さをもたせるために文字を解読し、読むという練習にもっと力をいれるべきだということに参加者全員が合意した。


4 ワークショップ参加者たちはムワンダマを訪れ、Community Education Workersと呼ばれるボランティアたちが上記の方針に基づき、彼らのVLCで読み書きを教えた経験について、彼らと共に話し合った。(左写真を参照)
 ワークショップ二日目では、参加者全員がVLCを訪れ、実際の授業の様子を見学し、この活動の長所と、また、現在、ムワンダマで行われている読み書きの指導の改善すべき点について詳細に議論を交わした。またマラウイチーム(訳注:ムワンダマMVPを担当している現地組織)は、1単元に1つの文章が紹介され、リーディングの練習のための追加の文章や、データ収集方法、プログラムを実施するにあたってのガイドラインも掲載する教科書作成の具体的な詳細ついても発表した。MVPの教育部門が教育の質を高めることや学校に通っている生徒たちが基本的な読み書きのスキルを身につけていけるよう保障することにより一層の焦点を当てていくに従って、ゆくゆくは小学校低学年から国語(キニアルワンダ語、スワヒリ語)政策が取り入れられている、ルワンダ、タンザニア、ケニアなどの地域でのMVPにおいても、このリーディング力を向上させるための取り組みは採用されていく可能性があるだろう。



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張平欣様、築山杏奈様、長尾友莉子様
ありがとうございました!



ミレニアム・ビレッジからレポートが届きました! ①

~ガーナのミレニアム・ビレッジにおける地域密着型の教育サポート~
Sarayu Adeniからの報告


1


















 子供を育てること、そして学校を建設することは地域全体の協力が必要である。ガーナのBonsaaso村における教育のイニシアティブは主としてミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)によって行なわれているが、いくつかの地域は独自の方法でこの事業を支援している。


 それらの地域による貢献で最も一般的なものは、教室や教師の宿舎、管理事務所、キッチンなど、学校施設の建設である。PTAは自治会の会議で会費を集めたり、寄付を受け入れたり、その地域の金鉱山会社から使用料を請求したりすることで、資金を工面した。資金を使い切る前に事業を終えることが出来なかった地域もあるが、学校建設を優先させ、それを統制することができた地域もあった。MVPはそれらの地域と共に未完成の建設事業のための解決策の模索と資金提供を続けている。


 ある地域では、他の地域から危険な道を通り学校へ通っていた生徒や教師を受け入れるため、二部屋ある幼稚園が建設された。また別の地域では、進みの遅い教室拡大事業の屋根や床の工事を終わらせるために、MVPは現物支給を申し出た。


2

 Bonsaaso村屈指のココアやプランテンの収穫率を誇るApenimadi学校農場の外でMVPの教育責任者はそこの教師と話をした。
 Bonsaaso村の学校にとって、農場と農園はもう一つの収入源である。保護者、地域の人々、そして生徒たちは学校の所有地の中の小さな区画を耕すために時間を費やしている。ココアなどの換金作物は学校備品を購入する資金を捻出するために売却される一方で、プランテンや他の特産物が学校での食料支援の一助となっている。


 全体的にみれば、学校のまわりの地域住民は食料支援委員会とともに、学校農場の収穫を手伝い、生徒の食事を作り、またはゆっくりだが確実に自分たちの子供が初等教育以上の教育が受けられるように資金を集めることで、自分たちを組織化する努力を行ってきている。


 低所得者には鉱山業と農業において経済活動を行う機会があるので、MVPの学校への参加を続けることは難しい。しかしこれらの小さな成功は、地域参加の教育への可能性を見せている。




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Sarayu Adeniはコロンビア大学国際公共政策大学院の開発行政修士生。彼女は2014年の夏に、ガーナのBonsaaso村で行われているMVPの教育部門で活動した。




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学校法人山口学園 ECC国際外語専門学校
国際ビジネス学科 総合英語コース<通訳専攻・翻訳専攻> 1年
黒住友愛様、杉野碧様、築山夏子様、野々原知賢様
ありがとうございました!



ケニア・MDGセンター、サウリ村(ミレニアム・ビレッジ)等を訪問しました!

 11月23日から約一週間、MPJ理事長・鈴木りえこと事務局長・伊藤正芳がケニアを訪問いたしました。これはデジタル・グリッド・ソリューションズ株式会社様や東京大学様、株式会社電通様等との共同事業である「デジタルグリッドを活用した地方電化及び新産業創出事業準備調査(BOPビジネス連携促進)」を行うためのものです。ナイロビでは、当事業のテスト店舗に加え、在ケニア日本大使館、JICAケニア事務所、コロンビア大学グローバルセンター内のMDGセンターを訪問し、当事業についてのご報告や意見交換等をさせていただきました。

JICAケニア事務所にて、江口所長はじめみなさまと会談

JICAケニア事務所にて、江口所長はじめみなさまと会談

MDGセンターにてセンター長Dr.Belayと会談

MDGセンターにてセンター長Dr.Belayと会談













 ナイロビを後に私たちはビクトリア湖畔の町キスムに移動しました。ここでもデジタルグリッド事業のテストの現場のほか、ミレニアム・ビレッジであるサウリ村も訪れ、当事業のさらなる可能性について探りました。ここは、最初にミレニアム・ビレッジ・プロジェクトが始まった村のひとつで、キスムからさらに車で40分ほど奥にあります。2005年のプロジェクト開始時には飢餓で苦しんでいたといいますが、プロジェクトのおかげでいまでは村人によるさまざま事業が立ち上がり、自立に向けて着実に歩んでいるように見えました。デジタルグリッド事業の担い手となりうる、意欲あふれる人たちもたくさんいます。
意欲あふれる商店事業者たち②意欲あふれる商店事業者たち①




         意欲あふれる商店事業者たち


 商業だけでなく、農業、淡水魚の養殖業といった第1次産業、乳製品加工業という第2次産業の分野にも、意欲あふれる事業者たちがいます。そこには、知恵と努力とコミュニティー内の相互協力で貧困から抜け出そうとする熱意がひしひしと感じられます。
トマトの温室栽培

トマトの温室栽培

ティラピアやナマズの養殖池

ティラピアやナマズの養殖池

ヨーグルト製造協同組間

ヨーグルト製造協同組間











 しかし、彼らの事業を脆弱にしている障害があります。電力供給の不安定さです。ヨーグルトの製造のためには、生乳を冷蔵したり、発酵中に一定の高温を保つ必要があります。ようやくの思いで電線を引き込み、せっかく設備を電化しても、不意に何度も起きる停電がそれを無駄にしてしまいます。また、トマトの温室では点滴灌漑で水の使用を抑えながら栽培する工夫がなされています。村全体の水道普及率はようやく1割程度で、水は水源まで汲みに行かねばならないのが普通。いずれにしても、とても貴重です。ただ、その農家にはせっかく水道が通っているのに、断水にみまわれることがあります。水道システムが電力に依存しているからです。これらの断片的なエピソードからも推し量られるように、開発途上国において電気を普及しようとすることには大きな意義があります。水、食料に加え、エネルギーが焦眉の急となっている所以です。その意味でも、開発途上国での地方電化を目指す日本発のデジタルグリッド事業を発展させていきたいものです。


 私たちの当事業に対する思いに、サウリ村ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトチームも応えてくれています。ここにはリーダーのジェシカさんを中心として、さまざまな開発分野の専門家が集っています。しかも彼らは現場をよく知っています。そこで私たちは、このデジタルグリッド事業でどのようにひとびとの役に立って裨益していくべきか、アイデアを出し合いました。私たちは彼らとの協働で、相互に恩恵を享受できるものと信じています。
サウリ村プロジェクトチームとのブレーンストーミング




          サウリ村プロジェクトチームとの
              ブレーンストーミング



 実際、このサウリ村のチームは、上述したように産業分野でさまざまな成果を出してきました。さらに例えば保健分野でも、2005年以来のプロジェクトによってHIV/エイズ罹患率を10%程度までほぼ半減させるなど、一手一手の着実な取り組みがひとびとの生活の向上につながっています。
エイズ母子感染プログラム卒業式に参加
 エイズ母子感染防止プログラム卒業式に参加






 そしていま、新たに取り組まれているのが観光業です。いまこの村では、風光明媚な自然環境とそこで育まれた文化という資産を活かして、エコ・ツーリズムを振興しようと準備を進めています。村の図書館には、伝統的な器具や楽器などを陳列した、ちょっとした博物館ができています。また、エコ・ツーリズム・サイトの整備も進んでいます。見晴らしのよい岩場など通りながらハイキングをしてみると、しばし日本での生活を忘れ、とても爽やかなよい気持ちになれました。2015年1月にはウェブサイトで情報発信できるよう、制作を進めているところだといいます。みなさま、ぜひいちどサウリ村のエコ・ツーリズムを検討されてみませんか?ここは、ひとと自然の調和のとれた素晴らしい場所ですよ。
エコ・ツーリズム・サイト

エコ・ツーリズム・サイト

エコ・ツーリズム図書館

エコ・ツーリズム図書館










シンポジウム報告書を公開しました

去る10月2日に行いましたシンポジウム「持続可能性とポスト2015年開発アジェンダの統合を目指して」の報告書ができあがりました。
これまで公開してまいりました記録映像では英語での発話部分に日本語訳がついておりませんでした。今回の報告書は日本語でまとめておりますので、どうぞあわせてご覧いただきお役立てください。


シンポジウム「持続可能性とポスト2015年開発アジェンダの統合を目指して」報告書はこちら
  シンポジウム「持続可能性とポスト2015年開発アジェンダの統合を目指して」報告書


なお、当日のプログラム詳細は、こちらのご案内ページをご参照ください。
            http://millenniumpromise.jp/archives/6541


また、こちらの記事もご参照ください。
シンポジウム開催ご報告 http://millenniumpromise.jp/archives/6571
記録映像1)基調講演  http://millenniumpromise.jp/archives/6884
記録映像2)有識者によるパネル・ディスカッション
   ~3)会場とのインタラクティブ・セッション~閉会
            http://millenniumpromise.jp/archives/6900

パネル討論等、シンポジウム記録映像続編を公開しました

1つ前のブログ記事で、シンポジウム「持続可能性とポスト2015年開発アジェンダの統合を目指して」の、サックス教授基調講演映像をご紹介しました。本日は、続編の、パネル・ディスカッション、会場の聴講者とのインタラクティブ・セッションの様子を公開いたします。ぜひご覧ください。
(こちらも通訳音声がございません。ご了承ください。)

「持続可能性とポスト2015年開発アジェンダの統合を目指して」記録映像
2) 有識者によるパネル・ディスカッション



3) 会場とのインタラクティブ・セッション~閉会



こちらの記事もご参照ください。
シンポジウム開催ご報告 http://millenniumpromise.jp/archives/6571
記録映像1)基調講演 http://millenniumpromise.jp/archives/6884

シンポジウムでのサックス教授ご講演記録映像を公開しました

去る10月2日に行いましたシンポジウム「持続可能性とポスト2015年開発アジェンダの統合を目指して」の記録映像が一部できあがりました。
今回公開の映像は、シンポジウムの冒頭からジェフリー・サックス教授の基調講演の部分です。少し長いですが、ご講演全体をご覧いただけますので、ご都合が合わずにお越しになれなかった方、ぜひご活用ください。なお、英語スピーチ部分は通訳音声がございません。ご了承ください。

現在、シンポジウムの続きのプログラム映像も準備中です。また、日本語での報告書もまとめており、出来上がり次第、公開いたしますので今しばらくお待ちください。

当日のプログラム詳細は、こちらのご案内ページをご参照ください。

「持続可能性とポスト2015年開発アジェンダの統合を目指して」記録映像
1) 開会 ~ ジェフリー・サックス教授基調講演
 

日経新聞にサックス教授とミレニアム・ビレッジ関連記事が掲載されました

2014年11月16日(日)付の日本経済新聞(朝刊)の「ODA60年、日本の課題」と題した紙面にて、ジェフリー・サックス教授が掲載されました。「援助は成長を促せるのか」との問いに対し、国際協力機構(JICA)の田中理事長のご意見と並んで紹介されています。MDGsに関する話から、MPJもミレニアム・ビレッジを支援する団体として名前が紹介されました。

「ODA60年、日本の課題
増額し最貧国は贈与に 米コロンビア大教授 ジェフリー・サックス氏」

2014年11月16日付、日本経済新聞朝刊

日本経済新聞 掲載記事ウェブページ(記事全文の閲覧には登録が必要です)
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO79758560V11C14A1TY6000/

ウガンダ・ルヒーラの小学校へパソコンを寄贈しました!

藤田大使と 10月27日から約一週間、MPJ理事長の鈴木りえこがウガンダを訪問いたしました。29日に首都カンパラの日本大使館で開催された国際刑事裁判所(ICC)の被害者信託基金(TFV)に関する関係者会議に参加することが主な目的でした。日本政府はこの信託基金を通じて、紛争下で被害にあった人々、とりわけ女性への支援を強化する方針で、ウガンダ北部においてICCに訴えられている犯罪の被害者たちが、心身ともに回復し自立するため、さらなる援助を今後どのように展開していくべきか検討されています。


Isis-WICCEにて

Isis-WICCEにて

  カンパラでは、Isis-WICCE(Women’s International Cross Cultural Exchange)という国際NGOも訪問して、アフリカやアジアなどの発展途上国にて、紛争下で過酷な環境におかれた女性サバイバーたちの人権保護、自立支援、女性の声を世界に広める活動について、詳しくご説明いただきました。Isis-WICCEは1974年にスイスのジュネーブに設立されましたが、ウガンダでも昨年設立20周年を迎え、ノーベル平和賞を受賞したリベリアのレイマ・ボウイ氏とも連携している活発で意欲的な国際NGOです。MPJとも将来的に連携を深めていくことで合意いたしました。


Ryamiyonga Primary School

Ryamiyonga Primary School

30日と31日は、カンパラから車で約6時間ほど西部にあるミレニアム・ビレッジ、ルヒーラ村も訪れました。そこでは、MPJがアミティエ・スポーツクラブとともに建設したRyamiyonga Primary Schoolを訪れ、MPJオフィスで使っていた中古のPCを2台寄贈し、今年6月に発送したアミティエ・スポーツクラブご寄贈のユニフォームが無事に到着していることを確認いたしました。


お昼寝する園児たち

お昼寝する園児たち

以前からこの小学校に付属している保育園の園児たちへ、机と椅子の寄贈を依頼されていたところ、訪問時はちょうどお昼寝の時間で、園児たちがむき出しの土間の上に薄い敷物を敷いてお昼寝している姿が、痛々しくとても印象的でした。ちょうどウガンダ訪問最後の日に、この小学校と付属保育園へ「世界の人びとのためのJICA基金」をいただくことが決定し、知らせを聞いた現地も歓喜いたしました。関係者一同、JICAのご支援に対して、心から感謝しております。園児の皆さん、待っていてくださいね!


点滴灌漑農業の  ルヒーラ村では、MPJがYAMAHAとともに3年ほど前から実験している点滴灌漑農業の現場も視察いたしました。現場の判断で、当初から育てていたトマトとキャベツは残念ながら害虫の被害のため、代替品としてより付加価値が高く年に3回の収穫が見込めるししとうを育てていました。灌漑農業地の周辺では、YAMAHAのポンプによってタンクに貯蔵された水を利用し、さまざまな農作物を育てていて、少し前までは原野だった土地が農作物で豊かにおおわれている様子を見て、感動いたしました。


ウガンダで活躍の皆さん 31日はカンパラに戻り、夜はササカワ・アフリカ協会の仲本千津さんのお声掛けで、ウガンダで活躍している日本人の皆さまと懇談いたしました。MPJ主催の「アフリカ・ソーシャルビジネススクール」出身の宮下芙美子さんや猿田千里さんをはじめ、日本の若い方たちがウガンダで元気に活躍されている様子を確認でき、嬉しく勇気づけられました。お忙しいところカンパラにお集まりいただいた皆様、ありがとうございました!