ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)

極度の貧困は根絶できるはずだ
私たちの孫の時代ではなく、
私たちの世代のうちに
極度の貧困は根絶できるはずだ  私たちの孫の時代ではなく、私たちの世代のうちに

Blog-Archives

第2回ミレニアム・プロミス・ジャパン研究会報告

20080425_DaGama.jpg講師
Louis da Gama氏 (グローバル・ヘルス・アドボケーツ、国際マラリア政策ディレクター)
テーマ
マラリアの現状とロールバック・マラリアの活動
資料: 「国際協力に取り組むNGOのマラリア対策ハンドブック」
研究会報告
マラリアは年間3-5億人の感染者を生み、100万人以上の死者を出している。
HIV/AIDSに注目が集まりがちだが、マラリアは有史以来、最多の死者を出してきた感染症。
子供や妊婦に影響を与え、農村部に暮らす診療所を訪れたことのないような人々を死に至らしめる。
欧米先進国では60年代に撲滅されたが、現在でも世界の人口の40%が感染のリスクにあり、感染例の60%がアフリカ、40%がアジアに集中する。
マラリアと戦うためにできることは2つ。
①病気を媒介する蚊の数を減らしたり、蚊と人間との接触を減らすこと
②マラリア原虫のライフサイクルを絶つこと
蚊との接触を減らすには、殺虫剤をしみこませた長期間使える蚊帳を使ったり、DDTなどの殺虫スプレーをまくことが有効だ。

2000年のマラリア・サミットで採択されたアブジャ宣言は、2010年までに達成すべき3つの目標を立てている。
①感染の恐れのある人口の60%に蚊帳を提供する
②症状が出てから24時間以内に適切な治療にアクセスできる人口を60%に増やす
③感染の危険のある妊婦の60%が予防治療を受けられるようにする
①については著しい進展があるが、②についてはアフリカの9割の地域で、アクセスが5-10%程度にとどまっている。
治療に関しては非常に大きな問題がある。
農村部ではたとえば子供がマラリアで発熱しても、女性が家事を置いて4、5時間歩いて診療所まで行かなければならない。ようやく診療所についても薬がなくて子供が死亡してしまったりする。そしてその話が村の中で広まれば、村人は診療所に行くのをやめて、代わりに伝統的な祈祷師の元に行ったり、効き目の悪いクロロキンを使ったりする。アフリカ全体にACTを広め、クロロキンと同程度の価格で利用可能にすることが必要だ。
このため、RBMは治療へのアクセス確立にフォーカスを置いている。
治療へのアクセス確立が困難なのは、アフリカでは公衆衛生システムが脆弱なこと、医療従事者の数が少ないことなどがあげられる。マラリアで死亡する子供と女性の数は下がっておらず、この問題に対処しなければ、ミレニアム開発目標(MDGs)のうち、MDG4(乳幼児死亡率の削減)、MDG5(妊産婦の健康改善)、MDG6(HIV/AIDS、マラリアなどの蔓延防止)の目標達成はありえない。
アフリカの人々が年収の25%をマラリア薬の購入に充てなくてはならない中で、どうやって貧困削減を実現できるのか?
1ドル50セントのマラリア薬を必要な時に得られなかったために赤ん坊を失ってしまったお母さんの気持ちを想像してみてほしい。
このため、われわれはG8各国にコミットメントを守るように求めている。昨年のハイリゲンダム・サミットでG8は、エイズ・結核・マラリア対策に600億ドルを拠出すると約束した。われわれは今年の議長国である日本に、この600億ドルの具体的な拠出計画を示すよう訴えている。アフリカの人々はこのお金を待っている。この資金拠出がなければ、MDGは達成できない。
マラリアは予防できるし、治療できる。人間がマラリアで死ぬ必要はない。日本が目標達成のために役割を果たしてくれることを祈っている。

NPO法人登記

ミレニアム・プロミス・ジャパンは4月23日に登記を終え、NPO法人となりました。

第1回ミレニアム・プロミス・ジャパン研究会報告

20080212_Prins.jpg講師
Gwyn Prins教授 (London School of Economics and Political Science教授)
テーマ
ケニア大統領選挙不正後のアフリカ ~ 国際社会に何ができるのか
研究会報告
■アフリカの政治腐敗
ケニア大統領選不正とそれに伴う暴動は、アフリカ連合の失敗、アフリカの影を表面化させてしまった。アパルトヘイトは10年前に終わったものの、ジャンジャウィードによるスーダンのダルフール紛争など、どうしたらアフリカの政治腐敗を終わらせることができるのか。
■アフリカの抱える構造的問題
アフリカには、政治腐敗以外にも構造的な問題があり、1. 地理、2. 天然資源(天然資源のもたらす富は腐敗と暴力の原因になる)、3. ガバナンスのまずさ、4. 紛争、という「4つの罠」がアフリカをとらえている。
■国際社会に何ができるのか
このようなアフリカの状況に対して、国際社会にできるのは、1. 援助、2. 軍事介入、3. 法・憲章、4. 通商条約の4つ。

■援助で何ができるのか
Prins教授の考える「賢い援助」は、腐敗した政府に対抗できるよう、一般の人々に力を与えるような援助を行うこと。人々に力を与える援助とは、例えば、グラミン銀行のようなマイクロ・ファイナンス、携帯電話などの通信手段、教育、蚊帳などのヘルスケアのことで、このような援助を最も効果的に行っているのは、国連でも政府でも支援団体でもなく、個人であるとPrins教授は考えている。
■教育
援助の中でも教育は特に重要で、どんなに賢い子でも、お金が無いとエリート教育は受けられない。
アフリカ人の少女が、支援による資金を得て、ハーバードに入学した。その子が資金提供者であるアメリカ人の富裕層を前にしてスピーチを行ったことがあったが、彼女は、「貧困は嫌だ。私は国を救いたい。でも支援で救うことができるのは、ひとりづつでしかない(You can help Africans one at a time)」と言って集まった人たちを泣かせた。
重要なのは、巨額のお金で援助を行うことではなく、変化を起こそうとしているアフリカの一般の人々を、腐敗した政府の干渉を受けずに、先進諸国の支援によって救い、彼らに力を与えること。この意味で、先進諸国は限界を自覚しつつ、強みを生かした援助を行う必要がある。
■「The Bottom Billion」からの引用
“Let us be clear. We cannot rescue them. The societies of the bottom billion can only be rescued from within. In every society of the bottom billion, there are people working for change, but usually they are defeated by the powerful internal forces stacked against them. We should be helping the heroes….
(「明言しておかなければならないのは、先進国が貧困国を救うことはできないということだ。最下層の10億人は、自らの力を持ってしか自らを救うことはできない。この10億人の人々の全ての社会において、変革を起こそうとしている人々がいる。しかしそのような人々は、その社会の権力者に抑圧されている。私たちはこのようなヒーローを助けなければならない・・・)
Paul Collier, The Bottom Billion, p.96

タンザニアのミレニアム・ビレッジ視察

タンザニアのミレニアム・ビレッジ(Mbola)訪問
20080214_ido.jpgミレニアム・プロミス・ジャパン会長・北岡伸一と理事長・鈴木りえこは、2月8日タンザニアのアリューシャにある蚊帳工場AtoZ(住友化学と地元企業との合弁会社)の第二工場開所式に参列しました。式典には世界中から関係者が集まり、南アフリカからもユニセフ親善大使のイボンヌ・チャカチャカ氏が参加して挨拶と魅力的な歌声を披露しました。
この工場では3,200人の雇用を生み出し、その製品Olyset(繊維に殺虫剤を染み込ませた特殊な蚊帳)は長年マラリアに悩まされてきたアフリカの人々とりわけ母親と小さな子供に安全な睡眠をもたらせてくれます。調査によるとマラリアを感染させるハマダラ蚊の活動は夜11時~夜明け頃までなのだそうです。
工場は最新式設備を整え、非常に清潔で、溌剌と働く女性たちの姿が目立ちました。ちなみにこの工場には2月の半ばに、アメリカのブッシュ大統領も視察に出かけています。
二人は、工場視察のあと、キリマンジャロから首都ダルエスサラムへ移動し、そこでタンザニアのミレニアム・ビレッジを統括するUNDPのジョージと合流。翌朝小さなプロペラ機で1時間あまりのTaboraへ向かいました。Taboraでは、ジョーソンをはじめとするUNDPスタッフ一向に迎えられ、Mbolaを中心にいくつかのミレニアム・ビレッジを訪れました。
20080214_kitaoka.jpg生憎週末でしたが、スタッフ数名と一緒に学校やクリニック、建設途中の産婦人科クリニック、蜂蜜工場、井戸などを見て周り、わざわざ集まってきてくれた村人たちに様々な質問をすることができました。一日一ドル以下の生活を強いられている村人の表情は不思議と明るく、二人を新たなエネルギーを与えてくれるようでした。彼らの家の中には、蚊帳とベッド以外に家具らしい物もありません。水道も電気もなく、台所(と言っても土を盛り上げただけのもの)では薪を炊いています。このプロジェクトの指導を受けるようになってから、薪は一日5本しか使わなくなったこと、ひまわりを育ててサンフラワーオイルを利用するようになったこと、穀物の収穫が倍増したこと、以前は濁った湧き水を汲んでいたのにきれいな井戸水が使えるようになったこと、などを話してくれました。
彼らが困っているのは、学校に設備がなく、先生たちが赴任してもすぐに退職してしまうことだそうです。Taboraの街には電気がありますが、Mbolaにはなく、子供たちは暗くなると勉強をすることができないのも悩みです。最近の彼らの小さな贅沢は、ラジオを聴きながら農作業をできるようになったことです。とは言っても、近くの町まで車で30分近くかかります。村にはロバがひく荷車はあっても車はありません。電池がなくなると気軽に買い物に行くこともできないのです。
20080214_wakimizu.jpgここで、私たちにできることは何か?と考えました。たとえば、井戸を作ること(費用は40M掘って約100万円)、日本企業と連携して太陽光発電パネルを供給すること、ボランティアの先生を派遣することなどが、できるかもしれません。
二人はMbolaの村人に熱烈歓迎を受けて、植林をしました。村の産物である蜂蜜とジャムもプレゼントされました。その美味しかったこと!
また、遠くない将来、大きくなった木を確認し、蜂蜜を味わいに出かけたいと思っています。           (鈴木りえこ)

設立総会

ミレニアム・プロミス・ジャパンの設立総会を行いました。

MPJホームページ

ミレニアム・プロミス・ジャパンのホームページを立上ました。

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