ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)

極度の貧困は根絶できるはずだ
私たちの孫の時代ではなく、
私たちの世代のうちに
極度の貧困は根絶できるはずだ  私たちの孫の時代ではなく、私たちの世代のうちに

カテゴリー:Activity report

NGO海外スタディプログラム 活動報告

10月13日、認知行動療法セッションにて自己紹介している様子

10月13日、認知行動療法セッションにて自己紹介している様子

 

 

2017年8月末より、ウガンダの現地NGOであるTPO Uganda(Transcultural Psychosocial Organization)でのインターン活動を行ってきましたMPJスタッフの礒部です。あっという間に11月に入り約3ヶ月間のインターンシップが無事に終了し、現地の仲間との別れに寂しさも覚えています。

 

さて、今回のブログでは私のインターンシップのテーマである「災害・紛争等の人道緊急時における心のケアと精神保健・心理社会的支援の運営方法を学ぶ」というトピックについて、学んだことを少し紹介したいと思います。

TPOが活動する現場では、トラウマを抱えた女性たちへの支援や、精神的疾患により普通の人には聞こえない「声」が聞こえる少年のカウンセリング、自殺者の遺族のフォローアップなど、常にセンシティブな状況下で活動を実施しています。TPOスタッフの活動現場を視察することで、人道支援において模範となるNGO従事者の姿勢・心構えを学ぶことができました。

 

 

1.常にポジティブ思考であること

難民と接する中で、TPOスタッフは常に難民がプラス思考になるよう、話をしています。”Let us not lose our hope”と声をかけたり、常に自信に満ちた態度でコミュニケーションを図ることで一つ一つの発言の信憑性が増し、カウンセリングの説得力も増しているように見受けられました。

 

2. ユーモアや娯楽を取り入れること

スタッフによって認知行動療法(TPOの実施するアドバンス心理社会支援)の進め方は様々ですが、どのスタッフも難民と接する際は雰囲気を和やかにするために工夫を施しています。あるスタッフは時折現地語を使って難民を笑わせたり、別のスタッフはセッションの合間に有志による歌やダンス披露を交えることで和やかな雰囲気を作っていました。過去のトラウマについて話すということはつらく、セッション中に泣き出してしまう難民も多くいますが、それでもユーモアを取り入れることによって、その場の雰囲気を明るくさせていました。

 

3. 自立を促すこと

認知行動療法において、カウンセラーはアドバイスする立場ではなく、自分たちで答えを見出すためのファシリテーターの役割を担っています。そのこともあり、TPOスタッフは難民に対して同等の立場で接し、また「答え」はなるべく自分たちで考えるように促していました。例えば、難民から質問があった際、TPOスタッフはその質問に対する答えを別の難民から聞き出します。そうすることで、難民がTPOに頼りすぎてしまう事を未然に防いでいました。

 

4. 誠実であること(人間性)

人道支援において、人間性というのは一番大事な要素であると実感しました。認知行動療法のセッションに同行した際、裨益者として選ばれなかった難民約20名がセッションに参加しようとその場に押しかけてきた場面がありました。その時TPOスタッフは、なぜ彼女たちが選ばれなかったのかを丁寧に説明し、セッションには参加できないけれど何かあった際は個人カウンセリングを実施すると伝えることでその場を収めていました。しかしながら、セッション後にも人が次々と集まり、手が負えない状態になってしまいました。TPOスタッフは2時間のセッション後で疲れもあるなか、それでも顔色一つ変えずに一人ずつ話を聞いて対応していました。

後で聞いたところ、人道支援において、たとえ(その日のような)カオスな状況になっても人道支援者として苛立ちやストレスを表に出してはならない、とのことでした。むしろ、このようなことはTPOが必要とされているという証拠なので誇りを持って仕事をしなければならない、とも話していました。

 

 

人道支援におけるNGOスタッフの模範となる姿勢(まとめ)

インターンシップを通して、上記4つの事柄が人道支援者にとって必要不可欠な要素であると実感しました。心的外傷を負っていたり、難民という立場故に生じる日々のストレスを抱えている難民と接する場合は、これ以上の危害を与えないように(Do No More Harm) 明るく、誠実に、そして自立心を促進させる言動・行動を常に心がけることが人道支援者のあるべき姿であり、NGO従事者はそのことを自覚しなければなりません。

 

TPOで学んだことを今後のMPJの難民支援事業で活かし、人道支援の必須基準(Core Humanitarian Standard)を遵守したいと思います。

 

10月19日、認知行動療法セッションにて、礒部(写真中央)が裨益者のその日の気分を記録している様子

10月19日、認知行動療法セッションにて、礒部(写真中央)が裨益者のその日の気分を記録している様子

 

 

10月26日、認知報道療法にてMuscle Relaxation Exerciseを実施している様子

10月26日、認知報道療法にてMuscle Relaxation Exerciseを実施している様子

 

 

 

 

 

MPJ設立10周年記念・朝日SDGsフォーラムを開催いたしました

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11月28日(火)、MPJ設立10周年を記念しジェフリー・サックス氏(コロンビア大学教授)、キャスターの国谷裕子氏らをゲストにお招きし「朝日SDGsフォーラム」(共催:MPJ・朝日新聞社、協賛:住友商事)を開催いたしました。

 

ジェフリー・サックス教授は持続可能な開発目標(SDGs)の前進であるミレニアム開発目標(MDGs)の策定やMPJ設立に深く関られ、現在は国連事務総長特別顧問(SDGs担当)として、世界中で講演活動を行い大活躍されています。

 

フォーラムには定員をはるかに上回る方々にご応募いただき、会場は満席の熱気に包まれました。そしてサックス教授のパワーあふれる講演、国谷氏や田渕正朗氏(住友商事代表取締役専務執行役員)とのトークやディスカッションで大いに盛り上がったほか、高校生からの質問にサックス教授が答える場面もあり、SDGs達成に向けて日本やグローバル企業が果たすべき役割について若い世代も交えて考える、という非常に有意義な時間となりました。

 

MPJは2018年4月に設立後満10年を迎えます。今後も多くの方々と、世界の貧困削減やSDGs達成への道のりについて議論し考える機会を設けていきたいと考えております。

国谷裕子キャスターとの対談

国谷裕子キャスターとの対談

 

田渕正朗氏を交えてのパネルディスカッション モデレーター:北郷美由紀氏(朝日新聞記者)

田渕正朗氏を交えてのパネルディスカッション モデレーター:北郷美由紀氏(朝日新聞記者)

東大和市立第五中学校で「貧困削減」について話をしました!

東大和市立第五中学校講演会

去る10月7日(土)、東京都オリンピック・パラリンピック教育推進支援事業の一環として、東大和市立第五中学校にて、MPJ理事長・鈴木りえことMPJユースの青野将大、井出有紀の3名が「貧困削減について考える」をテーマに、全校学生とPTAの方々(合計約300名)にお話しする機会をいただきました。

 

鈴木は、国際社会が目標とする「ミレニアム開発目標(MDGs)」から「持続可能な開発目標(SDGs)」への流れを簡単に説明し、アフリカでは一日1.9ドル以下で暮らす人々が多いこと、中学校へ進学できない子供たちが少なくないこと、ウガンダ北部の難民居住区では南スーダンから逃れてきた子供たちが両親と離ればなれになったり両親を紛争で亡くしたりしていることなどを、できるだけわかりやすく説明しました。

 

ユースの学生たちは、文化の面で相互理解を深めるために、二人が今春訪問したガーナでの一般的な食べ物やお金、音楽などをクイズにして、学生に挙手を求めたため、最初は緊張していた中学生の皆さんも徐々にリラックスして、質疑応答時には食べ物についてやアフリカでもっとも困ったことなど、多くの質問をいただきました。最後には、学生代表の生徒さんから一日200円程度で暮らす人たちが存在するということに気づき、自分たちが恵まれていると感じたという挨拶ときれいな花束を頂戴しました。とても素直な生徒さんたちばかりで、私たちも気持ち良く話をさせていただきました。

 

タレントのピコ太郎さんが、今秋、外務省の依頼を受けてPPAPのSDGs版をニューヨークで開催された秋の国連総会で発表したことなども話題にしましたので、前半は少々難しい内容だったかもしれませんが、SDGsが中学生の皆さんの心の隅に残ってくれると嬉しく思います。ちなみにピコ太郎さんはウガンダの観光親善大使に任命され、ウガンダを訪れ大統領とも面会した、と最近のニュースで知りました。

 

講演後は、道徳授業地区公開講座の一環として、PTAや地域の人々と意見交換会が開催され、大人の皆さまのご意見も伺うことができました。地域では外国人が増えていて、今、生徒の皆さんが一番必要としている内容の話だったという感想もいただき、恐縮するとともに、私たちも皆様から勉強させていただきました。

 

貴重な機会をいただき、和田孝校長先生、上沢利美副校長先生をはじめ、関係者の皆様に感謝しております。

 

(南スーダン難民支援事業) 駐在員からの現地レポート

難民居住区(inウガンダ)での活動状況をご報告します!

 

【PSN世帯の訪問】

10月15日、ビディビディ難民居住区内のPSN(特に支援を必要とする難民の人たち)世帯のリストを手に、その中でも高齢者や身体にハンディキャップを持つ人たちを優先的にピックアップして実態を確認するため、協力するPWJスタッフと現地を訪れ、対象の人々に面会しました。この確認調査を踏まえ、よりニーズの大きい世帯を対象としてトイレの建設を行います。

 

目の不自由な難民(中央の男性)と面会

目の不自由な難民(中央の男性)と面会

左側がトイレ(数世帯で共用しているものが多い)

左側がトイレ(数世帯で共用しているものが多い)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Global Hand Washing Day】

10/15(日)はGlobal Handwashing Day(世界手洗いの日)でした。

ユニセフが提唱する国際的な行事で、「せっけんを使って正しく手を洗うことで、多くの命を守ることができる」とうたっています。

MPJが活動するユンベ県でも多数の支援団体が協力して早くからイベントを計画し、10/11(水)~13(金)の3日間はプレイベントとして、居住区内の小学校や集会所,市場周辺等で手洗いの必要性を教示したり、多くの人に正しい手洗いに参加してもらったりしました。

手洗いの必要性等をレクチャー(小学校にて)

手洗いの必要性等をレクチャー(小学校にて)

正しい手洗いを実践

正しい手洗いを実践

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつ手洗いが必要かを表示する看板

いつ手洗いが必要かを表示する看板

 

10/17(火)には、メインイベントとして、別の小学校にて地元の有力者たちを招いて盛大な催しが行われました。晴天に恵まれ、ブラスバンドによるマーチング、小学生や芸術集団による歌やダンス、手洗いの必要性や方法を演じるドラマ等々が、大人だけでなく多くの子供たちを含めた参列者が見守る中で披露されました。

プレイベントを含めて、Our Hands, Our Futureという標語を表したそろいのT-シャツを用意して多くの人たちに配るなど、支援者、被支援者ともも関心の高さが感じられたデモンストレーションでした。

Global Handwashing Dayの標語を示す看板

Global Handwashing Dayの標語を示す看板

マーチングバンド

マーチングバンド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【独立記念日】

10/9(月)は55回目のウガンダ独立記念日(1962年英連邦王国の一員として独立)でした。各地で盛大な行事が行われたようですが、ここユンベ県でも市街の大広場などで関係者を招いたり、大勢の小学生たちの行進が行われたりしました。

タウン内の通りで行進

タウン内の通りで行進

大広場での行進(ユンベはイスラム教徒が多い)

大広場での行進(ユンベはイスラム教徒が多い)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【雄大なウガンダの自然】

ウガンダでは車でちょっと町中を離れると、前後左右360°はるか彼方まで地平線が見渡せる雄大な光景に出くわします。日本の本州ほどの面積の中に3,500万人あまりの人々が住んでおり、人口密度は150人/㎢弱で、長野県ぐらいの規模です。

イギリスの元首相チャーチルがかつて「アフリカの真珠」と謳ったほどの美しい国ですが、ここまでの雄大な自然の景観が見られるとは思ってもいなかったので感動的です。

道路に沿ってナイル川が流れる(ユンベ~カンパラ間)

道路に沿ってナイル川が流れる(ユンベ~カンパラ間)

 道路脇に現れたアフリカ象たち(ユンベ~カンパラ間)

道路脇に現れたアフリカ象たち(ユンベ~カンパラ間)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2017年10月) 横山  羌泰

 

 

 

 

 

 

NGO海外スタディプログラム 現地からのレポート

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ウガンダの現地NGO団体・TPO Uganda(TPO)へ研修生として派遣されているMPJスタッフの礒部です。ウガンダへ来て早くも一ヶ月が経ちました。

 

今回はTPOの紹介と、この1ヶ月で視察したTPOの事業について少しご紹介したいと思います。

 

TPOは1994年よりウガンダにて心理社会的支援を中心に活動してきた現地NGO団体です。現在は約180名のスタッフが従事し、年間総事業費も約2億円を超えるとても大きな団体です。活動拠点はウガンダ全域25地区に存在し(2017年9月時点)、子どもの保護、女性と子どもの心理社会的支援、SGBVの予防・教育、HIV/AIDS、生計支援、女性のエンパワメント等、多岐にわたる事業を展開しています。

 

TPOが行う心理社会支援では、認知行動療法(CBT)と呼ばれる心理療法を主軸としています。CBTとは鬱やトラウマに効果のあるセラピーで、悪夢を見たときの対処法やトラウマ克服、運動セラピー等が行われます。CBTは日本でも良く取り扱われる心理療法の一つですが、TPOでは難民支援という特別な状況において、通常のCBTでは機能しないこともあるため、難民向けに独自に改良したCBTを行っています。例えば通常のCBTでは悪夢を見た際はどんな夢だったか具体的にメモを取りますが、難民の大半は字が書けないのでメモを取る代わりに石を用意し、石の大きさで悪夢の怖さを表現するようにしています。

 

冒頭の写真は9月20日にTPOの社会福祉士(ジャミラさん、写真左)に同行し、CBTセッションを視察した際の写真です。TPOのCBTセッションは1グループ12名のメンバーで行われ、週1回、合計10回のセッションで構成されています。この日のセッションは9回目のセッションで、夫や家族との関係・近所との付き合いを円満にするためにはどうしたら良いのか、グループで話し合いがなされていました。CBTセッションに参加している女性に話を聞いたところ、CBTのおかげで夜眠れるようになった、心の病に負けないよう心を強く持てるようになった、夫に対する態度を自分が改めことで、夫との関係が改善された、など数多くの成果が見受けられました。

 

TPOはCBTセッションのほかにも、性やジェンダーに基づく暴力(SGBV)予防のためのワークショップ開催や、重症患者に対する専門病院への紹介、女性のエンパワメント等も支援しています。

 

9月22日、ホストコミュニティに向けたSGBVに関する講習会の様子

9月22日、ホストコミュニティに向けたSGBVに関する講習会の様子

 

TPOには臨床心理士や精神医学者といった専門家が従事しており、30万人近い難民を抱えるビディビディ居住区でも、アドバンス心理社会支援を実施する唯一の団体として活動しています。MPJも来年より、南スーダン難民居住区にて心理社会支援を実施するため、今後もTPOにて心理社会支援のノウハウを学んで参ります!

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