ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)

極度の貧困は根絶できるはずだ
私たちの孫の時代ではなく、
私たちの世代のうちに
極度の貧困は根絶できるはずだ  私たちの孫の時代ではなく、私たちの世代のうちに

Blog-Archives

モザンビークのミレニアム・ビレッジでボランティア活動を行う学生募集!

特定非営利活動法人ミレニアム・プロミス・ジャパンでは、モザンビーク科学技術省の協力を得て、2009年3月にモザンビークのミレニアム・ビレッジChibutoの学校等でボランティア活動を行う学生を、下記要領にて募集しています。
応募期限は1月末です。たくさんのご応募をお待ちしています!
【期間】   2009年3月上旬~3月18日頃までの約10日間(現地と交渉中)
【活動場所】 Chibuto(Gaza Province)の小・中学校ほか
【滞在場所】 Chibuto周辺での家庭滞在予定
【活動内容】 ・現地の小・中学校でのパズル数独、算数、その他日本文化等の指導
       ・ミレニアム・ビレッジ運営等のアシスタント
      (注)モザンビーク科学技術省が各学生の資質に沿った内容を検討します
【募集条件】 ・20歳以上の大学生・大学院生で、日本国籍をお持ちの健康な方
       ・アフリカの貧困削減に関心があり、ミレニアム・プロミスの理念に賛同する方
【募集人数】 若干名

ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトに関するレポートサマリー

イギリスのOverseas Development Instituteが、ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトに関する調査・分析レポートを発表しましたので、事務局でサマリーを翻訳しました。
http://www.odi.org.uk/resources/download/2416.pdf
(レポート原文は上記からアクセスできます)
*****
ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(以下MVP)はミレニアム開発目標達成(以下MDGs)に向けて、目覚ましい成果を遂げ、村落レベルで実証に基づいた低コストの介入に投資を増大する効果を実証した。
 MVPは村落レベルの投資を拡大する上で、上流への投資増大・農村部と都市の連結・インフラ・制度が必要であることを示唆しているが、限定的な予算の下では対策を講じることはできない。
 各国はMVPの拡大を、国家開発戦略の枠組みの中に位置づけていく必要がある。ドナーは国内でMVPを成功裏に実践し現在国家レベルに拡大する意思のある少なくとも一ヵ国に対して、特別な支援を提供するべきである。
 農村部への投資拡大はドナーによる支援の約束にかかっている。ドナーは様々な計画が垂直的に結合し、(開発戦略のなかに)適切に盛り込まれた場合に、計画及びMVPの円滑化を支援すべきである。

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副理事長・岩男壽美子がタンザニアでマイクロ・クレジット事業を開始!

岩男先生と喜多先生.JPGマイクロクレジット開所式.JPGマイクロクレジット開所式2.JPG
写真は右から、1.同行した日本赤十字九州国際看護大学学長・喜多悦子氏(右端)と、2.開所式に集まった女性たち、3.説明会で挨拶する岩男壽美子
ミレニアム・プロミス・ジャパン副理事長の岩男壽美子(慶応大学名誉教授)が、地元に縁がありタンザニアのアリューシャで、個人事業としてのマイクロ・クレジットを開始しました。地元NGO「希望」と連携して、貧しい女性たちを支援する予定です。11月末の開所式には、200名以上の女性たちが集まり、事業への大きな期待が伺えます。
改めて、報告会を開催する予定です。どうぞお楽しみに。

ジョン・マッカーサー氏からの年末メッセージ

John_McArthur.jpg親愛なるパートナーの皆様へ
ジョン・マッカーサー
ミレニアム・プロミス最高経営責任者  
 2008年も終わりに近づき、世界経済は日々様々な重要な問題を抱えておりますが、極度の貧困の撲滅、飢餓、予防可能な疾病の対策に向け、日頃から皆様よりミレニアム・プロミス(MP)へご支援を賜りまして御礼申し上げます。このような困難な時期にこそ、皆様のご協力がこれまで以上に重要です。過去2年間にわたる皆様のご支援は、アフリカ全土の貧困地域で生活する50万人々の生活の向上につながりました。こうした人たちは不透明な毎日の経済状況の中で、世界で最も厳しい生活を余儀なくされておりますが、その忍耐力と生きる力によって我々は日々勇気づけられています。また、彼らはアフリカ各地で展開するミレニアム・ビレッジ(MV)の広範囲な拡大に活力を与えています。
 
 さて、昨今は厳しいニュースが話題となりますが、皆様にウガンダ国ルヒイラのミレニアム・ビレッジから、私たちを勇気づける最新の話をいくつかご紹介させて頂きます。
 ニャカト・シドヴィンさんは、ルヒイラには医療サービスがなかった頃を覚えています。ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)により彼女と彼女の赤ん坊は必要な医療サービスが受けられると安心しています。「MVとMPのおかけで、医療サービスを受けやすくなりました。以前は、ここから54キロも離れたムバララ病院まで延々と歩いていかなくてはならなかったのです。交通費も支払えませんでした。病気が悪化すると、命を落とすしかなかったのです。この辺りには熟練した医療スタッフや薬がありませんでした。私にとっては、今手にしているのは最大の成功です。子供が病気になったら、医療スタッフがそばにいて薬が手に入るし安心していられます。MVPとMPのおかげです。」とシドウィンさんは語っています。  

 マキリン・ムギシャさんは一人の学童を抱える母親です。「私の子供はMVPの奨学金制度を利用しています。授業料が払えないので、子供が勉強できるとは夢にも思っていなかったです。でも、MVPとMPが私たちにロバを買ってくれたおかげで、急な坂の多い道でかさばる農産品を運ぶのもずいぶん楽になりました。今では穀物を栽培し、バナナを運び、水くみや薪を集めたりできるので、本当にとても幸せです。」とムギシャ夫人は語ります。彼女のお子さんは、MP支援者が実現した教育プログラムを活用している多くの児童の一人です。
 ニンシマ・ステディアスさんは15歳。家族は彼女の教育費を賄えませんでした。MPは彼女に就学の機会を与えました。今年、彼女はクラスで最優等生となりました。「とても幸せに感じます。このプロジェクトを誇りに思います。このプロジェクトがなかったら、私は今頃どこにいたかもわかりません。家族は授業料を支払うことが出来ません。現在は、学校で聖書通読を行うクラブに所属し、ディベートクラブの代表も務めています。将来は医師になりたいです。村の人たちを救いたいからです。私がそうしてもらったように、私は助けを必要としている子供たちを必ず助けるつもりです。」
 支援をしている何十万人もの人たちを代表いたしまして、こうした機会を我々が提供できることを皆様に感謝いたします。また、皆様が年内最後のプレゼントをするのに遅すぎるということはありません。また、すでにご献金いただいている方々には御礼申し上げます。すべての家族が十分な食事を得て、すべての子供たちが就学でき、すべての人が収入を得て健康な生活が送れる機会を得るための世界を作り上げるという私たちのビジョンを実現するためには、皆様のご支援とご協力が欠かせません。昨今の厳しいグローバル時代の中で皆様のパートナーシップを賜ることができれば、これにまさる喜びはございません。
今後とも引き続き皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

ミレニアム・プロミスのこれまでの活動と実績

本日ミレニアム・プロミス(ニューヨーク)の「これまでの活動について」と「TIME LINE~国連ミレニアム開発目標へのあゆみ」(翻訳事務局)を当ホームページに掲載いたしました。
ミレニアム・プロミスのこれまでの活動と年表をお知りになりたい方は、トップ画面、あるいは下記をクリックして「ミレニアム・プロミスとは」をご覧ください。
http://millenniumpromise.jp/about_mp.html

第2回数独講習会のご報告

)数独(石井さん.JPG数独2.JPGR.JPG
ミレニアム・プロミス・ジャパンでは、2009年3月にモザンビークのミレニアム・ビレッジへボランティアの若者を派遣して、現地の学校にてパズル数独や日本文化の紹介などを通じた交流を行う予定です。
それに先立ち、株式会社ニコリのご好意で11月末にマンツーマンの数独講習会を開催していただきました。鍛冶真起社長の活動を追っているテレビカメラの取材も入りました。
ニコリの皆様、ありがとうございました!

ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト活動のハイライト

ミレニアム・プロミスよりミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの業績について、主要分野に関する報告が届きました。
Highlights from the Millennium Villages Project (MVP)
ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトの業績

Malawi.jpgMalawi2.jpgプレゼンテーション1.jpg


農業
 全プロジェクト対象地域にて、食糧生産が、平均で2倍以上増加。これは2006年以来、2回以上の作付け期において、74,000戸以上のミレニアム・ビレッジ(以下、MV)の農家に対し、農薬や改良種子の支給を行った結果である。
 ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(以下、MVP)の農業分野での成功は、特にマラウィにおいて顕著である。ムワンダマのMVではトウモロコシの収穫が350%増加、1ヘクタール当たりの収穫はMVP導入以前の0.8トンから2006/2007年には3.6トンに増えた。さらにMVPの主導者らは国家農業支援プログラムの実施にあたって、マラウィ政府と緊密に連携し、その支援により同国のとうもろこしの生産は2005年から倍以上に増加した。
教育
 初等教育へのアクセスを確保するため、MVPはビレッジ内の教室を大幅に改善した。プロジェクト開始以来、100以上の教室が建設され、120近くが改築された。
 MVPと世界食糧計画(以下、WFP)を含む地域パートナーは、全サイトに渡って学校給食プログラムを強化し、その結果70,000以上の子供達が現地で生産された食糧を使った食事の提供を受けている。例えばエチオペアのコラロでは、プロジェクト開始時にWFPが4つの学校給食プログラムを立ち上げて以来、さらに20以上のプログラムを追加し、現在全ての就学児童に給食が提供されている。
 学校の建設と改築、給食および教師研修に対する包括的な介入により、ビレッジの就学率および授業への出席率が改善された。例えばセネガルのポトウでは、このような介入により、クラスターの就学児童の数が2007年の1,286人から2008年には4,164人に増加した。
 初のMVスクール2スクール計画が2008年5月に開始され、インターネット技術を使ってウガンダのルヒイラ・クラスターと米国コネチカット州グリーンウィッチの子供達を繋いだ共同授業がライブで行えるようになった。

医療
MVPは特にマラリアの予防対策に力を注いでいる。プロジェクトの開始以来、住友化学から寄贈された蚊帳(オリセット)が34万以上配布された。加えてマラリアの一次治療の国際標準であるアルテミシニン薬と他の抗マラリア薬を併用する(ACT)治療のための薬剤を、80のMVに備蓄している。
 全MV地域に渡る800以上のコミュニティ・ヘルス・ワーカーが、様々な基本的な医療サービスを提供する為の訓練を受けた。
 14件の病院、診療所およびヘルスセンターが新たに建設、35件が改築され、医療へのアクセスは大幅に改善された。
 MVPは妊婦の健康状態の改善にも力を入れている。例えばプロジェクトの開始以来、ウガンダのルヒイラでは訓練を受けた人材の監督下での出産が全出産の9%から51%に増えた。さらにルヒイラの妊婦の80%が、妊娠中少なくとも1度は医療施設で妊婦管理サービスを受けている。
 家族計画サービスへのアクセスも増加した。例えばガーナのボンサアソでは、近代的な家族計画を実施している住民の数が670%増え、2007年半ばの296人から2008年半ばには2,278人に達した。
インフラ
MVPはエリクソン社と連携して、携帯電話経由でインターネットへのブロードバンド接続を可能にする次世代携帯電話技術であるEDGE/3Gを用いて、全てのMVにインターネット接続を提供した。2008年5月には、エリクソンとその現地パートナーのプロバイダー会社であるザイン社が、ケニアのダーツで携帯電話を使ったネットワーク・サービスを開始。携帯電話基地局が寄付により設置され、安定した携帯電話による通話及びインターネット接続が初めて住民達に提供されるようになった。
 地方政府との協働により、MVPは輸送および電力サービスを大幅に改善した。例えばナイジェリアのパムパイダ政府はMVPと連携して、10kmの道路を建設してクラスターと近隣の地域中心地区のサウワラを結び、さらに小学校や市場に近いクラスターの中心地点に電力を供給した。加えて中央政府と連携して、国営の送配電伝網をエチオピアのコラロ・クラスターのほぼ全域にわたって拡張した。
 MVPはビレッジに住む人々により安全な飲料水を提供するための活動も行っている。例えばセネガル政府のために水事業を取りまとめているJMイーグル及びPEPAMと協力してポトウで水プロジェクトを立ち上げ、約1万3,000人により安全な飲料水を供給した。
MVPの拡大
 MVの成功に触発され、マリ政府は、国家的な拡大戦略を発表し、同国で最も食糧供給が不安定な166の地域に住む200万人に対し、MVの中核概念を広げることを明らかにした。
現在進行中のマヤンゲでのMVPの成功を受け、ルワンダ政府は「ビジョン2020ウムレンゲ」の一環として、MVPを全国30地域に拡大する計画を発表した。
 2008年5月、日本国政府は、ベナン、カメルーン、マダガスカルおよびモザンビークにおけるMVクラスターの立ち上げ支援を発表した。ノルウェイ政府も現在リベリアのMVを支援中である。

「人間の安全保障」セミナー ミレニアムビレッジ体験談

Ben-s.jpg去る11月5日に東京大学駒場キャンパスで開催された「人間の安全保障セミナー」(テーマ:ミレニアム・ビレッジ)の講演内容を翻訳しました。なお、ジェフリー・サックス教授、ジョン・マッカーサー氏(ミレニアム・プロミスCEO)のビデオ講演内容は、すでに当ホームページ上に掲載済みです。ご関心のある方はご確認ください。
ベンジャミン・ボドナー氏 講演内容 
平成20年11月5日(水)
人間の安全保障セミナー テーマ:ミレニアム・ビレッジ
東京大学駒場キャンパスにて
演題: 現場からの視点(View from the Ground )
 本日皆様にお話し申し上げる機会を与えられました事は、私にとりまして、誠に名誉なことでございます。東京大学、遠藤貢教授、ミレニアム・プロミス・ジャパン、及び 鈴木りえこ理事長に厚く御礼申し上げます。
 私は、今、お話しされた専門家らとは異なる視点からお話をしたいと思います。 まだ、学生でありますので、もちろん専門家ではありませんが、幸運なことに、ミレニアム・ビレッジで一年を過ごし、現場で経験を培うことができました。
 ですから、私は、政策について論じるのではなく、人間の安全保障や国際開発に興味を持つ学生たちへのメッセージとして話をしたいと思います。
 私の究極のメッセージは、まず、「アフリカを訪れよう。」というものです。実際に現場で働くことです。面倒なことの一つは、そのための準備でありますが、ひとたび現地にいけば、とても歓迎され、活動に深く係ることが可能です。現地から遠い場所で情報を得るのと比べ、現地で貴重な経験をする事は、色々な点で重要です。 その一つは、米国や日本の豊かな環境からは、入手不可能な情報が得られることです。そういったことは、途上国に実際に行かなければ分かりません。

 開発国での経験から学んだことの一つは、途上国に対して、先進国にいる我々が、先入観を抱いているということです。途上国の人たちは、文化が違うから、我々とは、別の考え方をすると思いがちです。しかし、実際感じたのは、まったくその逆です。彼らも同じ価値観を持ち、同じような考え方をするのです。ただ、我々先進国に住む人間は、幸運なことに多くのことを当たり前としてとらえています。ですから、問題解決にあたって、当たり前と思っていたことがいかに思い込みであったか気づいていません。しかし、ひとたび、途上国に足を踏み入れれば、当たり前だと思っていたもののうち、何が実際そうでなかったかが分かり、現実の状況を正しく理解できるでしょう。そうした先入観がなくなれば、我々同様、平均的なアフリカ村民は、(タンザニアの村人を例にあげれば、)問題解決において、同じ結論に至るでしょう。
 現地での経験がなぜ必要であるかというもう一つの理由としては、開発プロジェクトが各場所に適した、独自の詳細な対策を必要としていることです。サブサハラ以南のアフリカ地域や開発地域には、数え切れないほどの細かな違いがあります。たとえ、違いが書かれているリストを目の前にしても、実際にそこで生活して、現地の視点で捉えなければ 一体どの違いが、日々の生活に影響を与えるのか、また、開発プロジェクトの介入を計画する場合に、どの違いを考慮するのが重要なのかを理解するのは不可能です。
 具体的に説明します。まず、これは、サブサハラ以南のアフリカ地域におけるミレニアム・ビレッジの地図です。
MV-map.jpg 
農業地域とその基本作物が色別に示してあります。ガーナでは、カカオ豆が、タンザニアではトウモロコシが生産されています。この2つの地域で、私は活動をいたしました。こうした情報は、とても重要ではあり、遠くにいても入手できます。しかし全ての状況を伝えるものではありません。以下は、ガーナ全体の地図です。
ashanti.jpg
bonsaaso.jpg
もっと、詳しく見ます。これは、ボンサソ・クラスターの地図です。緑色の部分がクラスターです。比較的人口が多いことが分かるでしょう。
 
道路設備、医療施設の場所や、計画予定の医療施設の場所が示してあります。しかし、この地図では見えないことがあります。現地の医療施設があるケニアゴという村と、隣村のジジテレッソの間には、 低地の道が長く続いているのです。
写真-川.jpgですから、ガーナの雨季、(この写真は、実際、2007年秋の終わりごろですが、)道は、このようになってしまいます。距離でいうと2キロに渡って、完全に浸水してしまい、トラックでの往来は不可能です。他のクラスターから、その村の大部分が孤立してしまいました。これは、商用で、村人が大きな町に移動しようとしているところです。水の中を歩いたり、深みでは、泳いだりしています。ここで、道路が遮断されてしまったために、クラスターの住人の3分の1にあたる約1万人が ケニアゴにある一つの医療施設とアグロサムにある地域の中央医療施設に行くのが困難になりました。ここにたどり着くためには、地図にはない小さな道を通るか、または、迂回せねばなりません。このことは、村人だけでなく、クラスターヘ物資を支給する上で、プロジェクトにとっても問題であること示しています。状況を把握している現地スタッフがいなければ、適切な準備をすることが出来ないのです。
写真2-山並.jpg 更に、その現場ならではの経験から学んだことがいくつかあります。これは、ガーナで、午前6:30頃、森を抜けて、ジョギングしていたときに、丘の上から撮影したものです。
写真3-平地.jpgこちらは、タンザニアのクラスターの近く、同じく丘の上から、午後撮影したものです。
さて、現地での経験を培うことがいかに重要かということに関しですが、ここでみなさんに、質問します。どちらの地域で、マラリア対策の蚊帳がより早く使用され始めるでしょうか? 私が、ヒントを差し上げなければ、地図やこちらの写真を見ても答えはわからないでしょう。しかし、この写真から判るように、タンザニアの多くの地域は、比較的、乾いた気候で、標高1000メートルの高地に位置し、夜間は涼しく、快適です。一方のガーナは、湿度が高く、熱帯雨林の気候です。現地にいってすぐにわかりましたが、夜間は、扇風機がなければ、不快で寝苦しいのです。村人たちには、扇風機がないだけでなく、一つのベッドを3-4人が共有します。よって、蚊帳を配布するためにこの2つの地域に、同じ説明をしても、夜間の温度が高いガーナでは、涼しいタンザニアに比べて、蚊帳が使用されにくいのです。しかし、村人たちが、経験を積み、いかに蚊帳が疾病対策に役立つかをひとたび理解すれば、すぐに、蚊帳の使用を開始します。蚊帳を使うことで、より暑くなり、不快であっても、積極的に使用します。実際現地に入ってみないと、こうした違いは分かりません。
 もう一つは、地域ヘルスワーカー役割です。基礎的な医療介入において、地域の村人(ヘルスワーカー)を訓練するプログラムです。地域の医療施設に行かなくても、村人たちが基礎的な医療が受けられるようするためです。
 地域ヘルスワーカーが係わったプロジェクトの多くは、東アフリカで行われましたが、彼らは、自転車を供与され、またそれが彼らにとってもインセンティブとなり、自転車に乗るヘルスワーカーの姿は、彼らを象徴的するものでした。タンザニアから、西アフリカのガーナといった地域へ、地域ヘルスワーカーによるプロジェクトを拡大する際にも同様に、自転車をインセンティブとして供与しようと考えるかもしれません。しかし、写真でお分かりのように、ガーナは、熱帯雨林地域で起伏に富んだ土地であるため、自転車の使用は適しません。平坦で低地の多い地理的条件をもつ東アフリカようには、自転車は普及しないのです。
 この写真は、ガーナの奥深い森林の中にある携帯電話塔です。受信範囲は、広くありませんが、ガーナのこのような奥深い森林でも、携帯電話塔はあります。
写真4-Ben鉄塔.jpgこれは私がその電話塔に登っているところです。 先入観により、このような先端技術が存在すると思っていなかったのですが、このような人里離れた場所でも、現実は違うのだということが、この電話塔に登って、はじめてわかりました。
 それでは次に、私のボランティア活動の内容についてご説明したいと思います。基本的に、私は、医療コーディネーターの助手を務めました。
ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトは、画像5-8Goals.jpgこのリストに示してある、ミレニアム開発目標の達成にむけて支援するものであり、医療コーディネーターは医療分野に関わる目標を達成することです。具体的には、4.乳幼児死亡率の削減、5.妊産婦の健康改善、6.HIV/エイズ、マラリアや結核などその他の感染病の蔓延防止です。
 プロジェクトを進める上で非常に大事なこと、そして 学生ボランティアとして 特に医療分野のプロジェクトに係る中ですぐに学んだことは、これらの3つの目標達成は、ほかの目標達成とは切り離せないものだということです。1の極度の貧困と飢餓の撲滅は、主に農業に関係した取り組みであり、作物の生産拡大の領域ですが、同時に栄養面での取り組みも必要です。そして作物の多様化や適切な栄養についての助言をもらう医療専門家が必要です。2の普遍的初等教育の達成については、子供たちが健康でなければ、学校へ行くこともできないのは明らかです。3のジェンダーの平等の推進と女性の地位向上については、妊娠、出産における問題があるため、女性は特に大きな疾病負担を強いられています。ですから、こうした医療における問題の改善をみなければ、どの開発目標も達成することは出来ません。逆に言えば、医療以外の分野における開発目標達成を目指す人たちは、自らの目標達成には自分達も医療分野に関わる目標達成を助ける必要があると感じるでしょう。
 私の仕事についてもう少し具体的に申し上げますと、わたしは、患者を診る臨床医となるべく教育を受けておりますが、村においては、臨床の仕事ではなく、公衆衛生や物資の供給及び組織化の仕事に関わっておりました。
6写真-物資.jpg  物資の供給における仕事では、(写真にあるような)抗マラリア薬、抗生物質、コンドーム(箱の中)といった生命にかかわる医薬品を、地域の販売店から(この場合は、ガーナにある、クラスターから、地方都市クマシから悪路を、数時間かけて)、このクラスター内に届けていました。   
 この写真は、村の教会の中ですが、母親と子供たちに2人のヘルスワーカーが出張医療活動を行っています。7写真-Meeting.jpg
8写真-Meeting.jpg また、私の仕事には、スタッフの管理も含まれていました。医療分野の目標達成にむけて、多くのスタッフが多くの仕事をもっています。問題は、いかにしてこのような人たちをまとめていくかです。ヘルスワーカーや農業スタッフが、数百平方キロメートル以上 の場所に、多くの場合、携帯電話なしで、点在しております。スタッフの管理や物資を供給方法、データの集計方法、スタッフと地域への教育の方法、メッセージを地域に伝達する方法、外部からの情報を入手する方法などを考えていかねばなりません。
この写真は、私が2007年12月にガーナのクラスターを去る前に、医療スタッフ全員の姿を撮ったものです。
皆が揃うのも一年に一度ほどの中で、こうした数の人たちを組織化するのは困難であることがお分かりでしょう。
 私が係わったもう一つの分野は、携帯電話を使用した医療活動です。最も人里離れた遠隔地においても、また、基本的物資が普及していない場合でも、携帯電話のような先端機器は使われています。地域で、教育を普及させ、情報や医療技術を伝達し、治療を行うために、携帯電話やパーム・パイロット(米国製小型情報端末)を活用して、今後多くのプロジェクトがすすめられねばなりません。
9写真-Meeting.jpg  これは、タンザニアでの写真ですが、中央には、ボランティアが写っています。
我々は、彼にわきにちょっと来てもらって、パーム・パイロット・プログラムの使用方法を教えています。小型の情報端末を使用して、下痢やマラリア防止といった基本的な疾病の防止ために、基本的な医療教育や説明をおこなうプログラムです。そして、彼に、他の村の友達にこのプログラムを紹介してもらうよう頼んでいます。彼は直ちに興味を持ち、 これを村に持って帰りたいと言いました。
 以上のことは、私が行った活動ですが、かならずしも途上国で仕事をおこなうことの全体像を伝えるものではありません。私は、医学生ですので、医療業界の人たちには、医学的な内容にたとえて、その活動を説明します。「途上国で仕事をすることは、神経外科のようなものでなく、停電下で、頭痛薬を処方することだ。」と言います。必ずしも、難解な物理学のなぞを解明するようなことではなく、 実証済みで、有益かつ重要な介入を行うものである。自分以外の誰もが踏み入れるこのできなかった場所で自らが介入を行い、地域の人たちにとって、基本的なこと行なうために必要な資源を提供することだと説明します。
 つまり、途上国での日々の活動というのは、必ずしも、英雄的なものでも、アフリカのジャングルの奥地に行くような映画のシーンのようなものでもありません。私は村で活動してはいましたが、多くの時間を事務所で過ごしました。私の任務は、データ入力や、エクセルを使った表や教育関連の書類作成が主でした。途上国へ行く準備をする上で、このことを心に留めておくこが重要です。想像しているようなすごく魅力的な仕事にならない場合が多いのです。
 最後に、途上国でボランティア活動を行う上で、わずかばかりの助言をさせていただきたいと思います。これは、ミレニアム・ビレッジのみならず、他の状況にも当てはまります。まず一つは、もしあなたが、興味をもっているなら、また、 少しでもやる気があるなら、やってみることです。最大の困難は、今の満ち足りた生活を抜けだし、途上国で仕事をするということだと思います。しかし、ひとたび足を踏み入れれば、素晴らしい経験となるでしょう。
 また、もう一つ理解してほしい重要なことがあります。特に、米国のような先進国においては、開発の仕事をキャリアとして選ぶということは、 一般的には、弁護士や、(今や銀行家というのは当てはまらないかも知れませんが(笑)、または、実業家といった高収入が得られるキャリアを諦めることになります。収入が減っても開発に携わるというのは、特別な人たちの選ぶ道なのです。
 途上国によって、状況は異なりますが、ボランティア活動や開発グループから得られる収入というのは、途上国においては、非常に高額になる可能性があります。私は、開発に関わっている途上国の人たちが、貧困から地域の人を救いだすことに対して全力投球しているわけではないとか、興味をもって取り組んでいるのではないと述べているのではありません。 しかし、一部の人たちは、仕事として、高収入が得られるから、開発の仕事に関わっているのです。
 私は、これを「開発観光業」と名付けています。グーグルで「アフリカ」「ボランティア」をキーに検索すると、ボランティア活動の機会を紹介する無数の団体のサイトがみつかります。しかし、基本的に、すべての団体は、「授業料」もしくは「料金」を要求します。そして、その額は、たいてい、とても高いものです。そしてボランティア活動を一まとめにビジネスに近い形で提供し、ボランティア達を途上国に連れて来ることによってお金をもうけているような団体も時にはあります。こうした状況がすべてではありませんが、ボランティアの機会を求める場合、注意すべきことです。そしてこのような状況が、海外ボランティアたちと現地でプログラムを実施する側との間で、お互いの期待に食い違いを生むこともあります。 
 最後にまとめさせてもらいます。医学の世界での教訓ですが、ラテン語で “ Primum non nocere”、「肝心なのは、害をなさぬこと。」という言葉があります。誰も傷つけないことが一番大切だという意味です。途上国で仕事をする場合は、これを2つの意味で、心に留めておくとよいでしょう。 (心に留めるべき)一つ目の点は、途上国では、しばしば「持続性」ということが取り上げられますが、まるで元から存在しなかったかのように、自分や自分が持ち込んだ資源が開発地域を去ってしまえば、そこに行って活動しても、その地域のためにはならないということです。 ボランティアとして仕事をする場合、自分が必ずしも、持続性のある資源ではないことを覚えておかねばなりません。仕事はするが、いずれ仕事を引き継ぐ人がいないのであれば、自分がどこまでやるのか考える必要があります
 2つ目の点ですが、 ボランティアが害をなすケースがあるということです。途上国へ行くと、私たちの多くは、素晴らしい歓待を受けます。現地の人は、親しみやすく、優しく応対してくれます。ボランティアとして仕事をする場合も同様です。ボランティア団体の一員として現地に行くと、受け入れ側の担当者は、ボランティアが快適に過ごしているかとても気遣います。自分たちの仕事の時間さえ使って、一緒に過ごし、快適かどうか確かめようとします。大事なことは、できる限り、人に頼らないことです。助けが必要なことももちろんあるでしょうが、みなさんの個人的な必要性を満たすために、彼らの仕事時間をつかうようなことは避けるべきです。
 最後に一言。現実的な期待を抱くことが重要です。「地球を救いたい。」と思うのは、結構なことです。わたくしもそう思います。しかし、数か月アフリカで過ごしたからといって、地球が救えると考えるのは理にかなっていません。
 開発問題の解決は非常に複雑で、困難です。活動の経験の中には、自分が思い描いていた目標達成につながらない可能性のあるも必然的に含まれます。活動の上で、抵抗にあうこともありますし、時には、いらいらすることもあるでしょう。現地へ行くのをやめる必要はありませんが、こうしたことを頭に入れておくことです。現実的な期待がないと、いらいらして、あきらめたくなります。現実的な期待を持つことが重要です。
 重ねて申し上げますが、行きたいと望むなら、ぜひ、行くべきです。とても素晴らしい経験です。ご静聴ありがとうございました。

9月26日開催のミレニアム・プロミス・パートナー大会

ミレニアム・プロミスより送られました第一回ミレニアム・プロミス・パートナー大会の要約を掲載します。
DSC00338.JPGDSC00347.JPGDSC00343.JPG
写真は左から、ミレニアム・プロミス共同創設者で現・国連事務総長マラリア特使のレイモンド・チェンバー氏、中央写真がミレニアム・プロミス共同創設者&国連事務総長特別顧問ジェフリー・サックス教授(左)、ジョンマッカーサーミレニアム・プロミスCEO(右)、右の写真は会場のもよう。
2008年9月26日、ニューヨークのタイム・ワーナー・センターにて、第一回ミレニアム・プロミス・パートナーズ会議が開催されました。ビジネス、科学、政府、慈善、メディア、芸術、テクノロジー、宗教関連など、あらゆる分野から200を超えるパートナー及びゲストが参加しました。当大会は、3年前にミレニアム・プロミスによる呼びかけによって始まったビジョンであるミレニアム開発目標(MDGs)達成にむけての貢献と、アフリカ・サハラ以南地域における極端な貧困撲滅への目覚ましい前進を祝うために行われました。
1日におよぶ会議で、パートナー及びゲストの方々が、これまでの成果や新たな取り組みを報告し、今後の戦略ビジョンを紹介するというミレニアム・プロミスにとって大変意義ある大会となりました。
また、マラウイ共和国ビング・ワ・ムタリカ大統領よる感動的な基調講演が行われ、アフリカ現地からの最新報告や、ミレニアム・プロミスとのパートナーシップを通じた革新的で行動力のある関係者らのスピーチが行われました。 本大会は、次期戦略段階への熱意あふれる決意表明で幕を閉じました。また、ミレニアム開発目標達成へ向けてより結束を強固なものにするために、多くのゲストが、このパートナーシップに参加することを通じて、様々な人たちとの対話を進めるきっかけとなりました。

成果およびビジョン
CEOによる最新報告
初めに、ミレニアム・プロミスのジョン・W・マッカーサーCEOがパートナーの方々へ心からの感謝の意を述べた。マッカーサー氏は、ミレニアム・ビレッジおよび「マラリア・ノー・モア」(2006年12月にマラリア対策の取り組みを喚起するためにミレニアム・プロミスが設立した組織)の計画と政策実現における成功について説明。「パートナーの皆様は、三年前、我々の考えにご賛同、リスクを承知で協力してくださった。」とマッカーサー氏は発言。「そのリスクが報われました。皆様のご尽力により実現した進歩や功績を、ぜひとも誇りに思っていただきたい。」と加えた。
次に、マッカーサーCEOは、ミレニアム・プロミスとパートナーにとって重要な次期目標を以下のとおり強調した。
第一に、当組織が、ミレニアム・ビレッジの成功をより広い地域へ拡大し、各国の取り組みを支援する。
第二に、ミレニアム・プロミスは、ミレニアム開発目標達成に貢献する革新的な方法を見出すために、引き続き新たなアイデアを育み、ミレニアム・ビレッジ及び周辺地域で新規活動を開始する。
第三に、ミレニアム・プロミスはミレニアム開発目標達成にむけての社会認識を広げ支援拡大において今後もリーダーシップを発揮する。
第四に、ミレニアム・プロミスは、引き続き世界各国で主要パートナーのネットワーク拡大に努めること。
共同創設者による発言
ミレニアム開発目標について
ミレニアム・プロミスの共同創設者でありミレニアム開発目標に関する国際連合事務総長特別顧問であるジェフリー・D.サックス教授は、同じ週に開催された国連総会で、世界経済が非常事態にある中、各国によりミレニアム開発目標について真剣な討議が4日間に渡って行われたことを報告した。各国はミレニアム開発目標達成への決意を新たにし、進捗を速めるための実際的な手法を検討した。サックス教授は、ミレニアム・プロミスは持続可能な開発における課題解決のために実行できることに取り組んでいると説明。また、科学的検証に基づいた実現可能な取り組みを進め、その進捗を図るために必要な監視と評価を行っていると説明した。また、サックス教授は、ミレニアム・ビレッジは、実証された手法で特定分野に狙いを定めて投資を行うことで、地域村落は極度の貧困から脱却が可能であることを実証するためにスタートしたと付け加えた。ミレニアム・ビレッジで早期に示された成果は、新たなコンセンサスを生み出したと強調。サックス教授は、「極度な貧困撲滅のために講じたミレニアム・プロミスの手法は、コンセンサスを得て、ミレニアム開発目標達成に向けての最良の概念かつ戦略であると考えられてきている」と述べた。この手法が世界の取り組みの中心である。一日の会議を通じ、サックス教授は、ミレニアム開発目標を支える協力関係の重要性を強調し、個人及び各団体から協力を得て、とりわけ民間セクターによる支援を拡大し、民間資本と専門知識を極度な貧困撲滅への解決のために活用するミレニアム・プロミスの活動は極めて重要であると述べた。
マラリア対策について
ミレニアム・プロミス共同創設者であり国際連合事務総長マラリア特使のレイ・チャンバース氏は、マラリア対策において2008年9月に達成された顕著な功績を発表。「マラリア・ノー・モア」は、マラリア対策において、政府、非営利組織、民間セクターなどの主要機関の連携を促すために、2年前にミレニアム・プロミスにより設立されたことを説明。「マラリア・ノー・モア」は、ピーター・チャーニン現会長及び主要パートナー機関の協力で、大規模のマラリア対策運動の開始を支援した。この運動は、大会前日(9月25日)に、大きな成果として、まとめられた。ミレニアム開発目標についての国連ハイレベル会合の昼食会にて、ビル・ゲイツ氏、ボノ氏、ゴードン・ブラウン氏、世界銀行及び15ヶ国の国家元首が一同に会し、マラリア対策のため新たに30億米ドルが投じられることを発表した。この財源は、2010年までに全ての対象地域に長期持続性殺虫剤処理済みの蚊帳を配布し、2012年までにアフリカにおけるマラリア感染死亡を撲滅するために使用される。
ミレニアム・ビレッジ事業
マラウイ共和国より現地報告
レビー・ハラワ博士は、開始当時より、科学コーディネータ兼チームリーダーとしてマラウイ共和国のミレニアム・ビレッジ・チームを率いている。ハラワ博士はこの事業が地域村落にもたらした目覚しい影響を現地で直に確認しており、事業の成果を発表した。とりわけ、小規模農業従事者の支援では、種子の改良、施肥、新しい農業技術の研修実施により、収穫量が倍増以上となったことを報告。結果として食料の一層安全な確保につながり、余剰穀物は地域事業に回転資金を融資する地域の穀物バンクで保管されている。多様な穀物が栽培されるようになったことで、地域住民の栄養バランスが向上し、新たな収入源となった。ハラワ博士は、世界食料計画と地域村落の協力によりミレニアム・ビレッジで実施された学校給食事業が児童の食糧確保に貢献し、小学校の就学率が向上していることを報告した。
オープン・ソサイエティ・インスティチュート(OSI)
オープン・ソサエティ・インスティチュート(OSI)はミレニアム・ビレッジ事業に対し、5年間で5千万米ドルを寄付。OSI兼ソロス人道基金社長のアリエフ・ネイヤー氏は、OSIは第三者機関である海外開発インスティチュート(ODI)に中間評価を委託した。ODIは数週間内にも公表予定である報告書の中で、複数あるミレニアム・ビレッジは、地域村落で見事な成果をあげたとしている。ODIは、これらの成果は、ミレニアム・ビレッジの手法を次なる段階へ拡大するための追加支援を保証するものであると示唆。さらに、ネイヤー氏は、そのためにはアフリカ各国政府による固い決意と積極的なリーダーシップ、さらに国際支援の拡大が不可欠であると、強調した。また、ミレニアム・ビレッジへの支援は、OSIにとって有益な投資であったこと、また関係国政府がミレニアム・ビレッジの手法を国家レベルで施行するために、どういった支援が可能であるか検討中であることを述べ発言を終えた。
基調講演
マラウイ共和国ムタリカ大統領は、基調講演でミレニアム・プロミスの活動を大きく評価した。自立した経済成長を達成するために国民が必要とする物資と資源の供給があれば、マラウイは極度な貧困からの脱却が可能であることを説明。持続可能な農業、医療、教育、水資源の管理、インフラの整備、村落開発を包括する、統合的プログラムがミレニアム・ビレッジ事業の特徴であるが、マラウイでは、当事業が著しい持続可能な成果をあげていると述べ、その進展を賞賛した。「ミレニアム・ビレッジに投資する1ドルは、他地域に投資する10ドルと等しい価値がある。」と発言。そして「ミレニアム・ビレッジ事業の支援により、極度の貧しい生活を送る人々が次々と貧困の罠から脱却し自立している。」とつけ加えた。ムタリカ大統領は終わりに、マラウイの村落全てをミレニアム・ビレッジにしたいという希望を述べた。
パートナーらの活動と決意表明
パートナー間の議論と発表では、ミレニアム・プロミスのジェフリー・ウォーカー理事長が進行役を務めた。ウォーカー理事長は、パートナー同士の連携がミレニアム・プロミスの成功の礎となることを強調し、支援活動にさらに積極的に関与し、またサハラ以南地域の貧困撲滅支援というミレニアム・プロミスの使命に貢献するための様々な方法について、パートナーらに対し創意工夫を求めた。以後2時間の間、パートナーは各々の決意を分かち合い、今後の新規活動を発表するなど、ミレニアム・プロミスの次期段階における取り組みの基礎を固めた。パートナーによる報告及び発表は以下の通りである。
カール-ヘンリク・スバンバーグ氏(エリクソン 最高経営責任者)
スバンバーグ氏は、地元プロバイダーのザイン社などと連携して、全てのミレニアム・ビレッジに携帯電話、情報網、インターネット接続を普及し、情報格差の解消を目指すというエリクソンの支援概要を説明した。同社のケニアのデルトゥ村での協同体制を取り上げたCNNインターナショナルのVTRを紹介。スバンバーグ氏は、携帯電話には変革をもたらす潜在的可能性があると指摘し、個人を孤立状態から救い、新たなビジネスチャンスを創造することができると述べた。また、エリクソンでは、村落の医療従事者(Community Health Workers)の一助となる診断機能などを持つ、特別なアプリケーションを携帯電話に組み込むため、ミレニアム・ビレッジと連携して開発を進めていると説明した。
ジョー・グリーン氏 (フェイスブック・コーズィズ 社長)
フェイスブックの利用者は1億人を超えており、フェイスブック・コーズィズを利用して慈善活動に関わる人は1400万人に上っている。同社サイトには数千の社会貢献事業があり、サイトユーザーならば誰でも新規活動を始めることができると、グリーン氏は説明。同社はグッド・マガジン社と連携し、ミレニアム・ビレッジ事業の主要活動を表示したミレニアム・ビレッジの仮想モデルを作成し、ミレニアム・ビレッジ専用の特別アプリケーションを開始すると発表。サイトユーザーは、個人的にこれらの事業に献金したり、また、友人や他のユーザーと共同で、活動支援することが可能になる。ユーザーは、フェースブック上で、自分の寄付がどのように地域支援に役立っているかを逐次確かめることができるようになる。フェイスブック・コーズィズ社では、年内にもミレニアム・ビレッジ専用の新アプリケーションを起動させたい意向である。
ジョン・タイソン 氏(タイソン・フーズ 会長)
タイソン氏は、タイソン・フーズは世界から飢餓なくすため、真剣に取り組んでいると説明。同社はミレニアム・プロミスと協力し、近代的な養鶏事業育成のための研修及び資源をサハラ以南地域のミレニアム・ビレッジの村落に投入する予定である。この取り組みにより、地域住民は新たなビジネスチャンスを活かして収入を増やすことができ、タンパク質摂取量の増加による住民の栄養バランスの向上も期待される。
小暮真久氏(テーブル・フォー・ツー・インターナショナル事務局長)
小暮氏は、テーブル・フォー・ツーは、途上国の栄養不足と先進国の肥満を同時に解消する取り組みを進めていることを説明。日米の社員食堂で健康食を提供し、売上の一部をミレニアム・ビレッジの学校給食事業に寄付。地元児童の栄養と食糧確保に貢献している。テーブル・フォー・ツーはこれまでに、マラウイ、ルワンダ、ウガンダの学校給食支援のため130,000食分を寄付した。
福林憲二郎氏(住友化学株式会社代表取締役常務執行役員農業化学部門統括)
ロビン・スラター氏(住友化学株式会社産業開発マネージャー)
福林氏とスラター氏は、マラリア対策に係る住友化学とミレニアム・プロミス及びミレニアム・ビレッジの協力関係を説明した。マラリアはサハラ以南地域において、人々の健康を害し、経済生産性を阻害する、極度の貧困の根源となっている。住友化学は、この予防可能な病気の蔓延を食い止めるため、2006年にミレニアム・プロミスと連携し、ミレニアム・ビレッジ内の全ての家庭をマラリアから守るため、長期持続性殺虫剤処理済みの蚊帳33万帳を配布した。同社の蚊帳「オリセット」は感染の軽減に大変有効であり、5年間の使用できる耐久性が評価されている。両氏はマラリアを制することができれば、人々の生産性と児童の就学率が向上し、健康増進と繁栄につながることを指摘した。
ケリー・ワトソン氏 (KPMG パートナー)
世界各国で監査、税務、投資顧問サービスを提供するKPMGからは、この日、各国に散らばる上級社員が集った。ワトソン氏は、同社は2006年からミレニアム・シティ・イニシアチブに参加し、アフリカの第2都市における外国直接投資促進について商業経済に関するアドバイスを無料で提供していることを説明した。同社はカナダ、日本、ロシア、アメリカの同社会員事務所と連携して活動を進め、タンザニア連合共和国のミレニアム・ビレッジの財政支援を行うことを目指す。また、社員の創意工夫を活用し、スキルに基づいたボランティア活動の実現を目指していると述べた。
クリス・クラーク氏 (ニトログループ 最高経営責任者)
トム・ライアン氏 (コンシューマー・キャピタル・パートナーズ 主席コンセプト・オフィサー)
ライアン氏は、コンシューマー・キャピタル・パートナーズ(CCP)はミレニアム・ビレッジ事業への寄付がきっかけとなり、ミレニアム・プロミスと協力関係が始まったと説明した。その後さらに協力関係を深め、ミレニアム・プロミスの活動の進展を速めるため、自社の経験や知識を活用することを希望。ライアン氏は、ニトログループと連携して、通信という自社の専門分野を活用し、一般市民による支援拡大を目指すと発表した。同社はミレニアム・プロミスに主席マーケティング・オフィサーという役職を新設するための財政支援を行う。CCP社は、自社の市場調査により、寛大な成人の大部分は、ミレニアム・ビレッジの支援に関心があるという結果を確認した。CCP社は、今後、支援に対する関心の受け皿の構築に努める。
クラーク氏は、有力な広告企業として熱意を持って課題を議論し、一般市民の共感が得られるような視覚的な印刷物及び媒体を作成するというニトログループの使命を発表した。そして、同社が制作したミレニアム・プロミスの声明ビデオを放映。ミレニアム・プロミスの活動を紹介したそのビデオは、説得力があり共感を呼ぶ内容に仕上げられている。クラーク氏は、ニトログループは今後もミレニアム・プロミスやCCPと連携して、一般市民の熱意を生み出し、企業や高所得者に対して、ミレニアム・プロミスの活動に参加を呼びかけていくと語った。
ハイム・ディボン大使(イスラエル国外務省国際協力局長、MASHAV統括)
ディボン大使はイスラエル国外務省国際協力局長であり同国の国際協力センターMASHAVを統括している。同国はディボン大使を中心に、エチオピア、コラロのミレニアム・ビレッジクラスターで灌漑事業を進めてきた。灌漑及び乾燥地農業技術において、イスラエルは世界をリードする専門技術を有する国であると説明。大使は、イスラエル政府として、ミレニアム・プロミス及び、ミレニアム・ビレッジ事業との協力関係を深めていくことに、重要性があると述べた。
JMイーグル社
ミレニアム・ビレッジ事業インフラ整備コーディネータであるヴィジェイ・モディ教授がミレニアム・ビレッジとJMイーグル社との協力関係の概要を発表。JMイーグル社は水道管を多数寄付し、水道整備とインフラ事業の支援を行っていることを説明。事業の多くが竣工までに20年から30年が費やされる中、同社はおよそ5年間という短期間で竣工している。
ジェフリー・チャーチ氏 (ユニバーサル・ビルディング・プロダクツ 最高経営責任者)
チャーチ氏は、エチオピアのコラロにあるミレニアム・ビレッジ・クラスターを訪れた際に視察した小規模のダム建設について発言。これにより、現地では灌漑設備が整備され二期作が可能になった。ビジネスパートナーであるマイク・ストーン氏とともに、ミレニアム・プロミスと連携して、ミレニアム・ビレッジと周辺地域で未公開株式によるベンチャー投資事業を立ち上げ、新規ビジネス経営支援を行う予定であることを発表。この財政アプローチは、名目収益率をベースとした投資である。また、「Nika」という商品名でボトル入りミネラルウォーターを販売し、その収益を全て、地方の貧困村落での水道整備を支援するミレニアム・プロミスを含めた3団体に寄付する意向を発表した。
鈴木りえこ氏 (ミレニアム・プロミス・ジャパン 創設者、理事長)
鈴木氏は自己紹介の後、マカッサー氏、サックス教授と協力して2008年5月にミレニアム・プロミセス・ジャパンを東京で創立したことを発表した。鈴木氏は、極度な貧困の撲滅とミレニアム開発目標支援というミレニアム・プロミスの使命を日本国民に広く紹介し、支援拡大に向けた取り組みを先導している。鈴木氏は、日本企業に対してミレニアム・プロミスの活動への協力を促す活動を紹介した。
ロネン・ハラリー氏(スピン・マスター 最高経営責任者)
ハラリー氏は、子供のおもちゃを製造するスピン・マスター社がミレニアム・ビレッジ事業への寄付を行い、ミレニアム・プロミスを支援している旨を語った。同社は今後、社員の力を活用し、子供の教育支援を通して、協力関係をいか深めていくか模索していると述べた。
メアリー・ファナロ(オムニピース 創設者、最高経営責任者)
ファナロ氏は、極度の貧困に取り組む自社の活動について発表した。ファナロ氏は自らアフリカ大陸とピースサインをする手をかたどったロゴマークを作成し、Tシャツや衣類に印刷して販売。収益の一部をミレニアム・プロミスに寄付し、衣類を通じて極端な貧困と闘う使命を消費者にアピール。これまでに20万米ドルの寄付が実現した。ファナロ氏は、15社に対してロゴ使用を許諾する予定であり、倫理的な消費者運動の促進に努めたいと述べた。
ジャッキー・コーベリ (ウィットビー校保護者、ブライトラインITV理事長、最高経営責任者)
コーベリ氏は、ミレニアム・プロミスのスクール・トゥ・スクールプログラムのパイロット版の開始を支援した。エリクソン社の協力のもとでインターネット設備が新設され、米国コネチカット州のウィットビー校とウガンダ共和国のミレニアム・ビレッジにある小学校がオンラインでつながった。第一回目の交流で、児童は写真を紹介して自分の生活について話すなど、文化交流を通じてお互いの体験について学ぶことができた。
まとめ
第一回ミレニアム・プロミス・パートナー大会は、ジョン・マッカーサー最高経営責任者と共同創設者のジェフリー・サックス氏が重ねて出席者に感謝の意を述べて、幕を閉じた。大会での議論をふまえ、ミレニアム開発目標の支援においてミレニアム・プロミスが真っ先に取り組まねばならないのは、新たな変革を生み出し、パートナーシップを拡大していくことであると強調した。両氏は、極度な貧困撲滅のため、支援方法や支援の輪を広げる方法についての意見やアイデアを共有するよう、大会出席者に求めた。
(翻訳・田村トリサ&事務局)

アフリカに送る筆記用具を集めています!

ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)では、アフリカ(今回はモザンビーク内)のミレニアム・ビレッジへ送る筆記用具を集めています。
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MPJとニコリ社が企画しているアフリカの子供たちの間に「数独SUDOKU」を普及させる活動のためには、鉛筆を希望していますが、その他の筆記用具も歓迎です。
写真の筆記用具は、埼玉県鴻巣市の田島文具センターからご寄贈いただいたものです。ありがとうございます。